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映画「マンク」ネタバレあり感想解説と評価 今作の制作背景や歴史を時系列順で徹底解説!でなきゃ感想が書けません!

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
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この記事では、「マンク」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「マンク」

 
 

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Netflix映画「Mank マンク」12月4日(金)より独占配信開始


はい、デビット・フィンチャー新作と聞いて、いても立ってもいられないですよね、皆さん!!

 

フィンチャーって確か映画を撮るのを止めたって話じゃなかったっけ? Netflixで自由に撮れるから、復帰したのでしょうか?

 

私の記憶が間違ってなければ、2014年の「ゴーン・ガール」以来の監督としての劇場公開作品になります。

 

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フィンチャーの実父であるジャック・フィンチャーが遺した脚本をもとに制作したということで、なんとも興味深い作品でございます。フィンチャーの父も、脚本を書いてたんだね。。

 

Netflixでなおかつモノクロといえば、やはり「ROMA」を思い出してしまいますね。

アカデミー賞を席巻するのでしょうか?

 

最近洋画大作が公開されない中で、唯一の(映画好きには)希望の作品でございます!

 

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それでは「マンク」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・「ソーシャル・ネットワーク」「ゴーン・ガール」の鬼才デビッド・フィンチャーがメガホンをとり、「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」のオスカー俳優ゲイリー・オールドマンが、不朽の名作「市民ケーン」の脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツを演じたNetflixオリジナル映画。1930年代のハリウッド。脚本家マンクはアルコール依存症に苦しみながら、新たな脚本「市民ケーン」の仕上げに追われていた。同作へのオマージュも散りばめつつ、機知と風刺に富んだマンクの視点から、名作誕生の壮絶な舞台裏と、ハリウッド黄金期の光と影を描き出す。「マンマ・ミーア!」のアマンダ・セイフライド、「白雪姫と鏡の女王」のリリー・コリンズ、テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のチャールズ・ダンスら豪華キャストが個性豊かな登場人物たちを演じる。Netflixで2020年12月4日から配信。それに先立つ11月20日から、一部の映画館で劇場公開。

eiga.com


 

 


『Mank/マンク』ティーザー予告編 - Netflix

 
 
 
 
 
 

「マンク」のネタバレありの感想と解説(短評)

 
 

 
 
 
 

予習必須!「マンク」の制作背景や歴史を時系列人で徹底解説!

 
まず、自分の感想を書くために作品が出来た背景や歴史を説明させてください。
 
市民ケーンやらマリオンやウィリーやら、気になる人物は山程います。でも、各キャラを解説したって今作を理解することは到底困難。
 
結果、整理する順番は「時系列順」とさせていただきます。絶対にこっちのほうが分かりやすい。
 
 
・1863年4月29日:ここから全てが始まった。
 
今作は主に1930年ー40年を行ったり来たりしていますが、今作のそもそもの始まりは1800年代にあります。
 
1863年4月29日、この日にウィリアム・ランドルフ・ハーストという方が生まれました。はい、勘の良い方ならおわかりですが、この方こそアマンダ・セイフライドちゃん演じるマリオン・デイヴィスのパトロンだったわけです。
パトロンという言い方じゃ分かりづらいですかね、要は愛人だったわけです。
 
なぜ彼の話から始めたかというと、この人こそが市民ケーンのモデルだったのです。
親が超のつくほどの金持ち、出版・新聞関係の仕事、選挙への出馬(1900年代)、マリオンとの結婚(1920年代)、無駄に豪華な邸宅に住むなど(1920年代)、市民ケーンで起きた出来事のほぼ全てが、ハーストの人生そのものなのです。
 
なお、ハーストの人生について詳細を知りたい方は、まずは「市民ケーン」をご覧になってください。
というか、市民ケーンを知らずして今作を理解することはまず不可能と言っていいです。なぜなら、市民ケーンで描かれたハーストの人生は今作「マンク」ではあまり描かれないからです。市民ケーンのハーストは1920年代まで、今作のハーストは1930年代以降なので。
 
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・1939年6月:ここが映画の始まり
 
映画製作会社であったRKOは世界恐慌の煽りを受けて、経営難に陥っていました。
 
そこで、当時ラジオドラマ「宇宙戦争」で市井の注目を浴びていたオーソン・ウェルズに白羽の矢が立ち、RKOはオーソン・ウェルズに、好きに映画を撮っていいからウチを助けてくれ!と懇願します。

 

