こんにちは!
Machinakaです!!
この記事では、「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
目次
まえがき
今回批評する映画はこちら
「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」
間違いなく、今年一番の話題作。そして、一番の興行収入になり得る作品。
もはや社会現象である鬼滅の刃の劇場版が、コロナ禍の今、堂々たる公開!
実は3月公開予定だったんですが、コロナ真っ只中のため公開延期。半年以上たって、ついに公開でございます!!
興行収入100億!?200億!?
すいません、ファンの皆さん。私には興行収入がまっさきに思いついてしまうのです。
映画館が困窮する中、コロナという鬼を倒して、映画館を救ってくれることを祈っております!!!
それでは「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・累計発行部数1400万部を突破した吾峠呼世晴の大ヒット漫画を原作としたアニメ「鬼滅の刃」の劇場版。炭治郎らが無限列車に乗り込む場面で終了したテレビアニメ版「竈門炭治郎 立志編」最終話のその後の物語が描かれる。大正時代の日本。鬼に家族を皆殺しにされ、生き残った妹の禰󠄀豆子も鬼に変貌してしまった炭治郎は、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、鬼狩りの道を進む決意をする。蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちは、短期間のうちに40人以上もの人が行方不明になっているという無限列車に到着する。炭治郎、禰󠄀豆子、善逸、伊之助は、鬼殺隊最強の剣士の1人、煉獄杏寿郎と合流し、無限列車の中で鬼と立ち向かう。
eiga.com
「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」のネタバレありの感想と解説(短評)
映画館を救ってくれて、ありがとう
まず言わせてください。
鬼滅ファンの方、映画館を救ってくれて、ありがとう!!!!
コロナ禍の今、ここまで多くの人が映画館に来てくれたことに、映画ファンの私としてはただただ感謝しかありません。
これで少しでも映画館が潤って、今後の映画館畝位に役立てればどれだけありがたいのだ、と。
最近は「テネット」が多くの観客を集めましたが、やはり今の映画館はアニメが必要不可欠です。というか、アニメがなければ映画館はとっくに潰れています。
鬼滅のファン=アニメファンではないと思いますが、最近公開されたヴァイオレット・エヴァーガーデンやFATE HFⅢを代表するように、日本で一番見られている映画はアニメなんですよね。
コロナ禍で絶望的な観客数。
毎週末は、大スクリーンの目の前でぼっちになって映画を観ている私がそこにいました。
2分の1は、魔法じゃなく事実。普段なら沢山入る映画館がこれだけ過疎化してるのは、映画ファンとしては本当に苦しい日々でした。
そんな鬱憤を鬼滅の刃がバッサリと晴らしてくれたことに、感謝以外の言葉が見つかりません!!
やはり、肩を寄せ合い満席で、ファンたちと一緒に観る映画は本当にかけがえのない時間。
映画本来の楽しさを味わえる、映画館で映画を観る醍醐味を感じられる一作になりました。
鬼滅ファンは、映画館を救ったんだ!
コロナ禍の映画館を救ったのは、君たちだ!!!!
原作未読のオジサンは、冒頭の意味が分かりませんでした
誰かの名前を呼ぶところから始まり、背景は墓。
産屋敷親方が墓を歩きながら、亡き者を憂うシーンから始まります。
漫画原作を読んでない私にとっては、これが初めての無限列車編。
え?列車がメインじゃないの?なんで墓のシーンから映るの?
正直、全く意味が分かりませんでした。
当たり前ですが、ラストを知らない私にとっては「あれ、これどのシーンだっけ?」と不思議に思いました。そうです、原作未読の私にとっては「?」なシーンなのです。なぜ墓場のシーンから始まるのだ、と。
何故なら、原作未読のオジサンはこの時点では、煉獄が登場する(らしい)という情報しか手に入れられてないからです。
が、今作を鑑賞した今の私から見れば、この墓場のシーンを最初に持ってきたのは意味があるんですよね。。
今作は「誰か大切な人が亡くなる話」であることを、冒頭の数秒で物語っているんですよね。
このスマートな演出に、オジサンは鑑賞後になってから心が震えました。
煉獄の壮絶な熱いラストとは対象的に、非常に抑えめな演出で亡き者を憂うあのシーン、、既に結末を知っているファンからしたら、ここで涙を流す人も多かったのではないでしょうか?
アニメからですが、「鬼滅の刃」を映画館という最高の環境で見て改めて感じたことは、残虐描写が多いにも関わらず、今作は「誰も傷つけない、傷つけたくない作品」であると、確信しました。
鬼殺隊と鬼のバトルシーンでも明らかですが、来られる鬼の方にも膨大なバックボーンがあり、物語の中に入れる。最初この演出を見たときは、「ワンピース」の回想シーンなんでしょ?って思っていたのですが、鬼滅のそれは、ただの回想には思えなかったんですよね。
繰り返される過去の回想シーンは、「作者なりの弔い」なんですよね。
原作者の人は、本当にモブキャラ一人ですら殺したくないのでしょう。
(言葉が悪くてすみませんが)、ザコい子どものモブキャラでさえ、なぜ人を襲うのか、なぜ悪事を働くのかを丁寧に説明している時点で、この作品は本当にキャラ愛に溢れているなと、心から思います。
だから、どんなに陰惨なシーンであろうと、どんなに悪事を働いたとしても、必ず性善説でキャラを描いてくれるんですよね。
善か悪かの二元論ではなく、今作のようなキャラクターの描き方は立体的な人格形成に成功していると思うんです。
突然ですが、オジサンに社会を切らせてください。
今やねぇ、マスコミやSNSではいつでも誰かを悪者呼ばわり。二元論がはびこる世の中ですよ。若者はどうか知らないけど、オジサンはTwitterで悪口を書かれてるのが辛くてしょうがないのよ。
最初に良いもの呼ばわりした人が、その翌日には炎上して悪者扱い。善か悪の2通りでしか語れない今の世の中を、鬼滅の刃でバッサリ切ってくれるのよ。
悪者になるのも、ちゃんと理由がある。
善者になるのも、ちゃんと理由がある。
煉獄があそこまで熱い男になるのも、炭治郎がブッダのように優しいのも、ちゃんとした背景があるんです。ここまで登場人物を立体的に見せている作品は、他にないですよ。
改めて鬼滅のキャラの描き方に、オジサンは感動しました。
劇場で改めて感じた、鬼滅のアクション的魅力
北斎の絵画のようだと表されている炎や水の表現ですが、これは「ストップモーションアニメ」のようだとも思えました。
流体をまるで個体のように見せる手法は、ストップモーションで炎や水を表現する方法と似ているというか、、、 。
鬼滅の刃を見て感じるのが、とにかく強さを「速さ」で描いていることが印象的ですよね。
ドラゴンボールでサイヤ人同士の超速バトルを見ているクリリンが唖然としているように、今作では強い=早いが鉄則なんですよ。
つまり、このストップモーションのような水・炎の表現というのは、キャラの動きが早すぎて観客にはゆっくり見える→ストップモーション的なコマ送りになる→北斎のような画になる、ことが暗示されているのはではないでしょうか?
