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映画「マスカレード・ナイト」ネタバレあり感想解説と評価 今作の最大の謎「MDU計画」とは?亀山モデル2.0始動!!

 
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この記事では、「マスカレード・ナイト」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「マスカレード・ナイト」

 
 

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(C)2021 東野圭吾/集英社・映画「マスカレード・ナイト」製作委員会
初めから見る気などなかった。

 

前作「マスカレード・ホテル」が苦手で、 同じ座組で続編を作られても全く興味が沸かなかったからだ。

 

www.machinaka-movie-review.com

 

一方、我が家の朝はいつもめざましテレビで、大好きな女子アナが「マスカレード♪」「マスカレード♪」と呪文のように唱え続けている。

 

どんな魔法に掛かったか知らないが、気づけばマスカレードナイトが楽しみになってきてしまった。

 

これもサブリミナル効果の範疇なのか? テレビ局が作る映画をセルフ宣伝して、なんの商品でもないのに。

 

ただ今だけは、マスカレードナイトは水道水でなく、コーラのように見えて仕方ないのだ。

 

 

内容はいかに。

 

それでは「マスカレード・ナイト」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
東野圭吾のベストセラー小説を木村拓哉と長澤まさみの共演で映画化した「マスカレード・ホテル」のシリーズ第2弾。原作小説のシリーズ第3作をもとに、ホテル・コルテシア東京に再び潜入した刑事・新田浩介と優秀なホテルウーマン・山岸尚美が難事件に挑む姿を描く。警察に届いた1通の匿名ファックス。その内容は、都内マンションで起きた殺人事件の犯人が、大みそかにホテル・コルテシア東京で開催されるカウントダウンパーティ「マスカレード・ナイト」に現れるというものだった。パーティ当日、捜査のため再びフロントクラークとしてホテルに潜入した警視庁捜査一課の刑事・新田浩介は、コンシェルジュに昇進した山岸尚美の協力を得て捜査を進めていくが、500人の参加者は全員が仮装して顔を隠していた。限られた時間の中、素顔のわからない殺人犯を捕まえるべく奔走する彼らだったが……。前作に続き「HERO」の鈴木雅之監督がメガホンをとった。

マスカレード・ナイト : 作品情報 - 映画.com

 
 
 
 
 
 

「マスカレード・ナイト」のネタバレありの感想と解説(全体)

 
 

 

今作が「映画」である事実はどこにもない

Twitterにも書いたが、ブログでも再掲したい。

 

かの有名なドイツの哲学者、ニーチェはこう言った。

 

「事実などない、あるのは解釈だけだ」と。

 

分かっている。

完走の書き出しから、意味の分からない引用をしているのは。

ただ、今だけは戯言とも思えるこの文章に、付き合ってほしい。

 

これを映画と呼ぶのは勝手だ。事実、劇場で大規模に公開されているし、フレームレートも映画のそれと同じだ。

 

ただ、いつもの映画と何かが違う。そして、「映画」という側面だけで見ると、今作の魅力は一気に半減する。

 

これはあくまで私の「解釈」だが、、、

 

これは映画ではない。

 

キャストを見ても皆フジのドラマ、特に月9のドラマで主役を張った、フジ的レジェンド俳優であることは、誰の目からも明らかだろう。

映画はもちろんのことだが、何よりフジのドラマを熟知している。

 

そして今作の監督は、「王様のレストラン」「HERO」などでチーフディレクターを努めた鈴木雅之だ。

 

もう、何を言わんや、何とやら(意味不明)。

 

今作は映画という仮面を被った、フジの月9レジェンド達による、マスカレード・ムービーなのだ。

(つまり、映画ではなくドラマである)

 

そういう視点で見ると、今作の魅力がより倍増、いや10倍増くらいする。

 

インターミッションという仮面を被ったCMを途中で流してほしいくらいだった。

 

さて、そんなマスカレードな映画「のようなもの」について、これから語っていく。

  

 

 

前作と同じ展開...に見えて、確実にレベルアップした脚本

前作と同じく、高級ホテル「コルテシア東京」が舞台。

殺人事件を止めるために全力を尽くす警察たちと、サービスに全力を尽くすホテルマンたち。

人を「疑う」者たちと、人を「信じる」者たちによる水と油のサスペンス。

 

設定は同じなのは、仕方ない。

 

しかし何と、今作は「展開」まで前作を踏襲しているのである。

 

・(具体的な名前は避けるが)犯人は前作と同じく一人で宿泊している女

・復讐劇

・連続殺人犯

・長澤まさみが犯人と二人きりになり、襲われる

 

