- ゴジラvsコングの結末とは?
- あらすじ
- 「ゴジラvsコング」のネタバレありの感想と解説(全体)
- 言葉など不要。「ウホ!」さえ分かればそれでいい。
- 数少ない会話はコメディリリーフで切れ味抜群!!
- ハルクとマイティソーを足して2で掛けた感じのコング
- まるでヤンキーのようなゴジラに襲われるコング!
- 小栗旬はずっと白目でした
- まとめ
ゴジラvsコングの結末とは?
今回批評する映画はこちら
「ゴジラvsコング」
最近は文章中に「!」を付けなくなった私だが、今作だけはどうしても「!」を付けたくなってしまう。
まさにお祭り映画の到来。
レジェンダリーピクチャーズ独自の怪獣ユニバースは、これまでも本ブログで追いかけてきた。初期はブログを始めてないので、あしからず。
www.machinaka-movie-review.com
そして、とうとう満を持して、今作の元となる東宝お得意の「怪獣VS怪獣」シリーズが口火を切った。
それでは「ゴジラvsコング」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・ハリウッド版「ゴジラ」シリーズの「GODZILLA ゴジラ」(2014)、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(19)と、「キングコング:髑髏島の巨神」(17)をクロスオーバーして描く「モンスターバース」シリーズの第4作で、ゴジラとキングコングという日米の2大怪獣が激突する。モンスターの戦いで壊滅的な被害を受けた地球。人類は各地で再建を計り、特務機関モナークは未知の土地で危険な任務にあたりながら、巨大怪獣のルーツの手がかりを掴もうとしていた。そんななか、ゴジラが深海の暗闇から再び姿を現し、世界を危機へ陥れる。人類は対抗措置として、コングを髑髏島(スカルアイランド)から連れ出す。人類の生き残りをかけた戦いは、やがてゴジラ対コングという未曽有の対決を引き起こす。監督は「サプライズ」やNetflix実写版「Death Note デスノート」などを手がけたアダム・ウィンガード。出演はアレクサンダー・スカルスガルド、レベッカ・ホール、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」から引き続き登場するミリー・ボビー・ブラウン、カイル・チャンドラーほか。また、「GODZILLA ゴジラ」「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」で渡辺謙が演じた芹沢猪四郎博士の息子・芹沢蓮役で小栗旬が出演し、ハリウッドデビューを飾った。
「ゴジラvsコング」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#ゴジラVSコング 」鑑賞!!
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2021年7月2日
言葉など不要。「ウホ!」さえ分かればそれで良い。
出し惜しみのなし!冒頭から熱戦烈戦の嵐!!
・名刺交換を兼ねたドキ★ドキ!水中乱闘!
・コングの実家をゴジラがお礼参り!!
・昨日の敵は今日の友!感涙歓喜の友情タッグバトル!!
ウホホホホほ!最高! pic.twitter.com/l4x62J8T6v
言葉など不要。「ウホ!」さえ分かればそれでいい。
まだ脳の整理が追い付かない。
どんなキャラクターがいて、どこが舞台で、誰が死んで誰が生きて。
様々な映画のスジを整理しているが、追い付かない。
なぜなら私の脳内は、完全にあの「ふたり」に支配されているからだ。
シリーズ一作目「GODZILLA」から完全にモンスターが主役で人間は添え物であったが、今作は訳が違う。完全にモンスターが主役で、人間はただ逃げ惑うだけだった。
人間があれこれ言っても、結局すべてはモンスターに持っていかれる。だが、それで良い。それでこそモンスター映画だ。
冒頭から途中まで、プロットは完全にシリーズと同じだ。
小栗旬演じる芹沢博士の息子が、家族を失った者に協力を得て、モンスターの居場所を探るシーンがプロットとなっている。これまでと同じ、芹沢始まりのオープニングだ。
シリーズを見ている側からすると、プロットが同じのため、脳を働かせる必要がない。ただただゴジラとコングに集中していればよい親切設計が、シリーズ4作目にして身に染みた。
しかし、今作は今までと全く違う点が1つある。
モンスターが活動している状態から今作はスタートしているのだ。
ゴジラは1作目の「GODZILLA」で蘇り、コングは「髑髏島の巨人」で既に元気モリモリンゴリラ。
正直、これまでの作品はモンスターが活動するまでが非常に長かった。
本シリーズの元となっている東宝の60年代モンスター映画は90分程度で終わるのに対し、本シリーズは2時間越えが当たり前。そこで中盤までモンスターがお寝んね状態なのは、マイナスポイントと言わざるを得ない。
しかし今作は、最初からゴジラとコングがおめめパッチリのビンビン状態のため、どうやってモンスターを起こすか考えるシーンがない。自然と会話シーンも減る。
残るはゴジラとコングの対決だけ。俺たちが見たかったものしか残らない。素晴らしい。
いつもの芹沢博士や専門家による説明もナッシング。家族の話もナッシング。言語がことごとくそぎ落とされる。
もはや言葉不要のバトル映画、いやKAIJU映画に仕上がってくれたのだ。
「ウホ!」さえ分かれば、それでいい。それでいいのだ!!
