Machinakaの日記

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映画「シークレット・スーパースター」ネタバレあり感想解説と評価 インド版「スタア誕生」は今年ベストの大傑作

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
この記事では、「シークレット・スーパースター」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

ネタバレありで感想と解説を始めます

 
 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
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今回公開する映画はこちら!

 

「シークレット・スーパースター」

 
 

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(C)AAMIR KHAN PRODUCTIONS PRIVATE LIMITED 2017

 

久しぶりのインド映画です。
日本でインド映画といったらだいたいアーミルカーン主演、、と思いきや、今回は制作と助演の方なんですね。
 
と言ってもガッツリ話に絡んできそうな予感しかない。もう「俺を出せ!」オーラがビンビンに出てるからねw
 
日本で公開されるインド映画って本当に少なくて、厳選に厳選を重ねて公開されるから、一個一個のクオリティが高いんですよね。だからインド映画を妙に崇拝してしまうところがあって。
 
今回も「今年ベスト!」って言っちゃうんでしょうかねぇ、言っちゃいそうだなぁ・・
 
 
 

それでは「シークレット・スーパースター」、感想・解説、ネタバレありでいってみよー!!!!  

 

 

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・「きっと、うまくいく」「PK」「ダンガル きっと、つよくなる」などで知られるインド映画界のスター、アーミル・カーンが製作を務め、出演も兼ねたインド映画。インド最大の音楽賞のステージで歌うことを夢見る14歳の少女インシアだったが、厳格な父親から現実味のない夢だと大反対され、歌うことを禁じられてしまう。それでも歌をあきらめられないインシアは、顔を隠して歌った動画をこっそりと動画サイトにアップ。ネットを通じて彼女の歌声は大人気を博す。やがてインシアは、落ち目の音楽プロデューサー、シャクティ・クマールと出会うこととなるが……。「ダンガル きっと、つよくなる」のザイラー・ワシームが主人公のインシアを演じ、カーンがシャクティ・クマール役で出演。

eiga.com


 

 
 
 
 
 
それでは映画の感想でっす!!!
 
 
 

映画の感想

 

 
控えめに言っても今年ベスト! 
 
久しぶりに良い映画を見た。
 
映画館で映画を観る喜びを改めて感じた。
 
日本であまり公開されることが少ないインド映画。厳選に厳選を重ね公開された今作は、一生記憶に残る大傑作となった!! 
 
ベタなのは分かってる。
結末も見えてる。
「スーパースター」の正体が誰なのかも、知っている。
 
しかし、一つ一つの演出の細かさ、圧倒的な楽曲のクオリティ、刺さる名台詞の数々、普遍的なメッセージ、どれを取っても超一級品! 
 
すべての母と娘に捧ぐ、最高のヒューマンドラマ!劇場に走れ!!!!!!! 
 
P.S
 
興奮して一人絶叫&応援上映してしまいました。
近くの観客の方、ご迷惑おかけしました。

 

 

 

 

 

分かっちゃいるけど大感動

 

物語は、ごくごく普通の少女が歌手を目指し、YouTubeに歌ってる動画をあげたらアーミル・カーンの目に留まりスターの道を駆け登っていく。。

 

いわゆる「スタア誕生」的な物語で、特段妙な設定はありません。

 

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YouTubeに動画を上げた理由はもう一つあって、父が大変厳格で娘(というか女性)の自由を制限するタイプのため、父にバレないように活動する必要があったのです。

 

父にバレないように活動を続ける娘の歌手活動、それを支える母。しかしラストに大問題が発生。果たして娘のインシアはスターになれるのか・・?

 

ここまであらすじを書いてきたんですが、本当にベタです。ベタベタです。

ラストはどうなってしまうのか? もう勘の良い人なら気づいてるのではないですか?

 

映画の序盤からすでに結末がほぼ分かってしまうような作品ではあるんです。謎解きとか衝撃のラストとか、そんな作品じゃないんです。

 

結末がわかっている作品って、正直盛り上がりにかけるというか、カタルシスがないように思えるんですけど、この作品は違うんです。

 

(結末が)分かっていても、面白すぎるんです!!!!

 

 

でも、そんなの関係ない! 

