Machinakaの日記

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映画「音量を上げろタコ!」感想ネタバレあり解説 映画の質を上げろタコ!ただの吉岡里穂のPRであ〜る!

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
 

こちらのブログが初めての方、ご訪問いただきありがとうございます!

 

「映画のタイトル+解説(感想)」で検索してくださってこちらにいらっしゃった方には大変申し訳ないんですが、できれば第1回目の記事をご覧いただいて、私の自己紹介と本ブログの趣旨をご理解いただければと思います。

 

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今回公開する映画はこちら!

 

「音量を上げろタコ!何歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」

 
 
 
 
 
 長いよ!!!
 
はい、阿部サダヲさん主演で
 
 
 

それでは「音量を上げろタコ!何歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」批評、いってみよー!!!!

 
 
 

 

目次

 

 

 

 

 

[あらすじ]

 

 

・「転々」「インスタント沼」など独創的な作風で人気を集める三木聡が原案・脚本を手がけてメガホンをとり、主演に阿部サダヲ、ヒロインに吉岡里帆を迎えて描くロックコメディ。4オクターブの音域と驚異的な声量を持つロック歌手シンは金も女も名声も手に入れスター街道を突き進んでいるかに見えたが、実は彼の歌声は「声帯ドービング」という掟破りの方法で作られたものだった。シンの喉は長年にわたる声帯ドーピングの副作用で限界に近づいており、声が出なくなる恐怖に常に悩まされていた。そんな折、シンは歌声が小さすぎるストリートミュージシャンのふうかと出会い、その姿にかつての自分の姿を重ねるようになっていく。

eiga.com




10/12公開!映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』TV SPOT①

 

 

 

 

 

 

[映画の感想]

 

はぁ、、、、 

 

何なんですか!?  

 

何がしたいんですか!? 

 

コメディ映画かと思ったら、全く笑えない ロック映画かと思ったら、全然ロックじゃない 

 

パンク映画かと思ったら、全然パンクじゃない 

 

ヒューマンドラマかと思ったら、全く泣けない 

 

下手くそなカメラ、過剰な説明描写、ひったすらイライライライラしながら見る羽目になったじゃねぇかこのやろおおおおおお!!!! 

 

こんなの全然ロックじゃねぇし何を目指してるのか分からない。しかも面白くない! 本当に見ていて不毛な映画であること間違いなし! 

 

単に吉岡里穂のPRであ〜る! 

 


吉岡里帆 UR賃貸住宅CM「URであーる。4つのナシ」篇「春キャン」篇

 

 

ただ、吉岡里穂が可愛いことは十二分に伝わった映画であ〜る!!! 

 

吉岡里穂の可愛さで持っていこうとした映画であ〜〜る!!! 

 

でも俺は、可愛さに負けず映画を酷評するのであ〜る!!! 

 

 

 

[久々に頭一つ抜けた駄作]

 

はい、吉岡里穂の可愛さに相当打たれながらも、映画好きな人間としてちゃんと酷評しようと頑張るMachinakaでございます。

 

予告編から非常に不安でしたが、見事にその不安が的中してしまった。

久しぶりに、どうしようもない駄作邦画を観てしまった無念で胸がいっぱいです。

 

声が小さい駆け出しロックシンガー吉岡里穂と声が大きいロックシンガー阿部サダヲ。

吉岡里穂が立派なロッカーになるために阿部サダヲが強力指導する師弟モノ映画かと予想してたんですけど、吉岡里穂の話も阿部サダヲの話もどっちつかずで、結局何を目指したんだかよく分からない話でした。

 

まぁ、ロックとかパンク精神を宿らせている映画って、結末や話がよく分からなくても、必ず面白いシーンが散りばめられていて、カルト映画になることだってあるんです。

 

でも、この映画はロックでもパンクない。

反骨精神の欠片もないクソ映画ですよ。

 

単に吉岡里穂のPR映画であ〜るという評価は、あながち間違ってないと思います。

だって、吉岡里穂にだけ異様にライトが当たって、やたらとスポットライトが当たって、全くもって違和感がありすぎる。

 

それに、「コーヒーが冷めないうちに」でも言いましたが、この映画のリアリティラインは異様に低い。

 

ameblo.jp

 

映画のオープニングは、声が小さいながらも路上バンドで歌っている吉岡里穂から始まります。

歌った途端に「クスクス・・」と観客から失笑。

そして、吉岡里穂の前を横切る声のうるさいヤンキー。声が小さいってことを見せたかったのかな?

トドメに、一人の男から「声小さいよー!」とガヤが。

 

・・・はぁ!?