数少ない会話はコメディリリーフで切れ味抜群!!
今作の最大のサプライズは、これまでナリをひそめていたコメディリリーフの連発ではないだろうか。
会話の少ない今作だが、そんな中でも非常に映画的ユーモアに溢れた会話劇が絶妙だった。
特に、「ストレンジャーシングス」のミリー演じるマディソン、その友達のオタク(に見える少年)ジョシュ、芹沢が属するAPEXの末端社員バーニーの3人組の掛け合いが素晴らしかった。
中二病全開のバーニーのオカルト的ポッドキャストを本気で信じたマディソン。友人のジョシュとバーニーに会いに行く。
バーニーの一挙手一投足が面白く、特にコングの故郷に辿り着いた瞬間に「ワッ!!!!」と大声を出してジョシュをビビらせるシーンは腹を抱えて笑わせてもらった。
そんなジョシュも負けじ劣らず、APEX社のドアが良いタイミングで閉まった瞬間に「いっつもドアが閉じる!!」と本シリーズのお約束をイジるくだりも最高。
こんなに笑えるシリーズだったっけ?と思わず目と耳を疑った。渡辺謙がいなくなり、威厳のあるキャラが誰もいなくなったことが原因だろうか? コメディリリーフがさえわたっていた。
ハルクとマイティソーを足して2で掛けた感じのコング
そんな笑いの絶えない今作だが、何より爆笑をかっさらったのはキングコングではないだろうか。
特に冒頭、コングが初めて出てくるシーンには度肝抜かれた。
なんと、キングコングのモーニングルーティーンが披露されるのだ。
Bobby Vintonの「Over the mountain across the sea」をバックに、優雅なコングの一日が始まるのであった。
早朝の髑髏島(らしき島)。深い眠りから覚めたコングは大きなあくびと共に、シャワーに直行する。滝に身を預け、水圧最強の天然シャワーにご満悦のコング。
気持ちよくなった後は、木を削り朝食の準備を始める。
さぁ、どんなご飯を食べるのかと思いきや、、、
おっとここまで。この続きは映画で確認して欲しい。
そして、高評価とチャンネル登録を忘れずに。
モーニングルーティーンは海外でも流行っているか分からないが、日本人にはYouTubeで流行っているモーニングルーティーンにしか思えなかった。
ただ、決してギャクパートだけでは終わらないのが今作の素晴らしい所。
その後の展開を考えると、予めコングに人間と同じ所作をさせることによって、人間との親和性を高めたかったのではないだろうか。
今作のコングは知性が高く、人間との意思疎通も頻繁に行われる。
コングを「分かるヤツ」として認知してもらうために、あのモーニングルーティーンは必要だったのだ。
そして、今作のコングの特徴は、何と言っても「斧」ではないだろうか?
ゴジラの放射能を吸収してエネルギーを溜められるという、何とも胸アツな斧が、今作の白眉だ。
巨大な図体とファンタジーな斧。
今作のコングは、まるでMARVELのハルクとマイティソーを足して2で掛けた感じのキャラクターに仕上がっていた。
そして、「コングvsゴジラ」というバトル構図やコメディリリーフも相まって、今作はまさに「マイティ・シーバトルロワイヤル」だな、と。
まるでヤンキーのようなゴジラに襲われるコング!