 

王道すぎてベタすぎても、面白い作品ってあるんですよ。妙に捻った設定とか結末を用意する必要なんてないんですよ。

 

それでも、面白い映画が作れるんですよ。

 

斬新さ、意外性、新規性、この映画にはないですよ。アカデミー賞にはノミネートされないかもしれませんよ。記録には残らないかもしれない。でも、記憶に残る作品なんですよ。

 

 

2時間半という長尺でキャラクターの心理描写を丁寧に描き、家庭環境も描き、一つ一つの描写が丁寧だからこそ、最後に感動して涙を流してしまう。

 

映画にはストーリーが必要不可欠。でも、映画におけるストーリーは物語を伝えるためにあるんじゃないんですよね。映画を描くためにあるんですよね。

 

・・何が言いたいかっていうと、物語自体に意外性や驚きや新規性がなかったとしても、物語をベースにして音響や映像がどんどん成長して、映画として完成された時に大きな感動をもたらすってこと。

 

映画における物語は映画を作るための「種」だったり「苗木」だったりするんだなぁと、改めて思ったのでした。

 

ベタベタなストーリーでも感動をもたらす映画の魅力を、今一度確認することができました。

 

最近だと、「バジュランギおじさん」ってインド映画もこのテイストの作品でしたね。

 

結末はざっくり言うと、「クララが立った!」的な、日本人なら概ね想像がつく話ではあるんですけど、まぁ一つ一つの描写が非常に丁寧で。最後にはバジュランギおじさんと少女に感情移入して涙を禁じえないんですよね。

 

バジュランギおじさんと、小さな迷子 [Blu-ray]

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どんなエンタメ作品でも、時間をかければそのキャラに愛着がわくし感情移入するのは当たり前です。でも、2〜3時間という短い時間で感動を与える映画のマジックは本当に凄いことだと思うし、これからも映画を追いかけたくなった作品となりました。

  

 

 

「シークレット・スーパースター」は二人いる

 

 

もうネタバレしちゃっていいよね? ってかもう結末分かるよね?

 

最後にですね、インシアちゃんは見事にスターになるんですよ。ここでスターにならなかったらおかしいですからね。タイトルに「スター」って付いてるからね。

 

何度もいうけどベタな演出のオンパレードで、スローモーションで舞台へ上がるインシアちゃんを写すんですけど、もう涙が止まらないんですよ。

 

ただ、この映画の面白いところは「スター」なのはインシアちゃんだけじゃないってこと。

 

もうお分かりですね?この映画、実はお母さんこそも「シークレット・スーパースター」なんですよ。

 

シークレット・スーパースター」は、二人いるんですよ

 

インシアちゃんがインド版グラミー賞を受賞し、スピーチの時に「お母さんこの賞を捧げたい」的なセリフを言って、授賞式に参列しているお母さんのところに走っていくんですよ!!!

 

そして、、、、インシアちゃんとお母さんの熱い抱擁。

 

流れる曲は、映画の中盤でお母さんへの感謝を歌った「O Re Manwa」という歌。

 

母との抱擁というシーンにおいて、これほどピッタリな曲はない。というか、やはり、ベタな選曲ww

 

O Re Manwa

O Re Manwa

  • Meghna Mishra
  • ボリウッド
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

この曲が流れながら、インシアちゃんとお母さんが熱く抱き合って、映画は終わる。

そして「すべての母と娘に捧ぐ」というメッセージの後、スタッフロール。。

 

ベタなのは分かってるよ? でも、言わせてくれ。

 

 

もうおおおおお!!!!

本当に感動したよおおおおおおお!!!!!

うぇぇぇぇぇぇえええええええええええええん!!!!!!!!!

うおおおおおわわわわわぁぁぁぁん!!!!!!