オーソン・ウェルズは承諾し、先に挙げたハーストをモデルにした映画の制作を開始しました。脚本を担当することになったのが、今作の主人公であるハーマン・J・マンキーウィッツ。

この時点が、今作の冒頭にあたる部分となっております。

 

時系列から分かる通り、市民ケーンが作られる前からすでにハーストはマリオンと結婚しており、豪邸に住んでいたのです。

こうした事実があったから、ハーストは市民ケーンに対して非常に敵意を持っていたんですね。そしてマリオンの反応も、あんなに微妙だったのですね笑

 

マンキーウィッツはベルリンからアメリカに移住してきた移民2世であり、彼のミドルネームの「J」は「Jacob」の略。つまり「ヤコブ」であり、マンキーウィッツはユダヤ人であった可能性が非常に高いです。

そのため作品の中でも大量のドイツ人をアメリカに逃げさせたり、随所にドイツ語を取り入れたりしていたのですね。

 

 

・1939年6月以降:市民ケーンの制作過程

 

今作のネタバレになってしまうので、一切書けません。

 

ただ、ハースト・マリオンの人物像や市民ケーンを観て理解している人であれば、ストーリーが追えるはずです。私は後追いでハーストやマリオンを調べたので、マジでちんぷんかんぷんでした。

 

 

・1960~90年代?

 

明確な年代がなくて恐縮ですが、デビッド・フィンチャーの父であるジャック・フィンチャーが、マンキーウィッツの伝記映画の脚本を書き上げました。

 

息子のデビッド・フィンチャーはこの脚本をもとに、1997年の「ゲーム」の後に映画化する予定だったのですが、彼の映像に対するこだわり(モノクロ)と制作側の方で折り合いがつかず、断念してしまうのです。

 

ちなみに、今作と同じような市民ケーンをめぐる伝記映画としては、「ザ・ディレクター(1999)」が挙げられます。

 

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・2003年4月

 

映画化が決定しないまま、父のジャックは2003年4月に他界してしまいます。

 

・2020年11月

 

20年以上の時を経て、ネットフリックスにて父の脚本を映画化することに成功しました。

 

そのため2020年に公開された今作は、当初の予定より20年以上遅れていると思われます。

 

ハリウッドと交渉や対抗をしながらも、いつまで経っても作れない。

映画会社に対抗し、Netflixという自由な映像媒体で独占契約を結んだデビッド・フィンチャーは、ようやく今作を撮る環境が整ったのです。

 

このデビッド・フィンチャーの映画人生は、市民ケーンを監督したオーソン・ウェルズや市民ケーンのモデルとなったハーストと似ていると思ったのは私だけでしょうか?

 

あくまでも、父の脚本を使いたいだけなのでしょうか? 個人的には、自身のこれまでとこれからの話が、今作の脚本に詰まっていたのではないでしょうか?

 

 

・・・以上が今作の背景となります。。長い!!

 これで完全に説明したわけではないですが、理解の補助線となれば幸いです。

 

要は、市民ケーンという映画のモデルは当時現存したハリウッドの実力者ハーストとなっており、ハーストがあの手この手で市民ケーンの公開や、マンキーウィッツを孤立させようとする話なんだと、そう理解してくれれば幸いです。

 

そして、ハーストやMGMといったハリウッドの実力者たちは必ずと言っていいほど政治家と癒着しており、長いものに巻かれる側だったのです。

それに立ち向かったのがオーソン・ウェルズやマンキーウィッツなど市民ケーンに関わった人たちで、市民ケーンを撮る=ハリウッドと政府にケンカを売る行為そのものだったのです。

 

そして、この作品を今公開した意味とは、何だったのでしょうか?

 

ここまで知れると、映画の理解が深まるのではないでしょうか?

 
 
 
 

 

こんなの家で見せるんじゃねぇ!!

 

ぶったまげました。

基本、ネットフリックスオリジナル映画が劇場で公開されると足を運ぶようにしているのですが、今作ほど驚いた作品も珍しいです。

 

こんなに予備知識と集中力が必要な作品、家じゃ絶対に見れません。

 

あれ? ネトフリのコンテンツは家で見るように作られてるんじゃないんですか?

おかしいなぁ。。

 

上述したようなハリウッド業界人の知識や市民ケーンの理解など、多くの事前準備。それに加えて、驚異的な早口言葉と会話量。キャラクターに対して深い説明をしなかったり、劇中で起きた出来事については全く説明していない。

 

セリフの一つ一つが重要で、一度逃すとついていけないんです。

 

少なくともフィンチャーは、1秒たりとも見逃せない、全集中が必要な映画を作ってしまったのです。

 

今作を観る人の大半が家のNetflixで見ると思いますが、悪いことは言いません。

家で今作見るのは諦めろ、寝落ち必至だぞ!!