またしても、この展開なのか。長澤まさみは何も学習してないのか(ホテルマンだから仕方ない)。

 

色々ツッコミたくなるが、今作をドラマとして解釈する私にとっては、いつものお決まりの展開として大変楽しめた。

 

今作も多分に犯人探しが錯綜するので、展開を追いかけるのに頭を使ってられない。犯人は誰かと、謎解きを楽しめるような作りになっている。

 

同じ展開に見えるが、今作の脚本のレベルは確実に上がっている。

 

前作は単純に長澤まさみに対する「私怨」で動いた犯人(松たか子)だが、今作の犯人は「警察」という組織に対して牙を剥く。

過去に妹がレイプを受け、警察の事情聴取(セカンドレイプ)により、自殺したのが恨みを持つきっかけとなり、社会問題を踏まえたスケールの大きな動機として成立している。

もしや今作の脚本家、プロミシングヤングウーマンを見ていたのだろうか?

 

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また、長澤まさみが犯人に殺されそうになり、無事にピンチを脱するシーンも、非常に巧妙なカラクリに仕上がっている。

 

ちょっと拍子抜けしたカラクリなのだが、事前にちゃんと伏線があり、単なる伏線ではなく、ホテルマンである長澤まさみの信念にまで言及している。これは、本当に上手いと思った。

 

前作は点と点が全く線で繋がらなかった個々の客とのやり取りも、今作は「ほぼ全て」の客が有機的な繋がりを持ち、クライマックスにまで波及してくる。

実に素晴らしい。前作のブログで(クライマックスに関係なく客として登場する)菜々緒を罵倒してしまったが、ちゃんと今作のブラッシュアップに貢献していたのかもしれない。

 

「ほぼ全て」と言ったが、唯一の例外は冒頭に登場する宿泊客、田中みな実くらいではないだろうか。

 

彼女はクレーマーとして登場し、部屋からの視界全てに人が映らないようにと事前にお願いしていた「アレ」な客である。

部屋についた瞬間、すぐにクレームを入れ、長澤まさみが対応する。

部屋には人が写った絵画やチラシもない。しかし、田中みな実は少し苛立った声色で、「彼に聞いてみて」と言う。

 

部屋の窓のその先、ホテルの向かいに立つビルが映る。

そのビルの屋上に佇む一枚の広告、そこに人が写っていた。

その人とは、、、何と。。。

 

これ以降は、是非劇場で楽しんでいただきたい。

このシーンを見て、私は心の底から笑わせてもらった。まさかマスカレードシリーズで、「ハッハッハッハッ!!!!!!」と大きな声で笑うとは思わなかった。

 

看板に写った彼も実は、20年ほど前の月9に登場している。。

これを単に映画だと思わないでほしい、月9だと思ってほしいのだ。

 

 

 

 

今作の最大の謎「MDU計画」に迫る!!

さて、本記事の目玉である「MDU計画」について語っていこう。

 

意味が分からないと思う人もいるだろう。「MCU」の書き間違いじゃないか、と思う人もいるだろう。

 

どうせここまで読み進めたんだ、せっかくなら最後まで読んでいただきたい。

 

今作でも象徴的に使われた「マスカレード」=「変装する、見せかける」。

今回は主に仮面武道会といった直接的な意味合いで用いられたが、実はもう一つ大きなマスカレードが隠されている。

 

それが、MDU計画である。

 

読者A「MDU計画なんて聞いてないですよぉおおお」

読者B「え?どこで出てきた?誰、誰が言った?」

読者C「何?何それwww うへっ、早く教えてぇぇ!!」

 

まぁまぁ。そう焦るでない。

時間はたっぷりある。ゆっくり読み進めて欲しい。

 

 

 

最初に断っておくが、MDU計画は完全な私の造語で、今作には一切登場しない。

三菱のブレーカでもない。

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いささか前置きが長すぎたが、やっとこさMDU計画の正体を説明しよう。

 

MDU計画とは、、、

 

 

Masquerade ナイトという映画に見せかけて、

Doramaを作り、フジの月9の主役たちを、

Universeさせる

 

計画である。

 

驚くのも無理はない。誰も想像しえなかった計画なのだから。

 

今作は映画でなく、ドラマだ。しかもフジのドラマだ。

自他共に認めるテレビドラマの雄(だった)月9を、映画で復活させる計画なのである。

MCU作品である「アベンジャーズエンドゲーム」が世界歴代興行収入の1位に輝き、フジテレビの役員たちにも知れ渡ったことであろう。

 

