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映画「ダウントン・アビー」ネタバレあり感想解説と評価 ドラマ未見の私も大満足!イギリス版「渡る世間は鬼ばかり」

 
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この記事では、「ダウントン・アビー」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 
 
 目次
 

「ダウントン・アビー」のネタバレありで感想と解説

 
 

 

今回批評する映画はこちら!

 

「ダウントン・アビー」

 
 

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(C)2019 Focus Features LLC and Perfect Universe Investment Inc.



映画館に足繁く通うものなら、必ず出会う、いや出会ってしまう作品。

 

「ドラマシリーズの映画化」

 

キャラクターも理解できず、物語も意味不明。

初見殺し間違いなし、置いてけぼり間違いなし。

 

そんな危機意識から、思わず鑑賞を回避してしまう方もいらっしゃるのではないか?

 

しかし、私の事情は少し違っている。 

 

話題の映画だから、記事を書けば儲かるから、といったあさましい理由でドラマ映画を鑑賞してしまうことがある。

 

以下はそんな私が出会ってしまったドラマ映画の一端である。もはや黒歴史と一笑に付したい、そんなウンポコピーでチンポコピーな映画であった。

 

 

ameblo.jp

 

 なお、そんな映画は鑑賞する必要も、感想記事を見る必要もないので、リンクをクリックする必要もない。

 

 

過去に失敗のあるドラマ映画。それでも私は、今日も映画館に通う。

失敗に懲りず、挑戦したい気持ちだけはあるんだ。

 

前置きが長くなったが、今作「ダウントン・アビー」もドラマシリーズを映画化したものである。

ドラマはシーズン6まで、52話というボリューム満点な作品。しかも映画はドラマの要約ではなく、アナザーストーリー的な物語で、もちろんドラマの最初が映るわけではない。

 

終わった、絶対に置いてけぼりになる、、という不安も満点な状態で鑑賞した私だが、その予想を良い意味で裏切ってくれた優秀なドラマ映画であった。

 

よかった、本当によかった。。

 

邦題をつけるなら「華族はつらいよ」もしくは「渡る世間は王ばかり」

 

地方の由緒ある華族と、その召使いたちを描いたドタバタヒューマンドラマは、華麗なる一族を描いているようで、市井の人々を見ているようだった。

 

立場はほぼ王族、衣食住は最高級。そんな一族の生活であっても、決して偉そうにせず、世知辛い世間の風にさらされながら、日々を生きている様子が伺えた。

 

華族はデフォルトで偉い。だから偉そうにしない。召使いも一般の人々も、クローリー家に羨望のまなざしを向けることもなく、何の格差も感じていない。

 

華族の彼らも彼らで大変なんだというのが痛いほど伝わってくる。

近年流行している格差問題を扱った映画とは対照的に見えるが、キャラクターの苦悩や葛藤は華族であっても労働者階級であっても同じに見えてくるのが不思議。これも作品の力なのだろう。

 

ドラマを見てない私でもたっぷり楽しめた、稀有なドラマ映画であった!

 

 

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・大邸宅に暮らす貴族・クローリー家と使用人たちの生活を描き、ゴールデングローブ賞やエミー賞に輝いたイギリスの人気ドラマを映画化。2010年から2015年まで全6シーズン放送されたドラマ版の最終回から2年後のクローリー家が描かれる。1927年、英国国王夫妻が訪れることとなったダウントン・アビーでは、グランサム伯爵家の長女メアリーが執事のカーソンを復帰させ、パレードや豪勢な晩餐会の準備を進めていた。そんな中、先代伯爵夫人バイオレットの従妹で何十年も音信不通となっていたメアリー王妃の侍女モード・バッグショーとバイオレットの間にぼっ発した相続問題など、一族やメイドたちのスキャンダル、ロマンス、陰謀が次々と巻き起こる。マギー・スミス、ヒュー・ボネビル、ジム・カーター、ミシェル・ドッカリーらドラマ版のキャストに加え、映画版で初登場となるモード役でイメルダ・スタウントンが出演。ドラマ版に引き続き、オスカー受賞のジュリアン・フェローズが脚本、マイケル・エングラーが監督を務める。

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ドラマ未見でも楽しめる、これぞ映画の奇跡

 

ダウントン・アビーはシーズン6で52話。1話50分とすれば、52×50=2100分=35時間もの尺となる。

 

対して映画は2時間。ドラマ視聴者とは圧倒的なまでの時間の差があったが、十二分に楽しめるのは奇跡としか言いようがない。

 

本編前に申し訳程度のキャラクター紹介があるのだが、普段見聞きしない名前を覚えるだけで一苦労。人となりを理解するのも困難。となると、やはり本編の2時間で何とか理解しなければいけないのだが、1つの華族をめぐる家族の物語だったので、キャラは多いものの話は分散せず、非常に分かりやすい進行となっていた。