 

・・・・・はぁ!?

 

アホか!!!

 

吉岡里穂の声が小さいということを伝えるために、ここまで過剰な描写が必要なのか!? 

見ず知らずの路上シンガーに、「声小さいよー!」といきなりガヤを入れる奴がいるか!? 

しかもガヤを入れたのはシラフの男だぞ!!!

 

声が小さいことを伝えたいのは分かる、でも何で何重にもして声が小さいことを伝えようとするのか? 一回でいいだろアホオおおおおおお!!!!!

 

映画の冒頭から、あまりに過剰で幼稚な映画演出に、もう萎え萎えてしまいました。

 

既に序盤で興味を失ってしまった私に追い討ちをかけるように、あまりにダサいファッションと美術のせいで目が腐り、過剰な文章による説明描写で思考力と映画を見る楽しさが奪われ、キャストの舐めた演技にイライラし、謎の韓国潜入シーンでもう完全に映画を見ることを放棄してしまいました。

 

もう放棄しないと、頭がどうにかしちゃいそうだったんですよ。

あまりにも脚本が稚拙すぎて、幼稚で、何も考えられてなくて、、、

これをカメさんが見たらどう感じるだろうか、と興味を持つくらいでしたw

 

あまり脚本やストーリーに文句を言わない私でも突っ込みたくなるような展開に、もう私の頭は完全にやられてしまいました。

 

一番大きかったのは、笑わせようと散々ボケてるシーンで一切笑えなかったことでしょう。これは後で詳しく書きますが、監督は映画のコメディを全くわかってない。ボケようとする意欲は良いけど、あまりにハズレが多すぎる。寒いよ。。。

 

 

 

  

[声が小さいけど歌う姿こそロックの精神性じゃないの?]

 

笑えない、話の展開に無理があって脚本にツッコミどころがある。いろいろ悪いところはあるんですけど、一番許せないのが「ロックの精神性を分かってない」こと

 

これが一番許せません。

 

百歩譲って、ロックとパンクの境目が付いてないのはもう良いです。

 

プロのロック歌手の設定である阿部サダヲが、劇中に「ロック」と「パンク」の境目が完全についてないのも目をつむりましょう。

ただ、私の中の定義では、今作における阿部サダヲは完全にパンクだと思ってるんですけどね。

 

さて、本題に戻ると、今作は「ロックの精神性を分かってない」と、大事だから二回言いました。

 

ロックってどんな定義だとか、どんな精神性があるかとか、普段は考えないし考える必要もないんですけど、ロック映画を撮る人がロックの精神性を分かってないのは実にありえないのであります。

 

なぜなら、ロックが生まれた起源にこそロックの精神性が大きく関係しているわけです。

 

ではロックの精神性とは何か? 一般的な定義では「反社会性、反骨精神、政治に対する反発、反体制、反大衆」などなどありますが、一つだけ大事な精神性を抜き出すならば、「反体制」に尽きると思います。

 

つまり、「世の中はこうあるべきだ」という一般大衆の世論やしきたり=大衆の体制を、ロックはぶち壊し、個人の言動・行動を貫き通すのがロックの精神性だと思うのです。

 

もっと解りやすい言葉で言うと、「周りにバカにされても俺は俺の信じる道を行く」ってやつですよ。大衆に常に反発し、個人主義を貫き通すのがロックだと思うわけです。

 

そういう文脈を踏まえると、今作で声の小さい駆け出しロッカーの吉岡里穂が、世間から「声が小さい」と言われて、「声を大きくしよう」と考えを改めようとするのは、ロック精神に反してると思うのです。

 

そして、「もっと大きい声を出せよ!タコ!」と言う阿部サダヲこそ、「歌手は声が大きくないといけない」という世間一般の声を気にしすぎていると思うのです。

 

これってロックなのか!?

 

むしろ、声が小さいながらもロックを歌う、その反体制、反大衆の心こそが、誇り高きロックの精神性じゃないのか!?

 

もちろん、阿部サダヲがなぜ声を大きくしたいのか、彼の生い立ちを見れば分かるんです。吉岡里穂に声を大きくして欲しいのはよく分かる。

 

でも、やたらと声を大きく!だけ言っておいて、ロックの精神性を何も教えようとしない阿部サダヲは、見ていて何も響かないのでした。。

 

声が小さくてもロック歌っていいじゃねぇかよ!! 何が悪いんだよ!!! それこそロックだろうが!!

