- ネタバレありで感想と解説を始めます
- あらすじ
- コメディ好きとしては期待大大大
- 映画の感想
- 矢口監督はどこに行くのか?
- 選曲から見えてきた?今作の物語的特徴
- あのミュージカル映画のパロディか?
- 三吉彩花さんを上手く見せるための「意地悪な」工夫
- まさかのLDHいじりに爆笑w
ネタバレありで感想と解説を始めます
今回公開する映画はこちら!
「ダンスウィズミー」
それでは「ダンスウィズミー」、感想・解説、ネタバレありでいってみよー!!!!
あらすじ
・「スウィングガールズ」「ハッピーフライト」の矢口史靖が監督・脚本を手がけたミュージカルコメディ。一流商社で働く勝ち組OLで、幼いころの苦い思い出からミュージカルを毛嫌いする鈴木静香は、ある日、姪っ子と訪れた遊園地で怪しげな催眠術師のショーを見学し、そこで「曲が流れると歌って踊らずにいられない」という“ミュージカルスターの催眠術”にかかってしまう。その日から、静香は街中に流れるちょっとしたメロディや携帯の着信音など、あらゆる音楽に反応するように。術を解いてもらおうと再び催眠術師のもとを訪れた静香だったが、そこは既にもぬけの殻。困り果てた彼女は、催眠術師の助手をしていた千絵とともに、催眠術師の行方を捜すが……。「グッモーエビアン!」の三吉彩花が主演を務め、ミュージカルシーンの全ての歌とダンスを吹き替えなしで演じる。共演には、お笑い芸人のやしろ優、シンガーソングライターでモデルのchay、「怒り」の三浦貴大、「銀魂」のムロツヨシ、ベテラン俳優の宝田明ら個性豊かなキャストが集結。
コメディ好きとしては期待大大大
その後「スウィングガールズ」が公開され、ジャズと高校生の物語を描く。
そして、次に製作したのが「ハッピーフライト」で、これが個人的に一番好きな作品で。ちなみに、俺は綾瀬はるか派じゃなく、断然田畑智子派なんですけどね。
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飛行機のお仕事あるあるを描き、協力に参加した全日空の面子が立つレベルで飛行機パニックを描いて、絶妙なバランスで描かれたコメディなんですよね。「大空港」の日本版のような作品です。もっと穏やかな展開だけど。
間違っても「ファイナル・デスティネーション」のような結末にならなくてよかったと思います。
そして「ロボジー」ってあまりまぁまぁな作品を作って、次に「WOOD JOB!」という大傑作を作りました。
そして「サバイバルファミリー」という、まぁアレな作品を作りまして 。
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そして今回のダンスウィズミーにつながるわけです。
これまでの流れを見て分かる通り、誰もが楽しめる娯楽傑作と大衆受けしない実験作を交互に撮ってる監督だと思うんですよね。
そして今回は、順番通りだと誰もが楽しめる娯楽傑作になるわけです。
まぁ、あくまで参考程度に捉えていただければいいんですけど。
とりあえず楽しみで仕方がありません。最近邦画コメディってたくさん出てはきているんですけど、オフビートな笑いばかりでね。「飛んで埼玉」とか「銀魂」とか面白いのはやってくれてはいるんですけど、まぁ作品のクオリティは全体としてみると・・・で。
最低でも映画のクオリティが高い(画力、音響、脚本などなど)コメディ映画を作って欲しいんですよ、邦画で。
「カメラを止めるな!」もいいんですけど、最初はあまり期待されてなかったし、とにかく王道の邦画コメディを待ち望んでいるんです。
僕は矢口監督に期待をしております。その期待が裏切られるのか、伸るか反るか、、、
映画の感想
矢口監督はどこに行くのか?