 

正直、キャラクター全員を覚えたわけでもないし、そもそもドラマの本筋がわかったわけではない。非常に断片的な情報を寄せ集めた結果に過ぎないが、それでもダウントンアビーに興味を持ち、ドラマに興味を持てたことが素晴らしい。

 

ドラマから映画という流れは日本の民放がよくやる手段で見慣れてはいる。しかし今作は映画からドラマへの流れなのだ。

 

チケットもぎりの際、スターチャンネルでダウントンアビーのチラシが配られていた。「映画を見たらもう一度ドラマへ」というのがキャッチコピーだったが、その宣伝文句にまんまと乗せられたような気分になっているのだから、映画の力は侮れない。スターチャンネル、入ってみてもいいかもしれない。。

 

それくらい映画の満足度が高く、ドラマ初見でも楽しめたのは驚きというしかない。

 

 

 

イギリス版「渡る世間は鬼ばかり」であり、「忠臣蔵」!?

 

今作では誰が死ぬわけでもなく、家族が崩壊していく話でもない。物語に特段大きな起伏があるわけでもない。

 

「華麗なる一族」のような、豪華絢爛な生活を見せびらかす訳でもなく、「犬神家の一族」のような家族親類同士の醜い争いを強調する訳でもない。

 

今作は、英国王が我が家にやってきた!というドタバタ感満載かつキャッチーな物語がメインになっている。

 

地方では有名なクローリー家は華族であり最高の身分であることは間違いない。しかし、イギリス国王は華族を超えた王族。市井の人々はもちろん、クローリー家にとっても王族は王族。王は王。

 

華麗なる一族を主人公としながらも、さらに上位にあるキャラクターを立てることによって、クローリー家が庶民に見せる作りなのが面白いし工夫されている。

と同時に、身分とは絶対的でなく相対的なものであると強く感じる。

 

そんな崇めるべき存在の国王が家にやってくるのだから、テンパらない訳がない。

食事はどうする!?家具を買い換える!?どんな話を!?どんな服装を!?

加えて、国王の使いが家に訪れて、「お前ら何も分かっちゃいねぇなぁ!」と馬鹿にされる始末も、どこか滑稽にも見える。

 

地方の名家が王族の接待に四苦八苦し、王族の使いに虐められるという点では、忠臣蔵にも通じるところがある。

クローリー家は赤穂城、当主は大石内蔵助、と考えれば、物語がスッと入っていった。

 

 

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戸惑うクローリー家と召使いは身分は違えど、王様を設定するという点では共通の目的を持ち、共にミッションを達成する関係にあることで、華麗なる一族を描いてもどこか親近感を持てるのである。

 

名家の当主や先代、子供など様々な立場の人々が固有の悩みを抱え、苦悩しながらも明日を生きていく様子は「家族はつらいよ」や「渡る世間は鬼ばかり」のような印象さえある。

 

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クローリー家は華麗な生活を演じようともせず、日々淡々と暮らしているだけなのである。

やれ跡継ぎがどうだ、結婚がどうだ、就職がどうだ、介護がどうだ、など我々が日頃から抱える悩み事を抱えながら生活している様子を中心に描いていくのだ。

これぞイギリス版「渡る世間は鬼ばかり」と言える。

いや、今作に限っては「渡る廊下は王ばかり」なのかもしれない。

 

ちなみに、クローリー家にも赤木春恵(的なキャラ)が存在しており、赤木春恵がクローリー家や英国王室に対して言いたい放題。会う人会う人に気の利いたセリフで爆笑をかっさらっていくのが、何よりの収穫だった。

 

お局さんが大活躍し爆笑をかっさらうといえば、この映画も特徴的。

 

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ポスターを見る限り荘厳な印象を持ってしまうが、まぎれもなく渡鬼的な作品なのである。

 

本家の渡鬼が終わってしまった今だからこそ、日本人はダウントンアビーにはまってしまうと感じる。我々がずっと見てきた「渡る世間は鬼ばかり」を、なんとイギリスの華族を題材にやってしまったのだ。

 

イギリスの王族を描いた物語としては「女王陛下のお気に入り」があるが、これと比較すると、今作がいかに庶民的なのか分かるだろう。

 

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まとめ

 

思った以上に感想が「渡る世間は鬼ばかり」に引っ張られてしまったが、今作を見た人には理解してもらえるだろう。

 

長女メアリーが家を切り盛りし、英国王室を必死に接待する様子は、どこか応援したくなる構造になっているし、ドラマで追いかけたいとも感じた。

 

クローリー家の使用人のドタバタコメディもお見事!

 

ドラマを見ていないからと言って、怯えることなかれ! ちゃんと映画単独でも十二分に面白い、あっぱれ!!!

 

 

80点 / 100点 

 
関連画像

 

 
 
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