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映画「スパイの妻 劇場版」ネタバレあり感想解説と評価 黒沢清による戦争映画に「隠された」夫婦の熱い愛

 
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この記事では、「スパイの妻 劇場版」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「スパイの妻 劇場版」

 

 

 

はい、まずは黒沢清監督、ベネチア国際映画祭の銀獅子賞、おめでとうございます!!!

 

第二次世界大戦直前、日本のスパイを描く点で「ジョーカー・ゲーム」や、古いですが「陸軍中野学校」を思い出す題材ですね。

 

ジョーカー・ゲーム

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陸軍中野学校

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もう黒澤監督ということで、まったくもって心配しておりません。私はただ、映画館に足を踏み入れるだけです。
 
黒澤監督でスパイものって観たことないんですけど、一体どんな作品になってるんでしょうか。。。

 

それでは「スパイの妻 劇場版」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・2020年6月にNHK BS8Kで放送された黒沢清監督、蒼井優主演の同名ドラマをスクリーンサイズや色調を新たにした劇場版として劇場公開。1940年の満州。恐ろしい国家機密を偶然知ってしまった優作は、正義のためにその顛末を世に知らしめようとする。夫が反逆者と疑われる中、妻の聡子はスパイの妻と罵られようとも、愛する夫を信じて、ともに生きることを心に誓う。そんな2人の運命を太平洋戦争開戦間近の日本という時代の大きな荒波が飲み込んでいく。蒼井と高橋一生が「ロマンスドール」に続いて夫婦役を演じたほか、東出昌大、笹野高史らが顔をそろえる。「ハッピーアワー」の濱口竜介と野原位が黒沢とともに脚本を担当。「ペトロールズ」「東京事変」で活躍するミュージシャンの長岡亮介が音楽を担当。第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞。

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『スパイの妻<劇場版>』90秒予告編

 

 
 
 
 
 
 

「スパイの妻 劇場版」のネタバレありの感想と解説(短評)

 
 

 
 
 
 

非常に面を食らった冒頭

 
1940年の神戸から始まる本作。
 
謎の太っちょ白人が憲兵隊に逮捕されるところが写り、日本がイギリスに対抗する様子を冒頭に映すという点でなんか「ミッドウェイ」を思い出すなぁと、最初はそれくらいに思ってました。
 

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その直後に蒼井優と高橋一生と素敵な夫婦がワイワイキャッキャしていて、どうやら映画を作ってるんですよね。

 

え、なに? スパイの妻だからスパイじゃないの? なんで映画なんか撮ってるの?

 

しかも、高橋一生の本職は福原物産という貿易関係?の仕事で。

 

ますます「スパイ」と関係ない。

 

何度も言うけど、高橋一生は陸軍中野学校ばりにスパイの仕事をしていると勝手な先入観を持っていた私は、非常に面食らった冒頭でした。

 

 

恐ろしい国家機密が分かるまで長い、その理由は?

 
もう一つ面を食らったのが、今作にとって重要な「恐ろしい国家機密」が分かるまでがいびつなまでに長いこと。
 
すみません、監督。
 
私のイメージでは、恐ろしい国家機密の概要くらい、冒頭で教えてくれるのかと思ってました。そして、国家機密の全容を暴くためにスパイの高橋一生と、スパイの妻である蒼井優がタッグを組んでいくような、そんな話かと思ってたんですよ。
 
が、今作は国家機密の内容が分かるのが本編開始から1時間以上あとなんですよね。
 
長い・・・ なぜこんなにも長いのか?
 
非常に不思議な印象を受けました。
 
ただ、よくよく見ていると、この映画は戦争映画でもスパイ映画でもなくて、夫婦の映画なんですよね。
 
タイトルが「スパイの妻」というだけあって、とりわけ蒼井優が主人公となって、戦時下の妻の苦悩と葛藤が絶妙に描かれている作品なんだと、思っています。
 
国家機密自体が重要ではなくて、あくまで国家機密は夫婦間の隠し事というメタファーにもなってるんですよね。
 
夫婦間の隠し事があると信じて疑わない蒼井優演じる聡子は、草壁弘子と優作が不倫しているに違いないと、疑ってやまない。
 
そうした夫婦間のすれ違いなどを観るのが今作の醍醐味なんですよね。
 
もう、私が思い描いていた戦争映画、スパイ映画のイメージは完全に崩れましたよ笑
 
一つスパイ的な要素があるとしたら、戦争映画でもスパイ映画でもなく、夫婦映画ということを隠していた点くらいだと思います。
 
まさか、優作がスパイでも何でもなかったなんて、誰が想像したでしょう。。
 
 
監督、ニクいよ!!!

 

 

 

 

 

独特なキャラ造形は新鮮そのもの

 

今作で印象的だったのは、非常に独特な台詞回し。

 

固定カメラで長回しの長台詞で、役者さんは本当に大変だったと思いますが、言わせてください。

 

なんか妙じゃないですか?(褒めてます)

 

昔の言葉使いをしているようで、実は言葉の端々に現代的な使い方を覚えるんですよ。

「あっ、そうなんですか」みたいな、今どきの話し方も少し違和感があるというか。

 

聡子と優作は日本でも超上流階級の方で、話し方に優雅さを感じるところはあるんですけど、私が知ってる40年−50年代の日本映画とは明らかに違う話し方なんですよ。

 

それに憲兵の佇まいが異様で、もっと偉そうに振る舞ってるのが憲兵ってもんじゃないんですかね?

 

上流階級の人を相手にするから、法人相手だから丁寧な対応してるんですかね?

 

東出くんが分隊長ということも影響してるかもしれませんが、基本的に荒々しさと威厳を感じないんですよね。

 

ただ、フミヨが爪を抜かれるシーンは見るに耐えなかったですけどね。「ぼっけぇ、きょうてぇ」を思い出したなぁ。あと、強引に抜かれるという意味で、「マラソンマン」が頭に浮かびました。

 

 

マラソン マン (字幕版)

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まとめ

想定外の、夫婦映画でした。

 

まさか物語の核心がスパイ活動していたとはね笑

 

戦時下というのは下敷きであって、夫婦間の隠し事と国家機密を結びつけるやり方は本当に見事でした。あくまで自然な流れで、夫婦の関係性を描けていたもんなぁ。

 

銀獅子賞で世界に知れ渡ったわけですから、こういうやり方が今後の戦争映画に増えていくんですかね?

 

分かりやすくスパイの妻だったのは、今作じゃなくて「マリアンヌ」でしたね笑

 

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あと余談ですが、東出昌大くんが優作と聡子の不倫調査に精を出しているのはツボでしたねww

 

すぐに「優作さんは事に及んでないことを確認してます」とかさぁ、不倫の細かい情報を調べてるんですよねw 

 

憲兵という圧倒的権力を使って、人の不倫ばっかり調べている東出くんが本当に面白かったですw

 

80点 / 100点 

 
関連画像

 

 
 
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