 

ここで、ロック映画の大傑作である「シングストリート」で、主人公コニーの兄貴のセリフをここで引用したいと思います。

 

 

「Rock'n roll is risk」=「ロックにはリスクが必要だ」

 

 

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 リスクがないと、ロックじゃないんです。単に歌が上手いロックシンガーとか、つまらないしロックじゃない。だから、声が小さいというリスクを背負ってロックシンガーとして活動を続けることにロックさがあったのに!!!!!

 

だから、僕的には声を大きくするというのはロックにとって改悪になっているようにしか見えないんです。

 

もっと言えば、声が小さい吉岡里穂こそ最高にロックな状態だったんじゃないかと思うのです!! 

 

 

 

 

[肝心の音演出が最低]

 

【映画館じゃ結構音でかいっすよ】

あと、非常に残念だったのが音演出。

吉岡里穂の声は歌うときだけでなく、普通に会話してる時も声が小さいという設定になってるはずなんですけど、、

 

映画館の音響だと普通にセリフがはっきり聞き取れるし、意外と大きいんですよww

 

そりゃ阿部サダヲと比べると、声が小さいですよ。でも、異常に声が小さい状態でもないし、あれくらいの声量の女の子は世の中に沢山いるからね!?

 

事務所からクレーム来たのかな? 「これじゃセリフが聞き取れなくてネガティブなイメージになるから、音大きめでお願いしますね」とか言ったのかな?

 

もうね、声が小さい女の子と言われながらも映画館だと大して小さくないから、本当に説得力ないんですよ。

 

 

【コトリンゴさんとかどうすんだ問題】

映画館だとそこそこ聞き取りやすい音量で歌ってくれるので、そこまで「小さい」とは感じないし、むしろ健気で可愛い声なんですよ。それで歌詞に「ロックスター」とか入ってるから、すごく良い味出してるんですよ!!

 

この声で「声小さい」とか「ダメだよこんなの」とか言うくらいなら、コトリンゴさんとかどうすんだよ!!

 

ちなみに、吉岡里穂さんの声はコトリンゴさんのような小鳥のさえずりのような美しく切ない声で、僕は逆に良かったんですけどね。わざとシャウトして「いかにもロック」みたいな声に矯正させるのが、実に不愉快です。

 

【吉岡里穂の音=声演技・・・】

 もうね、声の大きさとかの問題じゃないですよ。

 

まだ若手女優だから監督の力量があるかもしれないけども、実に演技が下手ですww

 

もう誰が見てもわかるような言わされてる感、妙な棒読み。本田翼と近い演技の質なんですけども、顔の表情が常に硬いんですよねww

 

あと、涙を流してる時、あまりに不自然な涙の流し方してて、すぐに「あ、これ目薬だw」と一発で分かっちゃうんですよね。

だって、一度にあんな勢いで涙流れないですよwww

 

 

[コメディ映画として破綻している]

 

【カメラを止めろタコ!何撮ってんのか全然分かんねぇんだよ!!】

この映画、なぜ笑えなかったかというと、ひとえにカメラワークの酷さが大きく関係していると思います。

 

これ監督の癖なのか、撮影監督の癖なのか分かりませんですが、基本的にカメラが揺れてて非常に見づらい&カメラがぐるぐる回って回って、ぶれぶれになっているから何が映ってるかマジで分からない。

 

今カメラを止めるな!が非常に流行っていますが、この映画にはこう言いたい。

 

カメラを止めろタコ!何撮ってんのか全然分かんねぇんだよ!!!

 

一番問題なのは、ギャグシーンであってもカメラをぐるぐる回してせっかくのギャグがカメラのせいで全く集中できないことにあるんです。

 

いいですか、ギャグを入れてるシーンでカメラが揺れたり回ったりするなんて、ありえないんですよ。基本的には静的な場面で観客は画面に集中していて、そこであえて脈絡のないセリフや行動をすることで場を崩すことによって、映画の笑いは成立するんですよ。

 

せっかくギャグを入れても、これじゃ意味ないです。

 

 

【クローズドショットじゃ笑えない】

 あとはカメラの撮影範囲について、言いたいことがある。

 

まぁ邦画ではやはりというべきか、スクリーンの大部分が役者の顔。首から上しか撮らないんですよね。こう言うカメラの撮影範囲をクローズドショットっていうんですけど。

 

まぁヒューマンドラマならまだしも、これコメディってことわかってるかなって思うわけです。

 

コメディでクローズドショットばかりって、本当にありえないです。ちょっとカメラを引いて、役者が遠目に見えるくらいがコメディにとって一番最適な撮影範囲なんですよ。

 

人間、間近で見るものより、ちょっと引いた目線で見ていた方が、笑いやすいってもんです。

 

