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映画「初恋」ネタバレあり感想解説と評価 三池監督だからできる現代邦画に対する贖罪と復讐の物語

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
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この記事では、「初恋」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「初恋」

 
 

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(C)2020「初恋」製作委員会
 
 
三池崇史の作品が公開されるのは、実に何年ぶりだろう。
 
「十三人の刺客」から約10年の月日を経て、ようやく三池作品を劇場で見ることができる。
 

 

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映画好きの読者諸君はこうツッコミたいかもしれない。

 

「何言ってるんですか? 三池監督の作品は毎年公開されてますよ」と。

 

もちろん、その指摘も「一理」ある。確かに、「十三人の刺客」以降、数多くの作品を監督していることは確かだ。

 

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しかし、私のなりのカウントをさせてもらえば、三池作品が公開されるのは10年ぶりのことで、疑いの余地がない。

これ以上の説明は野暮なので、もう何も言わない。

 

バイオレンスでヒューマニズムを描き、唯一無二の三池作品を見れるのは実に久しいこと。もちろん、公開初日に劇場に足を運んで鑑賞してきた。

 

それでは「初恋」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・三池崇史監督が窪田正孝を主演にメガホンを取った自身初の恋愛映画。天涯孤独の身で類まれな才能を持つ天才ボクサーの葛城レオは、試合でまさかのKO負けを喫し病院へとかつぎこまれた。医師から自分の余命がわずかであるという事実を突きつけられ、自暴自棄になりながら歌舞伎町の街を歩くレオの目に男に追われる少女モニカの姿が飛び込んでくる。ただごとではない様子からレオが反射的にパンチを食らわせた男は、ヤクザと裏で手を組む悪徳刑事・大伴だった。モニカは親の虐待から逃れるため歌舞伎町に流れ着き、ヤクザにとらわれていたという。レオは彼女を救うことを決意するが、その選択はレオがヤクザと大伴から追われる身となることを意味していた。レオ役を窪田、大伴役を大森南朋、モニカ役をオーディションで選ばれた新人の小西桜子がそれぞれ演じるほか、内野聖陽、染谷将太、ベッキー、村上淳、滝藤賢一、ベンガル、塩見三省らが顔をそろえる。

eiga.com

 

 
 
 
 
 

「初恋」のネタバレありの感想と解説(全体)

 
 きゅーん❤️きゅん❤️
 
きゅんきゅん❤️❤️❤️ 
 
ぷいーん❤️❤️
 
ぷっるるるぅ〜〜ん❤️ 
 
らっぶらぶ❤️❤️❤️ 
 
みぃんなが大好きな恋愛映画の条件ってぇっ
 
・イケメンが主人公
・ヒロインは可愛くあどけなく、幼い
・余命を抱えている
・愛する人が死んだらすぐに喚き泣き叫ぶ 
 
だよねっ!?だよだよねっ!? 
 
もちろん、この映画には全部の条件が当てはまるんだけどぉ、、、
今までの恋愛映画とは、全然違うんだよぉぉ❤️
 
 
全米が惚れた!? こんな恋愛映画、見たことない❤️
 
 
一言で言うなら、三池印の血だまりタピオカハニージュース❤️❤️(意味不明❤️)
 
でもぉ、これってもしかしてぇ、、三池監督だからできる、現代邦画に対する贖罪と復讐の物語なのかなぁ?❤️ ねぇねぇ、みんなもそう思うよねぇぇぇ❤️❤️ 
 
ねぇねぇ、絶対そうだよねぇぇぇぇ❤️ 
 
きょうかん、きょうかん、ぜったいきょうかんだよぉぉぉぉ❤️
 
 

 
 
 
 
 

なぜタイトルが「初恋」なのか?

