まえがき
今回批評する映画はこちら
「ゴーストブック おばけずかん」
主演:新垣結衣、主題歌:星野源、夫婦揃って映画を全力支援!
これぞ商業映画の賜物でございます。
新垣結衣の演技、そんなに好きじゃないんだけどな。星野源の歌、あんまり好きじゃないんだけどな。
もっと言えば山崎貴・・・
うーぬ。。
好きなのは一本だけです!!
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それでは「ゴーストブック おばけずかん」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が、子どもたちに人気の童話シリーズ「おばけずかん」を実写映画化。寝静まった子どもたちの枕元に現れて「願いをかなえたいか?」とささやく謎のおばけ。どうしてもかなえたい願いがある一樹たちは、学校で噂になっているそのおばけに導かれ、「おばけずかん」を探すことに。あやしい店主がいる迷路のような古本屋で図鑑を手に入れたものの、古本屋から出ると、そこには知らない世界が広がっていた。一樹たちは図鑑の秘密を知る図鑑坊の助けを借りながら、おばけたちを相手に命がけの試練に挑むが……。一樹を「約束のネバーランド」「万引き家族」の城桧吏、子どもたちと一緒に冒険する臨時教員・瑤子先生を新垣結衣、物語の鍵を握る謎の古本屋店主を神木隆之介が演じる。
ゴーストブック おばけずかん : 作品情報 - 映画.com
「ゴーストブック おばけずかん」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#ゴーストブックおばけずかん 」鑑賞😠
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2022年7月22日
大人も目を見張る凄まじいVFX映像に対し、小学生ですら呆れそうな💩脚本。
ゴーストバスターズと学校の怪談を足して200で割ったような安定のタカシクオリティ。ラストのNWH的展開も脚本のせいで💩
唯一の救いは、アディダスのパーカーを着たガッキー pic.twitter.com/ro4EOR8CB6
ある意味安定のタカシクオリティ
はい。今鑑賞を終えました。
テンション低いです。
夏休みにピッタリなジュブナイルもの。小学生たちと先生がチームを組んでおばけ図鑑の謎を解き明かすSFということで、山崎貴さんが得意とするジャンルであったとは思います。
大人も目を見張るほどの超絶技巧のVFXは大満足だったのですが、小学生でもツッコみたくなるような稚拙な脚本のせいで全てが台無し。
そのアンバランス感こそがタカシクオリティなのですが、今回はあまりにも厳しすぎました。
最初から最後までVFXのクオリティには驚かされました。
現実世界なんだけど、「時空の歪み」を表現するかの如く、世界をルービックキューブでバラバラにしたような空間造形を施しているのです。
例えば、家の壁に車が刺さっていたり、部屋がぐるぐる移動したり、家が宙に浮いたり、摩訶不思議な世界観を違和感なく作り込めている事に感動しました。
これからもタカシ率いる白組には日本映画を引っ張って欲しいなと改めて信じることができました。
神木隆之介くん演じる謎の男の店に入り、おばけずかんを万引きした結果、今まで住んでいる世界と似ているようで全く違う裏世界へ迷い込んでしまう。
脱出するためには制限時間以内に7匹のお化けを図鑑に収める必要があり、仲良し小学生たちとガッキー演じる臨時担任の先生が裏世界を大冒険!!
あらすじを書くと楽しそうな映画にも見えるんですけど、これがまぁキツい。
裏世界に迷い込んだと言っても、基本的にはホームドラマのような緩い展開の連続で、おばけとの対決も絶対的安全圏の中で繰り広げられるので、1秒たりともスリルがない。
しかも夕方になると帰宅して夕飯を作って食べるので、夜の不気味さが全くない。
おばけなのに、夜のシーンがないんですよ。昼間しかおばけと対峙できないんですよ。
・・・・はぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
心霊ドキュメンタリー1000本見てから出直せコラ!!!
不気味さもスリルもないおばけ映画なんて、それだけでウンコタレ認定だよ!!!
子供のことを思って怖くないシーンを避けたのかな?
原作の世界観を壊したくないから?