 

その証拠となるか分かりませんが、私が観に行った劇場はヒューマントラストシネマ渋谷というミニシアターで、ここの観客は最低限の映画リテラシーがあり、今作についても常に集中して見ていると思いました。

 

しかし、私の周囲にいたオジサン達は冒頭1分で爆睡しておりました。ミニシアターの観客でさえ、マンクの前ではガン寝してしまうわけです。

 

これを家で見たら、、、どんな悲惨な状態になるか分かりますかね?笑

 

 

昔の会話劇を現代の編集カットで実現する複雑さ

 

今作の理解を分かりづらくさせているのは、単に予備知識だけではありません。

 

まず今作で一番目立つのは「早口な台詞回し」ですよね。

 

今の英語のセリフのようにゆっくりとはっきり、間をおいてしゃべるのではなく、常に会話だけが流れているようなテンポでした。もう休まる暇がないというか、日本語字幕を作る人にとっては地獄だったと思います。

 

これは、市民ケーンが作られる前からある「スクリューボール・コメディ」の演出だと思われます。体ではなく、セリフの面白さやテンポや笑いを撮る作風となっていて、とにかくマシンガンのようにセリフが出てくるのが特徴です。

 

 

 

 

今作はセリフ自体が早口で、間がない。英語をフルにマスターしてる人じゃないとついていくのが極めて困難だと言えます。

 

 

 

さらに、そんな昔ながらの早口であるにも関わらず、カットの割りや編集のテンポは今風なのです。つまり、よくわからない情報量がとんでもない速度で流れていくのです。

 

こんなの、、家じゃ見れないでしょうが!!!

 

 

 

 

今作は何を伝えたかったのか?

 

この作品で彼は何を伝えたかったのでしょうか?

 

様々な解釈ができますが、巷では市民ケーンの物語を描いているフリして、現代の民主党にどっぷりなハリウッドを批判しているだとか、色んな噂が飛び交っています。

 

昔のハリウッドを舞台に描いた作品という点で、「ワンス・アポン・ア・タイムイン・アメリカ」のようにも見えますが、今作とはまた状況が異なるのかも。

 

 

www.machinaka-movie-review.com

 

彼らが生きたハリウッドの黄金時代。その時代に起きた重大事件を描くことで、ハリウッドの光と影を描こうとしたのではないでしょうか?

また、

 

「サンセット大通り」や「トランボ」など、ハリウッドの光と影を描いた作品は多くあります。私の中では、こういうジャンルに今作が位置づけられます。

 

サンセット大通り(字幕版)

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また、あえて言及をするのであれば今のハリウッドと政治の関係を皮肉ったとも言えるかもしれません。

 

今作では知事選にて、共和党が勝ち、民主党が負け、映画業界と政党が入り混じってパーティをしておりましたが、、

 

今月行われた大統領選挙でも、共和党と民主党の勝ち負けが逆転しただけで、結局ハリウッドと政治の関係は変わらない、とも見て取れます。

 

  

個人的には、ハリウッドへの批判だとかケンカを売ったというだけでなく、純粋に父との約束を果たしたかったのが今作を撮った最大の理由ではないでしょうか?

 

また、マンキーウィッツとオーソン・ウェルズが歩んだ反映画業界の姿勢は、映画界から姿を消し、Netflixというハリウッドとは相対する場所で作品を撮っているデビット・フィンチャー自身と重なります。

オーソン・ウェルズがRKOに提示された条件:自分の好きなように作っていい、というのはNetflixの制作条件と近く、とても親和性を感じます。

 

 

ちなみに、デビッド・フィンチャーはNetflixとの独占契約を継続し、これからもNetflixのみで作品を作る予定です。

 

これからも俺は映画界に流されず、自分の撮りたいものだけを作っていく。市民ケーンでなく市民ケーンを作った男たちを描くことで、自身の制作に関する意思表明をしたんじゃないかと、考えています。

 

 

 

 

 

まとめ

 

いやぁ、たまたま映画館でやってたから良かったけど、家で見たら絶対に寝落ちモンです。

 

皆さん、上映しているうちに必ず観に行ってください。

 

あくまでNetflixが作っているというだけで、これは映画館で見るべき映画です!!

 

80点 / 100点 

 
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