Machinakaの日記

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映画「糸」ネタバレあり感想解説と評価 菅田将暉と小松菜奈を愛でる映画であって、平成を愛でる映画ではない

 
こんにちは! 
 
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この記事では、「糸」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「糸」

 
 

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(C)2020映画「糸」製作委員会

 

 

たぁ〜てのいとはぁあ〜なたぁ〜〜〜〜〜!!!!
 
よぉ〜このいとはぁわ〜たしぃ〜〜〜〜〜!!!!

 

はい、「糸」といえば元祖の中島みゆきさんよりBank Bandの「糸」が印象に残っているMachinakaでございます。

 

先日鑑賞してた「ドラえもん のび太の新恐竜」もそうでしたが、、

 

ミスチル(+Bank Band)に関係あるなら観るしかないでしょ!!!!

 

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主演の菅田将暉くんと小松菜奈さんは交際しており、令和のビックカップルとも呼ばれる二人の演技が注目される作品でもあります。

 

本当にお似合いなカップルだこと、これからもお幸せに。本当に願います。

 

二人が共演している映画を見てきましたが、決して「ディストラクション・ベイビーズ」のような結末にならないよう、「溺れるナイフ」にもならぬよう、ごくごく順風満帆なお付き合いでよろしくお願いいたします!!

 

溺れるナイフ

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それでは「糸」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・1998年にリリースされた中島みゆきのヒット曲「糸」をモチーフに、菅田将暉、小松菜奈演じる平成元年に生まれた男女の18年間を生活者からの視点から見た平成史とともに描いていく、瀬々敬久監督作品。平成元年生まれの高橋漣と園田葵。北海道で育ち、13歳の時に出会った2人は初めての恋をするが、葵は母親に連れられて北海道を去ってしまう。8年後、21歳になった漣は、友人の結婚式のため訪れた東京で葵との再会を果たす。しかし、漣は北海道でチーズ職人、葵は東京、沖縄へと自分の世界を広げ、2人は別の人生を歩み始めていた。さらに10年の時が流れた平成最後の年、2人は運命の糸によってふたたびめぐり会うこととなる。漣役の菅田、葵役の小松のほか、斎藤工、榮倉奈々、山本美月、倍賞美津子、成田凌、二階堂ふみ、高杉真宙らが顔をそろえる。

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「糸」のネタバレありの感想と解説(短評)

 

 
 
 

菅田将暉と小松菜奈を愛でる映画であって、平成を愛でる映画ではない

 
「あなたは平成最後の日、何をしていましたか?」というキャッチコピーが妙に印象的だった本作。
 
どのように平成を振り返ってくれるのか?「SUNNY」のようにマニアックには映さないでしょうし、そんな作りを瀬々敬久監督はしないと予想しておりました。
 
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ただ、とはいえ流行ったモノとか起きた事件とかを、強烈に思い出すような作りになってるんだろうなぁと思ってたんですけど・・・

 

この映画の平成は、俺が生きた平成じゃありませんでした

 

もっと言えば、これ平成じゃなくても成り立つ作品じゃね?とも感じることが多々ありました。

 

令和のビックカップルである菅田将暉くんと小松菜奈ちゃんを愛でる映画ではあるけど、平成を愛でる映画じゃないなぁというのが正直なところです。

 

平成元年生まれだからしょうがないかもしれませんが、平成初期の時代が全く入っておらず、平成13年から話が始まってるのが実に納得がいかない。

 

具体的に言えば、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が入ってない平成は、平成じゃないとさえ思うのです。

 

また、小松菜奈ちゃんがなぜキャバクラや海外に行って仕事を探す描写においても、就職氷河期を引き起こした原因であるバブル崩壊を描かなかったのも違和感を覚えました。

 

平成を語る上で、失われた20年(今は失われた30年とも言われていますが)を描かないと、全てのことに説明がつかないと思うのです。

 

平成を丁寧に語ることは恋愛映画にとって不要じゃないの?菅田将暉くんと小松菜奈ちゃんが結ばれるのを見れれば良いんじゃないの?って思うかもしれませんが、平成をまるごと生きてきた二人の人生を描くには、ちゃんと平成を描いてくれないと全部嘘っぱちになってしまう気がしてならないんですよ。

 

鑑賞中、菅田将暉と小松菜奈ちゃんを見ているだけでニヤニヤしてしまった自分がいたのは否めません。

でも、今作の出来栄えだと別に時代が平成じゃなくてもいいような気になってしまうんですよ。

 

それほど平成の描き方が雑すぎると言うか、稚拙なんです。

以降、詳細に語っていきますー。

 

 

 

 

平成◯◯年を表すテロップはいらない

 
 
