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映画「キャンディマン」ネタバレあり感想解説と評価 ハチに刺されたら皮膚科に行きましょう

 
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この記事では、「キャンディマン」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「キャンディマン」

 
 
 

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(C)2021 Universal Pictures
 
都市伝説、という言葉はここから始まったのだろうか。少なくとも、映画で都市伝説という言葉が出てくるのは珍しい。
 
神話でも民話でもなく、人の噂によって登場した怪物。しかもキャンディマンという可愛らしい名前ながら、残虐な行為を繰り返す。
1992年の映画「キャンディマン」を見たが、想像以上にグロく、お化け屋敷的なショック描写もあり、テレビで見る都市伝説とは一線を画す内容に驚いた。この映画にミスター関の出る幕はない。。

 

ジョーダン・ピールが製作・脚本ということで、「ゲットアウト」や「アス」の完成度を見る限り、期待しかしない。。

 

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今作をリメイクするにあたって、何がリメイクされるのか。。

監督の18番である、ホラーの中にも社会性を取り込む姿勢。

今作は一体どんな社会性を取り込み、リメイクしているのか。。 

 

それでは「キャンディマン」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
1992年製作のカルトホラー「キャンディマン」を、「ゲット・アウト」「アス」のジョーダン・ピール製作・脚本で新たに映画化。シカゴの公営住宅「カブリーニ=グリーン」地区には、「鏡に向かって5回その名を唱えると、右手が鋭利なかぎ爪になった殺人鬼に体を切り裂かれる」という都市伝説があった。老朽化した公営住宅が取り壊されてから10年後、恋人とともに町の高級コンドミニアムに引っ越してきたビジュアルアーティストのアンソニーは、創作活動の一環としてキャンディマンの謎を探っていた。やがて公営住宅の元住人だという老人と出会ったアンソニーは、都市伝説の裏に隠された悲惨な物語を聞かされる。主人公アンソニー役は「アクアマン」で強敵ブラックマンタを演じて注目されたヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世。アンソニーを支えるブリアンナ役で「ワンダヴィジョン」のテヨナ・パリスが共演。監督は「キャプテン・マーベル」続編の「ザ・マーベルズ」に抜てきされたニア・ダコスタ。

キャンディマン : 作品情報 - 映画.com

 
 
 
 
 
 

「キャンディマン」のネタバレありの感想と解説(全体)

 
 
 

予習はあえて不要!ワンパターンのワンパンの繰り返し

 

ジョーダン・ピール製作・脚本ということで、妙な期待をしてしまったのは否めない。

 

しかし、まさかここまで相性が悪いとは・・・

 

さて肝心の本編だが、

 

前作と比べて謎解き要素が無くなり、

キャンディマンとヘレンとの対決要素も無くなり、

お化け屋敷的な驚かせ方も無くなり、

ジョーダン・ピール印の現代社会への通底もなく、

単純なグロ要素の多いホラーとして認識「してしまった」。

 

一旦そうした認識をしてしまうと、今作がとても陳腐なものに見えてしまう。

 

前作と比べ、キャンディマンの登場頻度が多くなり、鏡からひょっこり出てきては、ご自慢の鉤爪で相手をワンパンする。を、繰り返す。

 

何度も何度もワンパンされるのを見ていると、序盤は驚いていた私も流石に耐性が付いてくる。

 

都市伝説の謎解き要素も前作で解消されているため、我々はキャンディマンがいかなる方法で人を殺すのか、その点に興味がいってしまう。

しかし、その点において今作の魅力は皆無に等しい。。

 

変わる場所といえば、どうやってキャンディマンを呼び出すかくらいだ。

「キャンディマン」を5回繰り返すに至るまで、どんな人がどんな時間でどんなシチュエーションで呼ぶか、ホラー映画でいえば何をやってる最中に殺されるのか、という部分だけが変化する。

 

が、それだけ変わっても何も面白くない。

 

今作はホラー映画の王道を行くようなシチュエーションの選りすぐりであり、調子に乗った学生が学校のトイレの鏡で呼びかけたり、性行為中のカップルが調子に乗って呼びかけたり、あまり芸がない。

後半では、鏡で呼ぶシーンすら映らず、ただ惨殺死体が転がっているだけ、という展開もある。

 

とにかく今作のキャンディマンは、不要不急で神出鬼没だ。

 

