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映画「ラストレター」ネタバレあり感想解説と評価 岩井俊二から観客に向けたラブレター

 
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この記事では、「ラストレター」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

「ラストレター」のネタバレありで感想と解説(短評)

 
 

 

今回批評する映画はこちら!

 

「ラストレター」

 
 

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(C)2020「ラストレター」製作委員会



「岩井美学」と称され、近年では行定勲監督を排出し、俳優では市原隼人や蒼井優を見出した岩井俊二の新作が、ついに公開された。
 
前作「リップヴァンウィンクルの花嫁」が大好きだっただけに、非常に思い入れが深井監督。
 
 
岩井監督の映画を見てる時だけは、なんだか心がときめく。
今作を観る前に岩井監督の映画を見たが、気持ちが高まりすぎて背中に翼が生えそうだった。。

 

「ラブレター」から25年が経ち、今作の「ラストレター」という流れ。どうやっても「ラストレター」の続編のような認識をしてしまうのは、私だけではないはずだ。 

 

Love Letter

Love Letter

  • 発売日: 2014/08/27
  • メディア: Prime Video
 

 

もちろん、今作が直接的な続編ではない。しかし、豊川悦司と中山美穂のコンビ、松たか子などのキャストは、どうしても「ラブレター」や「4月物語」を彷彿とさせる。また、「ラブレター」のような手紙のやり取りを見ても、どうしても過去作との因果関係を探ってしまう。

 

手紙という不器用で不確かなコミュニケーションを通して、故人を思い出し、蘇らせようとする試み。岩井俊二なりの「リメンバーミー」だったのだろうか。

 

ameblo.jp

 

ただ、今作で最も感じたのは、観客に向けて「ラブレター」を送ってくれたこと。監督は意図したのか分からないが、昔の岩井作品を見ている人にとっては驚きの連続。

 

予告編しか前調べしなかった私は、「ラブレター」の中山美穂と豊川悦司に驚き、「4月物語」を思い出させる松たか子の片思いに切ない気持ちになった。

 

岩井俊二の作品は単体で独立。そんなイメージを払拭してくれた。

 

あとは何と言っても庵野秀明の使いどころ。松たか子と夫婦という設定にも驚いたが、突拍子もない行動と言動に、開いた口が塞がらなかった(褒めています)。

 

「風立ちぬ」の時よりも明らかに芸達者になった庵野。その演技力というか、感情を露わにする表情と声質には思わず微笑んでしまった。

 

それにしても、あの犬、デカすぎやしないか・・・

 

 

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・「Love Letter」「スワロウテイル」の岩井俊二監督が、自身の出身地・宮城を舞台に、手紙の行き違いから始まった2つの世代の男女の恋愛模様と、それぞれの心の再生と成長を描いたラブストーリー。姉・未咲の葬儀に参列した裕里は、未咲の娘・鮎美から、未咲宛ての同窓会の案内状と未咲が鮎美に遺した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるため同窓会へ行く裕里だったが、学校の人気者だった姉と勘違いされてしまう。そこで初恋の相手・鏡史郎と再会した彼女は、未咲のふりをしたまま彼と文通することに。やがて、その手紙が鮎美のもとへ届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎と未咲、そして裕里の学生時代の淡い初恋の思い出をたどりはじめる。主人公・裕里を松たか子、未咲の娘・鮎美と高校生時代の未咲を広瀬すず、鏡史郎を福山雅治、高校生時代の鏡史郎を神木隆之介がそれぞれ演じる。

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映画『「ラストレター」』予告【2020年1月17日(金)公開】

 

 
 
 

 

いつもの岩井俊二じゃない!

 

まず驚かされるのは、いつもの岩井映画には見えないということ。

 

まずは画面の絵作り

 

これまでの岩井映画は、逆光が際立ち、画面が白っぽく、まるで異世界に飛び込んだかのようなファンタジー要素溢れる画面があった。これぞ岩井美学と言われる美しい風景なのだが、今作は限りなく現実の世界に寄せているような気がする。

 

これは、ドローンによる撮影などで光をピンポイントでコントロールできなかったことも起因しているだろう。

しかし、それよりも今作の絵作りは生々しい。もっと言うと、是枝裕和的なドキュメンタリータッチな絵作りが際立っていた。

 

広瀬すずに着目してみると、肉親が亡くなった後に親戚の家に居候し、松たか子・森七菜の3人で古民家にいるシーンは、どうしても「海街Diary」を思い出す。

 

 

海街diary

海街diary

  • 発売日: 2015/12/16
  • メディア: Prime Video
 

 

 

福山雅治も出演していることを考えると、今作は岩井俊二作品と是枝裕和作品がミックスしたような、そんな印象さえ覚える。

 

同じく日本人監督でパルムドールを受賞するような著名な作家であること、同じくフジテレビでフックアップされた監督ということもあり、どこか是枝作品を意識しているようなシーンが多いと感じてしまう。

 

ファンタジー要素が絵作りから消えると、自然と物語も現実的なものになっていく。

今作は片思いが折重なり、奇跡のような人間関係のつながりが美しい作品ではあるが、非現実的な出来事は起こらない。

 

福山雅治の未咲に対する執着心、特に返事のないラブレターを送り続けるハートの強さはファンタジーを感じるものがあるが、これも好きがゆえに引き起こした必然なのだろう。

 

リアルな描写が多いからこそ、彼女らが置かれている状況にも納得し、共感できるのだ。

 

 

 

  

 

 

 

役者陣が絶品

今作は岩井監督があまり口出しをしなかったせいか、役者の自然な演技が際立つ。

 

特に広瀬すずの一人二役には驚いた。過去の遠野未咲と、未咲の娘を演じていたが、顔が全く違う!!

 

まだ21歳で若いかもしれないが、中学生に見える顔や表情の作りがウマすぎる!

これが同じ俳優だなんて、、信じられない。

 

お母さんが亡くなり、抑圧されたような表情になる広瀬すずも絶品だが、従姉妹と布団でキャッキャ言い合う場面なんかも最高で。

 

広瀬すずの好演も光る一方で、従姉妹であり松たか子の少女時代を演じた森七菜も素晴らしくて!

 

ってか俺的には広瀬すずよりもタイプなんですけど!!!!!

 

もおおおおお!!!! あんな純粋な瞳で迫られて、ラブレター渡されて、「好きです、付き合ってください」なんて言われたら、、、

 

ポォおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!

俺なら即オッケーだわぁあああああ!!!!!

 

おい!!!!!!!! 神木よ!!!!!! お前はなぜ断った!!!!!!!!

 

あんな可愛い子を、なぜ断ったんだ!! 俺ならスイカ一玉食うぞ!!麦茶も3リットルくらい飲むぞ!!!!!! 

 

俺は、森七菜が好きだぁああああああああああ!!!!超可愛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!

 

 

・・失礼。思わず取り乱してしまった。

とにかく、二人の若き才能による名演が光る一作であった。

 

 

まとめ

岩井美学は健在!ながらも観客に向けたサービスが素晴らしく、やはり「ラブレター

」の精神的続編と感じる。

 

78点 / 100点 

 
関連画像

 

 

 
 
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