肝心のコングとゴジラとのバトルは、出し惜しみもなく序盤から見せてくれた。
少なくとも一度は対決するだろうと確信していたが、まさか3度もバトルを繰り広げるとは。。一体だれが想像できただろうか。
かつて半世紀以上前に行われた伝説の対決が、令和の時代にカムバッグしてくれただけでもありがたいのに、劇中に3度も対決を。。なんとも素晴らしきことだろうか。
加えて、戦い方やフィールド、決着の着け方は3種3様であり、単なる繰り返しでないのもポイント。
この戦いを一言で説明するならば、今作のゴジラはヤンキーであり、ヤンキーがコングに襲われるバトルなのである。
※以降、私なりの解釈で今作の戦いを表現します。真のネタバレを知りたければファスト映画でも見てください。
名刺交換代わりの一戦目
まず1戦目。我が物顔で水中を走るゴジラ。そこにコングを載せた船がゴジラの進む道を妨害する。ヤンキーのゴジラにとっては、進行方向に障害物があるとイラついて仕方ない。
そこで、コングにケンカをふっかけるゴジラ。訳も分からずに抵抗するコング。
名刺交換代わりに戦闘機を投げつけるコング。無事にケンカに勝つが、ゴジラにガンを飛ばされる。
二戦目は実家へお礼参り
そして二戦目。ケンカに負けたゴジラの怒りは収まらず、コングをボコる計画を立てる。
なんと、実家で油断しているコングをお礼参りするゴジラ。
結果はもちろんゴジラの勝ち。コングはなすすべもない。
三戦目は感涙歓喜の友情タッグ
コングに勝ち悠々自適に暮らすゴジラ。しかし、コングは地元でも名の知れたケンカ師だったため、コングが負けたことが県内の学校に知れ渡ってしまう。
そして、ゴジラは予想外の相手から因縁を付けられる。
なんと説明したら良いか。。確信を突くネタバレはしたくないので、とりあえずヒントを出しておく。
とんでもない強敵に襲われるゴジラ。上には上がいる。
絶対に勝てないと思ったその時、「ウホ!!!!!」という咆哮と共に、ゴジラを助けるコング。
そして最後は、今までの伏線を回収するかのように、ゴジラとコングによる見事なタッグで強敵を倒す。。
なんと素晴らしい終わり方だろうか。昨日の敵は今日の友。まるでヤンキーマンガのような終わり方。
3度も繰り返して戦うのは、理由があったのだ。
めでたし、めでたし。
・・・とまぁヤンキー風にぼかして語ってしまったが、特に2戦目と3戦目はネタバレできないので、このような表現となった。
つまり、普通に殴り合うだけではない。予想だにしないサプライズが待っているので、楽しみにしてほしい。
小栗旬はずっと白目でした
そして、唯一の日本人俳優である小栗旬!
彼が登場した時に、思わず涙してしまった。。
正直、いつもの小栗旬なのは間違いない。しかし、何故か彼は輝いて見えた。
この出番を、彼はどれだけ待ち望んでいただろうか。
日本からでもハリウッド俳優になれるんだ。若手俳優の目標となっている小栗旬。
そんな彼のハリウッド一発目のセリフは、
「Your book is very impressive」
であった。
決してネイティブのくだけた表現ではなく、きちんと主語と述語があり、SVCの基本的な英文。
おそらく、NEW CROWNにも例文として載っているだろう(本当にあるかは分からない)
そんな基本的な英語から始まった、彼のハリウッド人生。
どんな英語が披露されるのか楽しみだったが、違和感なく綺麗な英語だった。英語に疎い我々日本人でも、字幕を読まずとも分かる親切設計になっているのだ。
そして、彼が具体的にどのような活躍を見せるのかは、残念ながらネタバレすることが出来ない。
ただ、一つ言えることがある。
小栗旬は途中からずっと白目だった。
なぜあのようなシーンが多かったのか、監督に問いただしたい。
まとめ
初めてのドルビーシネマ3Dで、IMAXでは体験できなかった全く新しい映像と音響にも興奮。これについては、別の記事でまた取り上げたいくらいだ。
とにかく、今作はドルビーシネマが最強の相性だろう。
特に、無音ながらも重低音が鳴り響くシーンは格別だった。
そして、3D表現にこだわったと言われている今作は、スクリーンの奥から観客席の方に向かって物が落下するシーンが多く、奥行きが強調される設計となっていた。
コングとゴジラの戦いは、是非とも自宅じゃなく映画館でご覧いただきたい。
ウホ!!!!
94点 / 100点