今作では、平成元年生まれの菅田将暉くんと小松菜奈ちゃん。
 
二人が中学1~2年生である平成13年から、本作は始まります。
 
 
今作で一番気になったのは、「平成◯◯年」とテロップが明示されてから、その時代のシーンが映るところですね。
 
別に「今は平成何年だ!」って映画を観ながらクイズしたい訳じゃないんです。
 
ただ、先に「◯◯年」と書かれてしまうと、その年に起きた事件や事故が用意に想像できてしまうのが嫌なんです。ある程度、物語が予想できてしまうのが嫌なんですよ。
 
そりゃあね、高校生や中学生の観客にとっては、平成13年なんて生まれてないわけだし、その頃にどういうものが流行ったとか、どういう価値観だったのかは、知っておいた方がいいかもしれない。
 
だけど、あまりにも映画的に下手すぎませんかね?
 
製作委員会で作ってるので、色んな声が上がったかもしれませんよ。監督はテロップ付けたくなかったのかもしれませんよ。だが、これだけは許せません。
 
最悪なのは「次の元号は平成です」と流れた後に「平成元年生まれ」というテロップが流れるところ。。これ、意味の重複してるんだよなぁ。文字と映像で同じ意味を重ねないでほしいんだよなぁ。。
 
 
 

 

 

こんなの「平成」にあったっけ?

 
問題なのは平成◯◯年というテロップだけじゃありません。
 
今作の最もダメなところは、「平成を振り返る」という縦の糸と、「糸から着想を得た物語」という横の糸が絡まってしまって、毛むくじゃらになっている点。
 

「糸」を強調するあまり、「平成」の時代には似つかわしくない場面が何個も思い浮かびました。

 

同じ瀬々敬久監督作である「友罪」でも出てきた「カラオケシーン」が、その代表かと思います。

 

友罪

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今作は「糸」に着想を得た物語ということもあって、糸の原曲を歌唱した中島みゆきの楽曲がカラオケでたくさん使われてるんですけど、、、

 

平成元年生まれの若者が、カラオケで「ファイト!」を歌いますかね?

  

ファイト!

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そりゃあ、落ち込んでいるみんなを励ますために「ファイト!」と声をかけたくなるかもしれませんが、少なくとも平成を若者として生きてきた私は「ファイト!」を歌ったことがありません。これが非常に違和感があって。

余談ですが、「ファイト!」は1983年に出来た曲で平成じゃなく昭和っていうね。

 

この瞬間、「脚本や著作権的な問題で、中島みゆき縛りの曲を若者が歌わされてるんだ」と思って、興ざめしちゃうんですよ。

 

映画の中で生きているキャラクター達が、脚本という本の中だけで生きているような気がして、現実で生きてるような気がしないんですよ。

 

あと、シンガポールで小松菜奈ちゃんがカツ丼を食べている時、ラジオから中島みゆきの「糸」(もしくは時代?)が流れるんですけども、、

 

シンガポールで中島みゆきが流れますかね?

 

あくまで映画の挿入歌として、映画の世界の外から中島みゆきの曲が流れるのはいいんです。だけど、映画の世界の中で中島みゆきが流れるのは、申し訳ないが違和感しか残らない。

 

私にも菅田将暉くんや成田凌たちと同じく、あの時代に飲みながらカラオケを歌うことが多々ありました。だけど、中島みゆきの「ファイト!」や「糸」を歌っている人を観たことはありません。
 
「家なき子」の影響で「空と君とのあいだに」や「プロジェクトX」の影響で「地上の星」を歌うことはありましたけどね。。
 
空と君のあいだに (シングル・バージョン)

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地上の星

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とにかく、今作ではカラオケ・ラジオなどで自然に中島みゆきの曲が流れないんですよ。

 

この時点で、作り物だと思ってしらけちゃうんですよね。

 

中島みゆきの「糸」から物語をつくるのは良いんです。でも、あまりに中島みゆきに肩入れするあまり、平成という時代を捻じ曲げないでほしいと、思ってるんです。

 

中島みゆきのファンの方には申し訳ないですけど、私にとってはリアルじゃない平成だったのです。

 

 

 

 

まとめ

 

はい、菅田将暉くんと小松菜奈ちゃん以外に、全く褒めるところがなかったことに、自分でも少し驚いています。

 

もともと瀬々敬久監督の作品は苦手だったというのもあるでしょうが、平成という時代の切り取り方に納得がいかなかったのが今作の評価を決定づけたと思います。

 

今作の主人公は平成元年生まれなのに、どこかおじさん目線で平成を語っているような気がして、平成の時代に昭和の要素が入り込んでいると言うか、、、

 

時代が平成じゃなかったら、こんなこと言わなかったかもしれません。

 

まぁ、、とにかく!!

 

 

菅田将暉さん、小松菜奈ちゃん、末永くお幸せに!!!

 

40点 / 100点 

 
関連画像

 

 
 
 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 
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