 

・・・ここまで若者言葉をバカにした映画ブロガーも、私くらいだろう。

 

前段で散々ふざけておいた後のこの文調は、著者にとっても読者にとっても精神的に苦しいところがあるが、気を取り直して書き進めていきたい。

 

映画リテラシーの高い方や、もはや吐き気さえする前段の戯言を見ても分かる通り、今作はいわゆる恋愛映画のジャンルではない。

もちろん三池監督に普通の恋愛映画を撮る気もないし見たくもない。

 

ではなぜ、三池崇史監督が「初恋」というタイトルの映画のメガホンを取ったのか?

 

映画の内容を述べるよりも、まずは今作のタイトルの意味について私のなりの解釈を提示してみたい。

 

単刀直入に言えば、今作は三池監督だからできる現代邦画に対する贖罪と復讐の物語と捉えることができる。

 

そして、「初恋」というタイトルとは対極的な演出を施すことで、現代邦画の駄作の典型例とも言える余命設定の恋愛映画を破壊したのである。

 

 

 

 

 

三池監督だから出来る贖罪と復讐の物語

 

以降、今作のタイトルの意味について詳しく解説していく。

しかしそのためには、まず三池監督のこれまでの功績を説明しなければいけない。

  

三池監督は「殺し屋1」や「インプリントぼっけぇきょうてぇ」など、強烈な作家性を感じる作品を作りながらも、長らく職人監督としての立場で映画界に貢献してきた人物である。

 

 

 

昔インタビューで答えていたが、三池監督はどんな作品も断らず、無事に製作を遂行する職人監督を非常に肯定的に捉えていた。

自分の作りたいものだけを作っていてはいけない、映画監督ならば多くの作品をとるべきだしチャンスがあればメガホンを取るべきだ、と。

 

三池崇史監督はこれを有言実行し、どんな映画監督も遠ざかるような「やっかいな」映画も断らずに監督してきた。

 

何がやっかいな映画かは明言を避けるが、私が三池監督作品の「テラフォーマーズ」を批評した記事のリンクを貼っておく。

ただし、決してテラフォーマーズがやっかいな映画などと捉えているわけではない。

 

www.machinaka-movie-review.com

 

ともあれ、三池監督は数多くの作品を、自分の作家性の尊重とは無関係に作り続けた。

 

昨今のテレビ局出資の映画やテンプレ恋愛映画の隆盛は、三池崇史監督が職人監督として本領を発揮したからであり、三池監督なくして現在の映画界はありえないとさえ感じる。

 

これまで三池監督の作家性全開な作品と職人監督として作った作品は決して交わることなく、それぞれ独立した作品として存在していた。

 

しかし、今作はこれまでの三池作品とは明らかに異なっている。

今作のプロットと演出から、読み解いてみたい。

 

プロットについては、窪田正孝と小西桜子というイケメンと可愛いヒロインを設定し、きちんと二人の恋愛映画としての成就まで辿り着けるのは、職人監督としての仕事をこなした結果だろう。

 

一方で、血みどろな有様で不条理に人を殺していく描写、痛みがこちらまで伝わっていそうな暴力表現は、三池監督印の作風である。

 

決して交わらない対照的な二つの軸が、今作になってようやく交わったのだ。

 

これだけでも100億点をあげたいくらいの奇跡的な融合を果たしたと思うのだが、今作はそれだけに留まらない。

 

 

 

プロットで作った設定を、演出で全て裏切っていく

 

プロットだけ見れば普通の恋愛映画にあるような設定を、今作は全て裏切っていく。

説明セリフやナレーションではなく、映像と音響による演出で。

 

最も象徴的なのは、窪田正孝が余命わずかである設定をあらぬ形で吹き飛ばしてしまう展開だ。どんな形で吹き飛ばしたのかは絶対に言えないが、是非とも本編で確認していただきたい。

 

まさかの余命宣告が帳消しとなってしまい、見る人によっては神経を逆なでする行為とも取れる。正直、物語だけを追いかけると酷い展開であり、喪失感さえある。

 