前作の「サバイバルファミリー」も、東京から地方まで移動していくロードムービーだったんですけど、まさか今回もロードムービーとは思いませんでした。
ロードムービーというか、いわゆる「地方映画」なのかもしれません。
都会で一人孤独なOLが地方に帰っていく話、まさに今回のプロットと似ている。
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が、が、が!!! 今回の最大の特徴はそんなロードムービー&地方映画のニュアンスを持った映画に、ミュージカルが付け加えられているんですよ!
普通、入れるかww
そして、ミュージカル映画なのに恋愛描写が入っていないのも大変珍しくて
私も一通りミュージカル映画見てきましたが、こんな映画見たことありません。
超実験的、と言いたいところですがまだまだ「実験段階」といった方がいいんじゃないのか、と思ってます。
もともと矢口監督の作品にはラブコメはないし期待もしてないんですけど、ミュージカルで恋愛がないってのはとても珍しくて、やりたいことがたくさんあって意欲的なのは分かる。
音楽に合わせて踊るってのは初期の「ウォーターボーイズ」から
ジャズバンドのセッションは「スウィングガールズ」から
ロードムービー的な展開は「サバイバルファミリー」から
今までの映画で得た経験をふんだんに使って、面白いものを作ろうとしてるのはよくわかる。
よく分かるんですけど、正直いったいどこへ向かおうとしてるのか分からない作品だったと思います。
三吉さんがこの映画を通じて成長したのか、そもそも催眠術が解けたことに対してカタルシスがなさすぎる、などなど映画的な快感がすごく少ないように感じました。
もちろんダンスシーンはいいですよ、手足がメッッチャクチャ長い三吉さんのスタイルを活かしたダンスシーンはいいんですけど、あまりにも我々が入り込む余地がないというか。
あとは音楽描写ですかね。
あれだけうろちょろううの展開が後に生きることもなく、日本を飛び回って、途中で金が尽きたら適当に歌って金稼いで・・
こういうところ、まるで「ララランド」みたいにご都合主義なところあって。簡単に金稼ぐ描写とか、ミュージシャンの方がみたらぶちぎれるんじゃないですかねww
デミアン・チャゼルも矢口監督もそうなんですけど、音楽が好きというよりはミュージカル映画が好きなんでしょうねw
もちろん、邦画でミュージカル映画をやろうとする気概は素晴らしいし、邦楽でミュージカルをやってくれるのはすごく嬉しい。ただ、それだけなんですよね。もう少し、物語に映画的な快楽があってもいいんじゃないですかね。
映画的な快楽を具体的に説明するなら「ラストにカタルシスがない」に尽きるんですよね。
あくまでも、私が見てきた範囲の中ですけどね、ロードムービーってラストに物語を見事に締めるオチがあるというか。
「さよならコダクローム」とか「リトルミス・サンシャイン」とか「LIFE!」とか。まぁこれがロードムービーか分かりませんが、「オズの魔法使」とか「キャノンボール」とかもそうですよ。ラストのカタルシスがあってロードムービーは光ると思うんですよね。
以上をまとめると、今作はミュージカルとロードムービー、あるいはこれらの複合的要素が強いんですけど、
・ミュージカルにしては恋愛要素が全くない
・ロードムービーにしてはラストのオチが弱すぎる
など、各ジャンルのセオリーを外してくるような挑戦的な内容になってるのは間違いない。意欲的ではある。
ただ、俺にとってはその意欲で俺たちに何を伝えたかったんだろう、ってのが見えてこないしワクワクもしないんだよなぁ。。
ってのが俺の言いたいことで。
後で詳しく解説しますが、今作は「主演の三吉彩花さんをスターにする」ことが目的、なら大変素晴らしいんですよ。それくらい今回は三吉さん第1主義で、ミュージカル映画が目的でないような気もするんですよね。どんだけ三吉さんに惚れてるんだ、監督w