それならそれで、ゆるーい作風を貫いてもらっていいんですよ。
別の方向性で映画作って貰えば。
でもね、この映画、制限時間内におばけ図鑑をコンプリートできないと「死ぬ」んですよ? 命をかけろ、と言われてるんですよ。
それにも関わらず、おばけとの戦いは常に平和だし、夕方になったら一緒にカレーライスを作って普通に暮らしてるし、命をかけてる感が皆無なんですよね。
制限時間、失敗したら死、といったハードな設定にも関わらず、常にユルさがつきまとう作風に萎えてしまいました。
全くと言っていいほど波風が立たない。ただ小学生とガッキーが摩訶不思議な世界に迷い込んで、少し冒険しているだけに見えてしまう。
必死さが足りないんですよ。もっとアツい映画を求めていました。
まぁ、劇中にも出てきますが、「アツくなる」ってのが平成育ちなんですかねぇ。
今の令和の子に言ってもダメなのかな。
でも、全体の傾向としてはクールでチルな子が多いかも知れないけども、内に秘める闘志までは否定したくないんですよ。どんな状況に陥っても常にクールな小学生たちを見て、リアル感が薄いというか。
脚本を作る人は、もっと小学生のことを観察してほしいなぁと思いました。
まぁ、脚本作ったのタカシなんですけど・・・
天は二物を与えずと言いますが、これだけ映像が素晴らしくても脚本の能力は難アリだと言わざるを得ませんでした。
他の人に脚本依頼するとか、もっと客観的にレビューをして反映するとか、もっとブラッシュアップして欲しいなぁと思います。切実に。
重みのない言葉たち
悪目立ちが多かった脚本ですが、何よりも重みのない言葉たちが目につきました。
まずは「命」について。
おばけ図鑑を集めようとする時に、おばけが小学生たちに向かってこう言います。
「命をかけろ、か。その言葉おぼえたからな」と。
そんなハードな設定があるにも関わらず、ずっとゆるい展開で進むのが本当に腹立たしいんですよ。
子供にとって大切な「命」の概念を蔑ろにしてるんですよね。考えすぎかも知れませんが、本当にガキみたいな「命」という言葉の使い方をするなぁって。
後半にも「命」についてよく考えさせられる場面はあるのですが、それも微妙で。
そして何より、ガッキー演じる新米の先生周りの言葉。
「良い先生だよ」とか「とりま先生」とかあーだこーだ先生に向かって投げかけられる言葉も、私には何も感じませんでした。
特にKREVAの子供時代みたいな小学生から「とりま先生」と言われ「言い方っ!」とツッコむ下りが本当地獄で。
この下りを4〜5回繰り返すんですよ!?!?!?
コピペのボケを何度もやってんじぇねぇよ本当にーーー!!!!
もうサイテーだよ、誰か止めろよww きっとタカシだけ気に入ってんだろww
なぜなら、ガッキーはまだ新米も新米で、授業をする風景はおろか、学校生活の描写がまるで映らないのです。。
先生としての資質も、子供たちとの信頼関係も全く見えてきません。
もちろん、裏世界に行ってから交流はあるのですが、ただ「仲良くなる」だけなんですよね。
前述した通り、この映画には波がありません。ピンチも波乱もありません。
ただ仲良くなって、同じ時間を過ごして、それだけの存在です。
そんな先生なのに、「先生頑張ってね!」とか「忘れないからね!」とか言われても何も響かないんですわ。
そして許せないのが「良い先生になる!」とガッキーが将来の目標を掲げること。
はぁ、、、、
お前どっちだよ!!!
東京にいたときはデザイナーやってて、ゴーストバスターズ的なTシャツを作って、デザイナーやりたいんじゃなかったのかい。
教師になりたかったきっかけや背景なぞ何も見せられずに、教師らしいことも何もせずに、「教師になりたい」だなんてどの口が言ってんだって感じで。
・・・一番腹正しいのが、怒りの矛先をガッキーに向けなければいけないってことですよ!!!!!
ガッキー、先生としてではなく田舎に帰ってきたフリーターって観点では最高に可愛かったんですけどね。
不思議な裏世界に入ってビクビクするあまり、頭にヘルメット、手にはホウキ、そして布団にくるまるガッキーが映った瞬間「タカシ天才だな」と思わず膝を打ちました。
これぞ俺たちの見たかったガッキーだ!!!!!!
本当に、映像に関しては本当に素晴らしいんですけどね。
まとめ
序盤は割と良かったんですけどね。
脚本の稚拙さに気づかなかった段階と言いますか、、、
やたらと間延びした展開が影響したのか、序盤は笑っていた小学生たちも後半はダンマリ。途中で帰ってしまった親子もいたほどでした。。。
小学生向けに作られたから大人は楽しめなくて当然、だなんて言いたくないです。
小学生に失礼です。
もっと脚本をブラッシュアップしてほしい。他人に任せられないなら、テコ入れする人を入れてほしい。
せっかくの映像も、人間が主人公である以上、人間ドラマが必要です。
VFXに感動したので、また山崎貴作品を劇場で見たいと思います。
それまで、脚本を磨いておいてください。
60点 / 100点