しかし今作は圧倒的なバイオレンスとコメディ映画も顔負けな爆笑演出をもって、まさしく映画的な面白さによって、物語の喪失感を払拭している点が素晴らしい。

むしろ、余命わずかという設定なんてどうでもよくなってしまうほどの面白さで、映画は進んでいくのだ。もう余命なんて気にしてる場合じゃない、と思ってしまう。

 

悪意さえ感じるようなこの余命設定の帳消しには、監督のフィルモグラフィーから考えると大きな意味がある。

 

三池監督が職人監督として撮ってきた映画は、お世辞にも高い評価を得ているわけではない。

そのどれもが投げやりだったり、正直三池崇史監督がやらなくても良いような作品が多い。つまり、誰がやっても結果が同じなような、作品のクオリティを求めないような作品が多かったように感じる。

 

どこかで見たような設定、誰もが予想できる結末。公開前から既に酷評のレッテルが貼られるような、そんな映画ばかりを三池監督は職人として、プロとして作ってきた。

 

そんな駄作映画の典型例として挙げられるのが、余命設定の恋愛映画

 

具体的にどの作品がダメかと断定・選定することはできないが、たまたま思い出した3つの作品を挙げておく。

 

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三池崇史監督はこのような恋愛映画は監督していないが、あくまで自分が作ってきた職人監督映画としてメタファーを込め、主人公は余命という設定にしたと思う。

むしろ、監督がこれまでやったことのないジャンルだからこそ、(過去作品の関係者に迷惑が掛からないように)恋愛映画をやり玉に挙げたのだと考える。

 

これまで「これはダメだ」と酷評され続けてきた邦画の多くは、余命という設定がつきまとっていたように感じる。どんな監督がやっても、「余命」と言うだけで結末が透けて見えるような、企画の時点でダメな映画が余命付きの恋愛映画である。

 

現代の邦画を作る監督は、常に余命との戦いを強いられてきた。

 

しかし、三池監督は好き嫌いせずに、余命付き映画が象徴するような、企画の時点でダメな映画を職人監督として作り続けてきた。

 

しかし今作で、自分が職人監督として作ってきた映画を、自分の作家性をもって破壊したのである。

 

監督:「これまで駄作と呼ばれ酷評されてきた映画を撮ってきたけど、自分でもダメだって思ってるよ。こんな余命設定の恋愛映画なんてダメだって分かってるよ。分かってるさ。今までごめんね。でも俺がちゃんと自分で責任取るからね。」

 

という監督の言葉が聞こえてくるような気さえする。

 

余命設定を吹き飛ばすことは、三池崇史監督にとっては非常に重油な意味を持つ。

これまで自分が撮ってきた現代邦画に対する贖罪と復讐が、今作には込められていた。

 

ベッキーがあそこまで吠え、「殺してやる!」とまで言わしめたのは、もしかしたら監督のメッセージが込められていたかもしれない。

 

なぜなら殺すという行為自体が、「余った命を奪う」ことに他ならないからだ。

 

 

 

まとめ

 

映画の内容について、あまり具体的な話は出来なかったが、面白かったポイントはたくさんある。

監督自身のメッセージが込められた映画だと批評してしまったが、今作はそんな小難しいこと関係なく「コメディ映画」として非常に優秀である。

 

特にベッキー自身の演技はもちろん、なんといっていいか、、ベッキーの祖母が登場した時のタイミング、カメラワーク、いずれにとっても絶品であった。

その瞬間、少ない観客ながらもまるでお笑いライブのような大爆笑の渦が、映画館を包んでいた。

 

後半のアクションは言いたいところがたくさんあるが、それをぬきにしても大変満足度の高い作品であることは間違いない。

 

最後に、これまで三池監督作品を見てきて本当に良かった。。

生きてりゃいいことある。これからもMachinakaは「命を大切に」します。

 

 

 

95点 / 100点 

 
関連画像

 

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 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 
 

 

PS 面白い余命設定の映画もある!

 

散々余命映画をコケにしてしまったが、中には面白い映画もあることを付しておきたい。

 

君の膵臓をたべたい

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