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映画「SEOBOK ソボク」ネタバレあり感想解説と評価 内容は素朴じゃありませんでした

 
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この記事では、「SEOBOK ソボク」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「SEOBOK ソボク」

 
 

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 あの「建築学概論」の監督が贈るSF超大作。
 
160億ウォンの予算を引っ張ってきており、内容も興行成績も抜群なんだそう。
1ウォン0.1円としても、なんと16億円もの予算。
 
いかにして韓国映画はお金を確保できているのか。是非ドキュメンタリーをやって頂きたい。国際的な興行収入を見据えているのだろうか、いかんせん日本映画はもっと見習った方がよい。
 
建築学概論すら見ていない状態の私。これから鑑賞して、今作に臨みたい。 

 

それでは「SEOBOK ソボク」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
永遠の命をもつクローンの青年と、彼を守ることになった余命わずかな元情報局員の運命を描いた韓国発のSFサスペンスドラマ。余命宣告を受けた元情報局員の男ギホンは、国家の極秘プロジェクトによって誕生した人類初のクローン、ソボクの護衛を命じられる。ところが任務開始早々、何者かの襲撃を受ける。からくも生き延びた2人だったが、人類に永遠の命をもたらす可能性を秘めたソボクの存在を狙い、その後もさまざまな勢力が襲ってくる。危機的な状況の中で逃避行を繰り広げるギホンとソボクは、衝突を繰り返しながらも徐々に心を通わせていくが……。「新感染 ファイナル・エクスプレス」のコン・ユが元情報局員ギホン、ドラマ「青春の記録」のパク・ボゴムがクローン青年ソボクを演じる。監督は「建築学概論」のイ・ヨンジュ。

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「SEOBOK ソボク」のネタバレありの感想と解説(全体)

 

 

 

命の価値を問うハードSF

とある事情から死期が近づく男ギホン。

 

とある秘密プロジェクトによってクローン精製され、超能力と永遠の寿命を持った男ソボク。

 

ギホンが延命するにはソボクのクローンの秘密が重要となり、最初は嫌々ながらもソボクのボディガードを務め、2人に絆が生まれていく。

 

絶対に死ぬ男と絶対に死なない男が贈る、笑いありアクションあり感動ありのバディムービー、、、になると序盤は思っていたのだが、徐々に陰鬱な展開になっていくのが今作の魅力であり好き嫌いが分かれるポイントだろう、。

  

命の価値について考える映画は、最近だと「アーク」が記憶に新しい。

今作はアークのような哲学的な問いかけではなく、あくまで即物的に命の重みを伝えていく。

 

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しかし今作はアークのような哲学的な問いかけではなく、あくまで即物的に命の重みを伝えていく。

 

韓国映画には陰鬱な展開になっていく作品が数多くあり、決して珍しい例ではない。

 

しかし、今作のように巨額を投じた作品に対しても、ハッピーエンドとは言えない終わり方をする点に驚いた。

このような終わり方でも承認が得られるのか。韓国の映画文化は、本当に成熟している。

 

序盤は本当にエンタメ要素に溢れる映画だった。

旧約聖書のノアの方舟を意識し過ぎたせいか、なぜか船の上にクローン研究所が設置してある謎の設定もバカっぽくて面白かった。

そして、研究所から逃げ出したギホンとソボクは韓国のドヤ街へとしけこむ。

 

研究所内から出たことのないソボクにとっては、全てが初めて見る景色。

初めての私服を買うくだりや、カップラーメンを6杯連続で食べるシーンなど爆笑を誘う演出もあり、ひたすら車で走り続ける逃避行のロードムービーとしても完成度は高かった。

 

しかし、命の価値や人間とは何ぞやという議論が2人の間で膨張してしまい、序盤の面白い要素は何だったのかと思うほどシリアスになっていく。

 

ラストは救いようのない展開になっていくのだが、序盤の展開との落差に演出的な理解がついていけなかった感もある。

 

 

今作で焦点になるのは、ソボクが人間の命の尊さが理解できるかどうか。

全くの無知だったソボクが成長し、人間の命について深く学び、ラストは人間のために超能力を使ってハッピーエンド!!

・・・にはならないのが今作のミソだ。彼がなぜ最後まで理解できなかったのか、なぜ暴力でしか解決できなかったのか、事情はあれど、もう少し別の展開には出来なかったと悔やまれる。

 

命の重みを伝えるド迫力のCGは見もの

 

ソボクの超能力は、目には見えないバリアや念力で相手を吹き飛ばしたり落下させたりする、物理的な能力。

 

いろんな使いようがある能力なのだが、今作では相手を高いところから突き落としたり、地面を凹ませて圧死させるなど、重力方向へ能力を使う場面が多い。

 

そのどれもが痛々しく、見ててキツい描写ばかり。

命の重みを伝えようとして、重力方向へ能力を使っていたのだろうか。

 

ソボクの超能力は人を殺すための能力ばかり。この特性こそが、ラストの展開を物語っていたのかもしれない。

 

自由自在に物を潰すのだが、特にラストの研究施設内をボコボコにするシーン、クレーターのように地面を凹ませて兵士を大量虐殺するシーンは見応えがある。

 

ソボクは可愛い顔で実際の年齢的にはまだ子どもなのだが、やってることは大人よりもエゲツない。

 

なぜ道徳の教育ができなかったのか。儒教の国なのに、なぜこんな子が生まれてしまったのか。

 

過激な暴力とは対照的に、純粋無垢なソボクの内面を汲み取れると、今作はより深いテーマ性を持つだろう。

  

 

 

まとめ

思ってたのと違うとは言いたくないが、なぜあんなラストにしたのか少しばかり疑問が残る。

 

バッドエンドを否定するわけじゃないが、あまりにも報われない展開はグサッと心に残る。

 

この感覚こそ、製作側の意図したものかもしれないのだが。

 

たまにはこういう韓国映画を映画館で見るのも良い。

ダークでハードな作風こそ、元来の韓国映画のイメージそのものだろう。

 

80点 / 100点 

 

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 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 
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