また、今作を見て思い出したストップモーション映画としては、海外のメーカーが日本の時代劇を描いたアニメ「KUBO」や、ストップモーション風に撮ったCGアニメ「LEGOムービー」などがあります。
YOU GET TO BURNING!
今作のテーマを一言で表すなら、「YOU GET TO BURNING!」が一番ふさわしいと、原作未読のオジサンは思いました。
熱血漢である煉獄との唐突な出会い、早すぎる別れというのは、オジサンの私としては1996年のアニメ「機動戦艦ナデシコ」にて主人公アキトの師匠的存在であった「ガイ」の最後を思い出します。
煉獄と同じく、「炎」のイメージがぴったりなキャラクターで、実際に技もゲキガンフレアという炎技なんですよね。
今作の主題歌であるLISAの「炎」にも煉獄と炭治郎たちの思い出が綴られていますが、
個人的にはやはり、機動戦艦ナデシコの「YOU GET TO BURNING!」の歌詞を強烈に思い出しました。本当に偶然だと思うのですが、今作と歌詞が一致しすぎて、怖いくらいです。
特にねぇ、「すぐ手に入る夢なんて夢じゃないよ」とか、「その破片を集めて 明日を目指す」とか、「BURNING」とかねぇ。。
もしかしたらですが、原作者の方はナデシコに影響を受けたのではないですか!?
すぐ手に入る夢なんて夢じゃないよ
でもかならず叶うと 信じてるよ
くじけない 君が好き....
泣きたい時 あるなら
傍にずっと ずっと いるから
YOU GET TO BURNING
その破片を集めて 明日を目指す
勇気、見えるよ To be...
Going your day's. Grow UP!!
話を鬼滅の刃に戻しますが、 今作で一番印象に残ったのは、死にゆく煉獄から炭治郎たちに贈られる激励の言葉で、師から弟子へと受け継がれる鬼殺隊の伝統、そして煉獄の生き様そのものを炭治郎たちは継承したと思うのです。
そう、まさにYOU GET TO BURNING!!=燃えろ!!頑張れ!!という熱いメッセージが込められている映画でしたよね。
鑑賞中に思い出した映画
・カメラワークはufotableイズムを継承
列車の特性を活かしたアクションとカメラワークが素晴らしかったですね!!
列車の形状は細長く、アクションをしようとしても広範囲に動けない。かといって屋根を出てしまうと無限列車の意味がなくなる。
そんな成約の中、列車の細長さを生かして、「奥行きのズームを活かした」カメラワークを見せてくれるんですよね!
煉獄の長い刀が最も長く見えるように、後ろから刃渡りをナメるように撮る。
狭い列車がとてつもなく広く見えるようにする工夫が素晴らしいと思いました。
また、善逸の「脚を溜めてからの超速移動」による攻撃方法などを見ていると、同じくufotableの「Fate/stay night」を思い出しましたね。
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・列車の映画といえば
映画全体ですが、アニメ24話の最後につながる無限列車が出てきて、終始列車内で物語が進んでいくのは、ポン・ジュノ監督の「スノーピアサー」を思い出さずに入られませんでした。
この映画では煉獄の炎とは真逆の「氷」の世界の中で列車が永久に走っているのですが、もしかしたら原作者も影響受けたのかなぁ。。
・夢の中に入るといえば
また、他人の夢の中に入る設定を見て思い出したのは、やはりこちらの映画。まさかノーランと鬼滅が結びつくとは。。
・水に落ちるといえば
夢の中に入り、水に落ちるシーンはやはり、スカイフォールやシェイプ・オブ・ウォーターを思い出しました。
・明治と大正、人間と非人間
鬼滅の刃の設定を見ていてすごく感じたのが、「サクラ大戦」ですねー。
大正という時代、ハイカラな衣装、剣撃、悪の組織とその成り立ち、すげぇサクラ大戦に影響受けてるんじゃないかなぁ。
まとめ
映画好き自称しているオジサンが鑑賞しても、問題なく鑑賞できる作品でございました。
アニメを一周しているといっても、漫画は未読。
もちろん、無限列車編は初めての状態でしたが、初めてだからこそ煉獄の最後に衝撃を受けて、熱い魂を受け取ることが出来ました。
最後に言わせてください。
続きが気になる!!!!!
95点 / 100点
以上です! ご覧いただきありがとうございました!