物語上、必要性がよく分からない場所でキャンディマンを登場させ、人を殺してニヤリ。とりあえず、その場をしらけさせないためのリップサービスもといキャンディサービスのようにも思えてしまう。

 

何回もキャンディマンを出せば良いわけじゃない。

しかもワンパターンな殺し方で何度もワンパンを繰り返す始末。

 

前作がなぜ面白かったのかというと、大学院生のヘレンがキャンディマンと対決できたからだ。ただ逃げまどう訳じゃない。彼女の意思と勇気を持ってキャンディマンと戦い、彼女なりの正義を貫いた結果が大きなカタルシスに繋がっている。

 

今作の主人公である芸術家アンソニーは、前作のヘレンに当たるキャラクターであるが、とことん魅力がない。

前作を見ていれば彼の存在自体に衝撃を覚えるが、出オチ感が凄まじい。

 

そんなアンソニーは、序盤にハチを刺されて以降、次第にキャンディマンに同化していき、最終的には二代目きゃんでぃまんを襲名する。

 

主人公の中で何の葛藤もなく、「これが世襲ってやつですわ」と言わんばかりにただただキャンディマンに侵食されていく様子は、一片の怖さも同情もない。

 

どうなってんだ!オイ!

 

何勝手にきゃんでぃまん襲名してんだ!俺は認めんぞ!

 

あとお前な、ハチに刺されたら皮膚科に行け!

 

都会のシカゴなら、腐るほど皮膚科あるだろうが!

どう見てもお金あるだろ、お前!余裕あるだろ!

 

芸術家は手が命だろ!? お前は足で絵を描くのか!?

 

彼女も彼女だぞ、アンソニーの仕事面は心配しても、手は何も言わないのかよ!

キャンディマンの前に、手を心配しろよ!

 

お前らの茶番に付き合ってられん!恥を知れ!!

 

 

 

予習はあえて不要でお願いします 

 

1992年版「キャンディマン」のリメイク・リブートかと思いきや、「続編」とも言っていいほど、過去作のキャラが30年弱の時を経て登場する。

 

下衆な勘繰りだが、内容的には続編だと知りつつも、続編を見るハードルが高いと思った宣伝側が「新作」と強調したのではないか、とさえ思ってしまう。

 

前作と同じキャラクターが大人として成長し、令和の時代に登場する。

前作を見ている人には確実に驚ける内容で予習必須とも思えるが、内容がアレだったので、今作の予習として前作を見て欲しくないのが本音だ。

 

結論としては、予習はあえて不要としたい。

純粋に前作を見てもらえるなら、それで良い。それ以外はオススメせんぞ!

 

過去にも「シャイニング」の続編が30年余の時を経て公開されたが、続編なんて言いたくない出来だった。。

 

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ちなみに、1992年の「キャンディマン」は本当に良作でホラースプラッターとして大変優秀な作品なので、オススメしたい!

 

 

 

 

オープニングクレジットは良かったのだが・・

オープニングクレジットで、仰天した。
 
ユニバーサル、MGMのクレジットが、鏡に写ったように左右反転していたのだ。
鏡が多用される本編を見れば納得のいく演出なのだが、見事に不意打ちを喰らった。
その後、上下逆さまに建物が映る描写があり、直後にキャンディマンが人を襲う。
 
鏡がある場所でしか出現できないキャンディマンの特性を、オープニングクレジットによって表現している、ニクい演出になっている。この時は未だかつて見ぬ意外な演出で、凄まじい高揚感に襲われた。
 
本編を見終えた時に、それが単なる猫だましだと思ってしまった。
 
せっかくの演出も、本編の是非によって印象が大きく変わってしまう。
気を衒うのは良いが、そんなことするよりも本編を面白くしてくれ!頼む!

  

 

 

 

まとめ

とにかく相性が悪かった。

 

散々酷評したが、今作の照明には目を見張るものがあった。

 

アンソニーの作品が展示されている展覧会場にて、アンソニーの仕事仲間がイチャコラ中に殺されるシーン。

 

まるで信号機のような明るい青と赤が映えるが、この配色には理由がある。

 

青はアクセル赤はブレーキのような、ストップかゴーかを暗示する色になっており、まさにキャンディマンを唱えるか唱えないか(本人がアクセルを踏むかブレーキを踏むか)を表している。

 

と、最後の最後にだけは褒めておく。

 

さて、次のブログ記事に取り掛かろうかな。

 

50点 / 100点 

 

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 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 
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