と言われても仕方のない内容だったような気がします。
一体、矢口監督はどこに向かうんだろう。。
選曲から見えてきた?今作の物語的特徴
山本リンダの「狙い撃ち」や山下久美子の「Tonight」など、一昔前の歌謡曲をふんだんに入れてくるあたり、本当に矢口監督らしい選曲なんですけどね。なんか、甲子園で流れてくるような曲ばかりでw
上述しましたが、ミュージカルに恋愛がないのは本当に珍しいし、主人公の女性が付き合ってない映画も珍しい気がします。すごくアウトローなところをついて申し訳ないけど、確か「ヘアスプレー」でも恋愛描写はがっつり入ってたはずですよw
やっぱりこの映画、「三吉彩花無双」映画なんじゃないかなぁって思うわけです。
何を伝えたい映画か分からないって言いましたが、「三吉彩花を伝えたい」って映画って言いたいならすごくよく伝わってくるんですよね。
それがよく歌詞にも現れていて、山本リンダの「狙い撃ち」とか
ウララ ウララ ウラウラで
(省略)
この世は私のためにある
(中略)
神がくれたこの美貌
無駄にしては罪になる
現代の強い女性イメージを押し出すような、すごく力強い歌詞ではあるんですけど、すごく三吉さんの事を思って歌ってるような歌詞が目立っちゃってw
なんかこう、監督が三吉さんに惚れてるのが透けて見えちゃうっていうかw だって「神がくれたこの美貌」だもんw これを三吉さんに歌わせるって、よっぽど好きじゃないとねぇ笑
あのミュージカル映画のパロディか?
矢口監督自身、ミュージカル映画が好きでよく見ているとのことでしたが、「これもしかしてあの映画が元ネタ?」と気づいたところをちょっとピックアップしてみます。
ララランドかなぁ?
小高い丘に登って、ベンチがある公園で二人で踊る・・・これもしかして「ララランド」の真似かなぁ? と思ってしまいました。にしても、照明があまりにも白光りすぎて「・・・」ってなっちゃいましたけど。
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ゲロの元ネタ
小学生時代の三吉さんが舞台でゲロ吐いちゃうシーンありましたね。
これ、もしかしたら「ピッチパーフェクト」でメインボーカルのアナ・キャンプがゲロ吐いちゃうシーンが元ネタなのかなぁって思っちゃいました。
Pitch Perfect - Barden Bellas -beggining
三吉彩花さんを上手く見せるための「意地悪な」工夫
先ほど今作は「三吉彩花無双」映画
だってお伝えしましたけども、そんな無双な三吉彩花さんを伝えるために、監督なりに「意地悪な」(褒めてます)工夫をしてるなぁって気づいたことがあるんですよ。
それは、やしろ優とバディにさせることで三吉彩花の抜群プロポーションのプロモーションを画策したんじゃないのかなぁって思うんですよね。
もちろん、三吉さん単体で写ってても手足の長さは十分に伝わるんですけど、やしろ優がいるとさらに三吉さんの特徴が伝わるっていうか。まぁ同じ視界に入ってくるとどうしても人間って比較しちゃうんじゃないですか。
もはや同じ人間とは思えんよ
これ、まぁ映画的にはしょうがないと思うんですけど、なんか意地悪いなぁってwww
矢口監督、こういう意地悪い演出大好きですよねw
「サバイバルファミリー」で藤原紀香さんを出したと思いきや、主人公に渡した水は「水素水」でしたもんねwww
まさかのLDHいじりに爆笑w
あとその他、意地悪な演出で面白かったのは、新潟でヤンキーに絡まれてからのダンスファイトバトルのシーン。
別に映画の物語的には一切必要ないし、変なシーンだなぁって思ったんですけど、これもしかしてLDHいじりしてるのかなぁ?って疑ってしまいましたww
いや、まさかね。あの国民的アイドルヤンキーなLDHのアーティストをいじるなんてありえないですけど、、
やっぱりEDMと派手な車とダンスとヤンキーっていう要素を考えるとですね、行き着く先はLDHにしか行かないわけでwww