まえがき
今回批評する映画はこちら
「スラムドッグス」
予告からど下ネタの空気が漂いますが、最近は下ネタ映画が公開できないんですよね。
厳密に言うと、男性を主人公にした下ネタ映画が作れない。
そのため少年を主人公にした「グッドボーイズ」や、女子高生を主人公にした「ブックスマート」といった映画が公開されているわけですけども、はい。
そして、今回は犬が主人公ですよ!!
う~~ん、趣向を凝らしてきましたねw
男以外なら下ネタ何やってもオッケーな未来にしてほしいですよ!!!
暴れろ暴れろ~~~!!!
それでは「スラムドッグス」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・捨てられた犬が飼い主に復讐を企てる姿を描いたコメディ。「スパイダーマン スパイダーバース」「LEGO ムービー」のフィル・ロード&クリストファー・ミラーがプロデューサーを務めた。
犬のレジーはある日、飼い主のダグに家から遠い場所に捨てられてしまう。ピュアなレジーは、これも遊びだと信じて疑わず、家を目指してさまよっていたが、そこで野良犬界のカリスマ、バグと出会い、自分が捨てられたということを知らされる。野良犬になってしまい、飼い主ダグが最低なヤツだということに気づいたレジーは復讐を決意。それに賛同したほかの犬たちも加わり、一同は珍道中を繰り広げる。
ボーダーテリアのレジーの声をウィル・フェレルが務めた。そのほかの犬のボイスキャストは、ボストンテリアのバグにジェイミー・フォックス、オーストラリアンシェパードのマギーにアイラ・フィッシャー、グレートデーンのハンターにランドール・パーク。
「スラムドッグス」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#映画スラムドッグス」鑑賞🐕🍌
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2023年11月17日
あー最低、そして最高。
清々しいほどの下ネタの嵐。2000年代のアメリカお下劣映画が、犬の形を借りて令和に復活。
まさしくミッション・チンポッシブルな復讐劇に俺のムスコも縮み上がった。
勘違いした親子が観に行かないことを祈るばかりだ。#闇堕ちワンチャン pic.twitter.com/eU7YM0agi7
下ネタを通じて映画の多様性を問いかける
いや〜〜〜〜〜〜〜
いや〜〜〜〜〜〜〜
ひっどい映画でしたねww
褒めてますけどもww
これぞ私が追い求めていた映画でした。
2000年代〜2010年代前半にかけて、アメリカコメディ映画は下劣の隆盛を極めていました。チンコウンコは当たり前。オナニーマンマンも何のその。
かつて洋画には「俺たち」シリーズという作品群がありまして。
ニートな中年男性を主人公にして、どうしようもない生活をどうしようもない連中とどうしようもないことをして過ごす映画たちが存在しまして。
「俺たち 映画」で検索すると出てきます。
ちなみに私は「俺たちステップブラザーズ」が一番好きですw
数々の傑作や珍作が生まれたわけですが、その中で一番皆さんの記憶に残っているのは「テッド」でしょうかね。
あれも酷い下ネタ映画でしたが、氷山の一角に過ぎません。
単に下ネタが好きって訳じゃないんです。
下ネタ映画に可能性を感じているんです。
下ネタを使って簡潔かつ迅速に人を笑わせる技術に惚れてるんです。
ジム・キャリーのような超オーバーなリアクションもなく、バスター・キートンのような過激なアクションもなく、ルビッチのような洒落の効いたセリフもない。
ただただ下ネタ一発で秒で爆笑に持っていく。観客の心を温める。
凄くないですか、下ネタって。
下ネタって芸術じゃないですか。
そんな下ネタ映画が大好きな私にとっては垂涎もの。
そりゃチンコウンコが雪崩のように続く94分ですからグダってくるところもありましたが、それで良いんですよ。全て完璧だったらダメですからw
コンプラの厳しい今の時代でも、清々しいほどの下ネタ映画を作ってくれて本当にありがとうございます!!