同社のドラマプロデューサーであり、一時期は社長も努めた亀山ナンチャラ氏。

ヒットは飛ばすが内容的にアレな邦画ばかりを大量生産し、「世界の亀山モデル」として邦画界を支えた人物であるが、さすがに次の一手を考えていたに違いない。

 

もちろん、MCUのビジネスモデルは熟知しているはずだ。

 

「何か、ウチにもユニバースを。。。」

 

お台場から帰宅途中、レクサスの車内で彼は頭を悩ませていた。

もう何回通ったか、数えるのを止めたレインボーブリッジ。

どんなランドマークも、全てを手に入れた彼には刺さらない。

ぼうっと夜空を眺めていたその時、いつもは見えにくい大量の星が燦々と輝いていた。

まるで「空から降る一億の星」のように。

 

・・・その時、彼は閃いた。

 

「そうだ!ウチには月9がある! 世界初の月9ユニバースだぞぃっ!!」

 

・・・あとはもう、想像のとおりだ。

 

こうして、MDU計画は始動した。

 

前作「マスカレードホテル」、そして今作「マスカレードナイト」は映画に見せかけたドラマとして制作され、世界初の月9(の主演)ユニバースとしてリリースされたのである。

 

テレビドラマで人気が醸造するのを待つのは、もう遅い。

だからこそテレビドラマという過程を取っ払い、映画化とドラマ化を同時にやろうと画策したのだ。

そして、今週末に「マスカレード・ホテル」が放送される通り、自社で映画化した作品は必ずテレビに帰ってくる。大ヒットした映画はテレビでも高視聴率間違いなし。

映画でヒット+テレビドラマとしてもヒット、の二兎を追うものは二兎も得る方式で勝利を掴む。

マスカレードの終着点は、映画館ではない。フジテレビで放送されるまでが、終着点なのだ。

 

テレビのスケールで見るマスカレードは、本当に面白いし、当たり前だがフジのドラマ的である。これはやはり、テレビドラマだ。

 

テレビドラマ→映画化の「亀山モデル1.0」は終わった。

映画→テレビドラマ化の「亀山モデル2.0」が、ついに始動したのである。

 

 

※念の為断っておくが、上記の制作エピソードは全て空想・妄想である。

 

 

 

出るわ出るわ!月9出身者

 

ここで、いかに今作にフジの月9出身者が多いのかを書いていきたい

 

●新田刑事を演じた木村拓哉「ロングバケーション」「HERO」「プライド」など多くの月9作品に出演している。

●ホテルマン山岸を演じた長澤まさみ「コンフィデンスマンJP」

●捜査一課刑事を演じた小日向文世、梶原善は木村拓哉と同じく「HERO」

●同じく捜査一課刑事、ホテルのドアマンを演じた泉澤祐希は波留主演の「ナイト・ドクター」

●ホテルのクラークを演じた東根作寿英も同じく「ナイトドクター」

●同じくホテルのクラークを演じた石川恋は、福山雅治主演の「ラブソング」

●冒頭、木村とダンスを踊った中村アンは織田裕二主演の「SUITS/スーツ」

●長澤まさみとロス支店行きを競った石黒賢は、竹内結子主演の「ランチの女王」や、長澤まさみと「コンフィデンスマンJP」で共演している

●謎の宿泊客である沢村一樹は、竹野内豊主演の「できちゃった婚」や、「ナイト・ドクター」では主演

 

などなど、挙げればキリがない。

 

ちなみに、前作マスカレード・ホテルに犯人役として出演した松たか子も、月9の常連。特に木村拓哉とは「ラブジェネレーション」「HERO」で共演している。

前作では、ホテルマンとしての長澤まさみに恨みを持って犯行に及んだが、MDU計画を踏まえると、もう少し違った解釈ができる。

「HERO」では木村拓哉の相棒役を北川景子に奪われ、そして今作でも長澤まさみに奪われ、彼女は役者としての長澤まさみも恨んでいた可能性があるのではないか。

 

※本気にする人がいると問題なので念の為言っておくが、100%嘘です。

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

実に面白い月9ドラマであった。

 

頼むから、映画を12分割くらいしてテレビドラマとして放送してほしい。

結構な視聴率、稼げるのではないか。

 

映画としての評価ではなく、ドラマとして評価した方が、今作は何十倍も楽しめる。

 

とにかく、フジテレビが新たに始動した亀山モデル2.0に、今後とも目が離せない。

 

92点 / 100点 

 

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 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 
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