- まえがき
- あらすじ
- 「糸」のネタバレありの感想と解説(短評)
- 菅田将暉と小松菜奈を愛でる映画であって、平成を愛でる映画ではない
- 平成◯◯年を表すテロップはいらない
- こんなの「平成」にあったっけ?
- まとめ
まえがき
今回批評する映画はこちら
「糸」
はい、「糸」といえば元祖の中島みゆきさんよりBank Bandの「糸」が印象に残っているMachinakaでございます。
先日鑑賞してた「ドラえもん のび太の新恐竜」もそうでしたが、、
ミスチル(+Bank Band)に関係あるなら観るしかないでしょ!!!!
www.machinaka-movie-review.com
主演の菅田将暉くんと小松菜奈さんは交際しており、令和のビックカップルとも呼ばれる二人の演技が注目される作品でもあります。
本当にお似合いなカップルだこと、これからもお幸せに。本当に願います。
二人が共演している映画を見てきましたが、決して「ディストラクション・ベイビーズ」のような結末にならないよう、「溺れるナイフ」にもならぬよう、ごくごく順風満帆なお付き合いでよろしくお願いいたします!!
www.machinaka-movie-review.com
それでは「糸」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・1998年にリリースされた中島みゆきのヒット曲「糸」をモチーフに、菅田将暉、小松菜奈演じる平成元年に生まれた男女の18年間を生活者からの視点から見た平成史とともに描いていく、瀬々敬久監督作品。平成元年生まれの高橋漣と園田葵。北海道で育ち、13歳の時に出会った2人は初めての恋をするが、葵は母親に連れられて北海道を去ってしまう。8年後、21歳になった漣は、友人の結婚式のため訪れた東京で葵との再会を果たす。しかし、漣は北海道でチーズ職人、葵は東京、沖縄へと自分の世界を広げ、2人は別の人生を歩み始めていた。さらに10年の時が流れた平成最後の年、2人は運命の糸によってふたたびめぐり会うこととなる。漣役の菅田、葵役の小松のほか、斎藤工、榮倉奈々、山本美月、倍賞美津子、成田凌、二階堂ふみ、高杉真宙らが顔をそろえる。
「糸」のネタバレありの感想と解説(短評)
#糸 鑑賞!#菅田将暉 っち と #小松菜奈 っちとのリアルカップルによる、糸で結ばれる恋愛物語。
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2020年8月21日
2人が一緒にいるだけでニヤケが止まらない胸キュン展開はチョペリグだが、あまりにご都合主義な展開には激オコぷんぷん丸!
いつ見るの?今でしょ!とは思うが、物足りない。頭の中が、真っ白です。。 pic.twitter.com/NDqqDVIfJp
菅田将暉と小松菜奈を愛でる映画であって、平成を愛でる映画ではない
ただ、とはいえ流行ったモノとか起きた事件とかを、強烈に思い出すような作りになってるんだろうなぁと思ってたんですけど・・・
この映画の平成は、俺が生きた平成じゃありませんでした
もっと言えば、これ平成じゃなくても成り立つ作品じゃね?とも感じることが多々ありました。
令和のビックカップルである菅田将暉くんと小松菜奈ちゃんを愛でる映画ではあるけど、平成を愛でる映画じゃないなぁというのが正直なところです。
平成元年生まれだからしょうがないかもしれませんが、平成初期の時代が全く入っておらず、平成13年から話が始まってるのが実に納得がいかない。
具体的に言えば、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が入ってない平成は、平成じゃないとさえ思うのです。
また、小松菜奈ちゃんがなぜキャバクラや海外に行って仕事を探す描写においても、就職氷河期を引き起こした原因であるバブル崩壊を描かなかったのも違和感を覚えました。
平成を語る上で、失われた20年(今は失われた30年とも言われていますが)を描かないと、全てのことに説明がつかないと思うのです。
平成を丁寧に語ることは恋愛映画にとって不要じゃないの?菅田将暉くんと小松菜奈ちゃんが結ばれるのを見れれば良いんじゃないの?って思うかもしれませんが、平成をまるごと生きてきた二人の人生を描くには、ちゃんと平成を描いてくれないと全部嘘っぱちになってしまう気がしてならないんですよ。
鑑賞中、菅田将暉と小松菜奈ちゃんを見ているだけでニヤニヤしてしまった自分がいたのは否めません。
でも、今作の出来栄えだと別に時代が平成じゃなくてもいいような気になってしまうんですよ。
それほど平成の描き方が雑すぎると言うか、稚拙なんです。
以降、詳細に語っていきますー。
平成◯◯年を表すテロップはいらない
こんなの「平成」にあったっけ?
「糸」を強調するあまり、「平成」の時代には似つかわしくない場面が何個も思い浮かびました。
同じ瀬々敬久監督作である「友罪」でも出てきた「カラオケシーン」が、その代表かと思います。
今作は「糸」に着想を得た物語ということもあって、糸の原曲を歌唱した中島みゆきの楽曲がカラオケでたくさん使われてるんですけど、、、
平成元年生まれの若者が、カラオケで「ファイト!」を歌いますかね?
そりゃあ、落ち込んでいるみんなを励ますために「ファイト!」と声をかけたくなるかもしれませんが、少なくとも平成を若者として生きてきた私は「ファイト!」を歌ったことがありません。これが非常に違和感があって。
余談ですが、「ファイト!」は1983年に出来た曲で平成じゃなく昭和っていうね。
この瞬間、「脚本や著作権的な問題で、中島みゆき縛りの曲を若者が歌わされてるんだ」と思って、興ざめしちゃうんですよ。
映画の中で生きているキャラクター達が、脚本という本の中だけで生きているような気がして、現実で生きてるような気がしないんですよ。
あと、シンガポールで小松菜奈ちゃんがカツ丼を食べている時、ラジオから中島みゆきの「糸」(もしくは時代?)が流れるんですけども、、
シンガポールで中島みゆきが流れますかね?
あくまで映画の挿入歌として、映画の世界の外から中島みゆきの曲が流れるのはいいんです。だけど、映画の世界の中で中島みゆきが流れるのは、申し訳ないが違和感しか残らない。
とにかく、今作ではカラオケ・ラジオなどで自然に中島みゆきの曲が流れないんですよ。
この時点で、作り物だと思ってしらけちゃうんですよね。
中島みゆきの「糸」から物語をつくるのは良いんです。でも、あまりに中島みゆきに肩入れするあまり、平成という時代を捻じ曲げないでほしいと、思ってるんです。
中島みゆきのファンの方には申し訳ないですけど、私にとってはリアルじゃない平成だったのです。
まとめ
はい、菅田将暉くんと小松菜奈ちゃん以外に、全く褒めるところがなかったことに、自分でも少し驚いています。
もともと瀬々敬久監督の作品は苦手だったというのもあるでしょうが、平成という時代の切り取り方に納得がいかなかったのが今作の評価を決定づけたと思います。
今作の主人公は平成元年生まれなのに、どこかおじさん目線で平成を語っているような気がして、平成の時代に昭和の要素が入り込んでいると言うか、、、
時代が平成じゃなかったら、こんなこと言わなかったかもしれません。
まぁ、、とにかく!!
菅田将暉さん、小松菜奈ちゃん、末永くお幸せに!!!
40点 / 100点