 

【スラップスティックなギャグ中にBGMはいらない】

 今作は阿部サダヲが中心となって、殴ったり殴られたり、アクションで笑いを撮ろうとしてるんですね。いわゆるスラップスティックなコメディをやろうとしてるんですけど(製作者にどれだけ自覚があったかわかんないけど)

 

でも、誰かがアクションで笑いを撮ろうとした時に、必ず「ミョーーーン!!」とか「ビヨヨヨーーーン!」みたいなやる気のないBGMが流れてくるんです。

 

アホですか、スラップスティックなギャグはBGMなんかいらないですよ。ただ役者が殴られたり飛ばされたりする音だけを流すんですよ。

 

製作陣には、ウィル・フェレルやセスローゲンのやられっぷりとかを見て勉強したほうがいいです。

 


Neighbors (2/10) Movie CLIP - Welcome to the Neighborhood (2014) HD

 

 

 

 

 

 

[類似している映画]

 

【スクールオブロック】

 ロックを教えるという意味では、スクールオブロックが似ていると思います。

 

まぁ、今作では、ロックを教えてるようで全く教えてない阿部サダヲが主役なんですけどね。。

 

 

  

【トゥーヤングトゥーダイ】

 派手でハチャメチャな衣装や美術、ロックを教えようとするのはこの映画も同じです。ただ、全くクオリティが違うけど。。

 

トゥーヤングトゥーダイは、日本のスクールオブロックと言えるほど、ロック魂を徹底的に叩き込まれる優秀なロック映画でございました。主演の長瀬くんの、顔はカッコイイが行動はとことん馬鹿でダサい、感じがたまらないですね!!!

 

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【パンク侍、切られて候】

 

この映画ほど、パンク映画と呼ぶにふさわしい映画はないかもですね。

 

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[映画から透き通る適当さ]

 

【ダサいファッション・美術】

ロックやパンクを意識したのか、やたらと派手な衣装や美術ばかりで、僕の好みとは徹底的に相性が悪いデザインでした。すごくダサいです。

 

特に吉岡里穂ちゃんのアパートの庭?周辺の壁面デザインや住人の衣装は、とにかく派手さを強調しすぎてかっこ悪い。ってか、ロックなら黒づくめが基本だろうが!!!!

 

 

【絶叫の歌姫という看板広告】

 吉岡里穂ちゃんが成長し、プロのアーティストになってる時にはもう「絶叫の歌姫」と呼ばれるほど大声になってるんですね。

 

そこそこ売れてるらしく、ビルに大きな広告が貼ってあったりするんですけど、そこでの看板広告が、実にダサい。

 

吉岡里穂ちゃんが大声で叫ぶ顔があって、背景はまさかの水色のみ。そして「絶叫の歌姫」と赤文字で書いてるだけ。

 

これ、レコード会社の広告とは思えないほど地味で。あと「絶叫」という強い言葉を表現するにはあまりにも地味なポスターで、何も気を遣わないでデザインしてるんだなぁという適当なノリが本当に嫌でした。

 

【韓国に謝れ】

ちなみに、もうネタバレしちゃいますけど、阿部サダヲの大きい声というのは声帯を手術し、ドーピングしてるからなんですよ。喉に注射して声を大きくしてるんですよね。

 

で、ドーピングが効かなくなった阿部サダヲがどこに行くかというと、韓国に行くんですよ。理由は、「整形大国だから」

 

もうねぇ、これ韓国に謝ったほうがいいですよ。そんな単純な理由で韓国行くか、普通。。ステレオタイプにもほどがあるでしょうよ。この映画、監督が脚本を担当したようで、オリジナルの話みたいです。

 

少女・少年漫画の映画化が多い中、オリジナルの脚本は良いと思うんですけど、逆にオリジナルの脚本だとここまでクオリティが下がるのかと悲しくなりました。

 

 

【父親が技術士・・・笑】

 吉岡里穂ちゃんが、「父は技術士で韓国にきたのよ」というセリフを言いますね。

 

あのさぁ、、、技術士って言ってもいろいろあるわけでしょ。建設とか電気とか自動車とかいろいろ・・・

 

もうちょっと設定詰めてくれないかなぁ、、、、まぁ技術士という言葉に厳しすぎるかもしれないけど

 

 

 

はい、こんなもんです! と言っても7000文字超えてしまいました。

 

とにかくですね、この映画は音量上げろタコ!とか言っておきながら、案外吉岡里穂ちゃんの声は大きいです。音量はもう十分大きいです。その代わりに映画の質を上げろタコ!!

 

 

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