 

 

びっくりするくらい泣いてました、私。

こんなベタな話なのに、ベタな演出なのに。泣きすぎて脱水症状になるかと思いました。

 

 

 

 

 

これぞインドのリアル、知られざる闇を暴く

 

日本ではほとんど知られてないと思うんですけど、インドって未だに男性優位な社会なんですよね。

「男性優位社会」というか、「女性侮蔑社会」と言った方が正解かもしれません。

 

とにかく、女性に対しての差別・侮蔑が酷い。

 

例えば昨年鑑賞した「パッドマン」だと、女性の生理用ナプキンを開発・流通させた男がヒーローとして描かれてました。日本だと生理用ナプキンなど当たり前。男性も女性の生理に気を使う、なんてのも当たり前。

 

しかし、インドだと生理は「汚らわしいもの」として嫌悪されてるんですよね。だからナプキンも買うこと自体が「はしたない、汚い」ものとして認識されているんですよ。

 

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そういう社会だから、女性が社会進出すること自体、違和感を持っている人がたくさんいて。主人公のインシアちゃんがYouTubeで出演せざるをえないのも、こうしたインドの差別社会が背景にあるんですよね。

 

そんな社会に女性が立ち向かうのが今作であって、実は今作のテーマは「夢を掴み取る少女」だけではなくて、「女性がインド社会に立ち向かう」のも重要なテーマになってるんですよね。

 

 

「パッドマン」でも女性がインドで生きることの大変さを描いていましたけども、今作はもっとキツいです。

女性侮蔑社会の象徴として、今作ではインシアちゃんの父が悪役になってるんですけど、本当にコイツがどうしようもない奴でね。。

 

思い出すだけでイライラしてきた。おい!!!!!!クソ親父!!!!

映画ではギャフンと言われただけで終わってるけどなぁ!! 

俺はまだ許してないからな!!!

娘のギターを捨てるとは何事か!? 娘のパソコンを捨てるとは何事か!? はぁ!?エンジニアならPCを大事にしろや!!! お前はどうせ、ウンポコピーなクソエンジニアなんじゃろうがい!! お前のせいで、俺のイライラは止まらないんだよ!!! いいか!? 俺はお前を許さねぇ!!! 

一生、お前を、許さねぇ!!!!!!!!!!!!!!!!

 

・・すいません、鑑賞中腸が煮えくり返ってしまっていて、本当にむかつく親父なんですよ。

 

そのクソ親父が過去に起こした最低発言が明らかになるシーンがあるんですよね。

 

インシアちゃんを生んだお母さんに対して、クソ親父がなんて言ったと思いますか?

 

クソ親父「なんで女なんか生むんだ? 意味ないだろうが!」

 

って言い放つんですよ!?

 

・・・

 

 

・・・

 

あぁ!?!?!?  お前、アホか!!!?? 

クソ親父よ、お前はどんな神経してるんだ!? 

頭、どうかしてんのか!?!?!? 

いいか!? 映画は許しても俺はお前を許さねぇ!!!!!! 

 

 

はぁ、、すいません。また怒りがこみ上げてしまいました。

 

数ある映画の中でも、こんな最低なセリフは聞いたことないですよ。

 

本当に衝撃を受けました。

 

でも、これがインドの現実なんでしょうかね。もちろん、都会ではこんな発言する人いないんでしょうけども、田舎では恐ろしい考えの持ち主もいるんだなぁと恐怖を感じました。

 

インドって本当に怖いところですねぇ。。

 

ちなみに、インシアちゃんのPCが親父に命令されて捨てられたって言いましたけど、これには続きがあって・・

 

インシアちゃんには弟がいるんですけど、弟がインシアちゃんの接着テープを勝手に使ってたってくだりがあるんですよね。

そのシーン自体に一見意味がないように見えるんですが、その直後にインシアちゃんが弟の部屋に行くと、そこには捨てたはずのPCが。しかも、接着テープでつぎはぎの状態になっている。。

 

弟はまだPCがどうしたら直るか分かってないから、テープでくっつけても治らないことを知らないから、一生懸命テープでくっつけたんですよ。。

 

もうこのシーンで大大大号泣ですけど!!これもベタな演出ですけど!!!!

 

 

 

 

 

 

 はい、もう本当にベタベタな演出のオンパレードなんですけど、涙なしでは見れない傑作でございました。 

 
このお盆休みに見るべきなのは、「ライオンキング」でも
「ワンピース」でもなく、間違いなく「シークレット・スーパースター」でございました!! 大変オススメでございます!!!
 
 
 
P.S
 
ちなみに、笑いはアーミル・カーンが全て持って行った模様www
 
 
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