ここだけの話、途中泣きましたwwwww
会話の9割が下ネタで、3秒に一回チンコかウンコを叫ぶ始末。
ウィル・フェレル、ジェイミー・フォックス、ウィル・フォーテ。
犬の姿を借りたコメディ界の重鎮たちが下ネタのマシンガンを口からぶっ放す。
ワンシーンワンシーンが大爆笑かつ飽きないんですよね。
そしてミッドポイントあたりで幻覚キノコを食べてウサギを食い殺すという酷いネタを見せて下ネタをリセットしてくれる。ジャンキー描写が
制作のクリストファー・ミラー、フィル
映画が始まった途端に「FUXX!」ですからねww
主人公レジーと飼い主ダグの関係性が描かれ、いかにダグがクソかを非常に端的に表す切れ味抜群のオープニングからたまんないんですよね。
今作は94分。あまりに短い上映時間でコメディ描写だけでなく人間描写、いや犬描写も入れたいので、主人公のバックボーンと目的を簡潔に表さなければいけない。
最初からひっでぇなこの映画!と思うかもしれませんが、これ映画文法的には非常にスマートですよ。
ペットに向かって初めて言い放つ一言が「FUXX」ですからねw
これで一瞬で関係性が分かるわけですよw
他の映画ならそうはいかない、何分も時間かけますからね。
それを一言で・・・
素晴らしいですw
その後、すぐさま野良犬になり路上をほっつき歩くレジー。
大型犬に絡まれるも、ジェイミー・フォックス演じるバグに出会い、野良犬の作法を過激に教わる。
ウィル・フェレル(白人)がジェイミー・フォックス(黒人)からストリートの生き方を学ぶ。
これ、絶対に「ゲットハード」のオマージュだろwww
そこからセラピー犬のマギーとハンターと出会い、飼い主ダグのアソコをちぎるためのロードムービーになっていく・・・
バグが「チンコのロードマップだ!」と言ってたシーンは笑いましたねw
そりゃ目的地なんだけどロードマップてなんだよってw
翻訳の方も非常に良い仕事をしてましたw
なんというアホな設定wwww
しかもマギーの吹き替えをマギーがやってるって調子良すぎるだろwww
いやぁ、実に最高な映画でした。
映画ってどんな表現があっても良いと思うんですよ。実際に人を殺したり、傷つけたりしなければ。
下ネタってだけで忌み嫌う人が多いですけども、映画ってもっと多様性があって良いと思うんですよ。
人種差別、性差別が意識され、映画に反映されるのは喜ばしいことです。
でも同時に、臭いものにはフタをする文化も生まれていると思うんです。
チンコ、ウンコ、オナニー、マンマン。どれも映画では遠ざけられる傾向にあります。でも、それで良いんでしょうか。真の多様性とは何でしょうか。
下ネタエロネタは人間が生み出した文化です。最近「春画先生」という邦画もありましたが、下ネタ映画も立派な文化です。
今や風前の灯となった下ネタ映画ですが、せっかく生まれた文化の火を消してはいけません。
制作に関わったクリストファー・ミラー、フィル・ロードは「スパイダー・バース」も作っており、様々なアニメーションのタッチを一つの画に収め、多様性を描いた作品になっています。
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と同時に、ジョナ・ヒルとチャニング・テイタムで「21ジャンプストリート」という作品も作っています。こちらも下ネタ全開です。
非常に振れ幅の大きい作り手たちですが、彼らが常に追及しているのは「面白さ」以外の何物でもありません。
下ネタ映画という忌み嫌われやすい映画を通して、映画の多様性を問いかけたいです。
もちろん嫌いな人はスルーしてもらっても構いません。
でも、制作されなくなってしまうのは文化を殺すに等しい。
これからも映画が末長く続くためには、下ネタ映画も必須なのです。
今作を見ていて強く決意しました。
私はこれからも下ネタコメディ映画を応援し続けます。
まとめ
いやぁ〜〜笑わせてもらったし、同時に下ネタ映画をこれからも続けるためにはどうすれば良いかと真剣に考えましたw
かつての中年男性を主人公にした下ネタコメディは、今の時代には生々しすぎるので厳しい。それは分かってる。
でも、声優として往年の下ネタコメディスターを集めて、犬猫やキャラクターに置き換えて作ればコンプラ的には大丈夫なんですよね。
人間以外の何かにラップすれば下ネタはいけるんですよ!!
まさしくスラムドッグスというタイトルが示す通り、ストリートでサバイブする下ネタコメディ映画の雑草魂が見れた映画でございました!!
・・・余談ですが、森で「BIRD」をウォッチし続けていたデニス・クエイドww
彼がなぜ出ていたのか、気になる方は多かったのではないでしょうか。
あくまで私の考えですが、2017年に公開された「僕のワンダフルライフ」の主人公として出演していたからではないかと思っておりますwww
いやぁ、本当に芸が細かいですわw
腹の底から笑わせてもらいました!!!
この映画が下ネタ映画のロードマップになりますように!!!
96点 / 100点