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映画「劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III(HF3)」ネタバレあり感想解説と評価 終戦の日に贈る聖杯戦争の終結 / なぜ桜の頬に赤紫の模様が刻まれたのか

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
Twitterもやってます!
 
 
 
この記事では、「劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III. spring song」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III. spring song」

 
 

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(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
www.machinaka-movie-review.com

 

 
待ってました!!
 
コロナウイルスで公開延期が相次ぐ中、今作だけは無事に期日通りに公開・・・という訳にはいきませんでしたね。洋画邦画ともに上映中止が相次いだ中、最後の最後まで公開スケジュールに記載されていたのをいまだに覚えております。確か公開前々日くらいまで公開予定されてなかったんじゃないかな?
 
結果的に、3月末公開のはずが8月15日と真夏日にまで引き伸ばされてしまいました。
 
そして、ようやくの公開。
 
もう一度言わせてください。
 
 
待ってました!!
 
 
 
思えば、約10年前のアニメFate/ZeroからFateの大躍進が始まったような気がする。今はFGOが日本で一番売れているスマホゲームとなり、もはや国民的コンテンツと言っても間違いではないだろう。
 
Fateという、もともとはPC媒体のエロゲーから始まったコンテンツが、ここまで大きくなるとは、誰が想像しただろう。そして、そのエロゲーの中の一つの分岐として用意されていたのが、今回の桜ルート。「Heaven's Feel」というカッコよい題材はあるが、ゲームとしてはあくまでも「ルート」という位置付け。
 
繰り返すが、、よくぞここまで!!!
 
これもひとえに長年TYPE-MOONを追いかけてきたファンのおかげ。私は初期アニメのFateを見て以来、たかだか10数年だが、TYPE-MOON作品を愛でてきた。
 
HFもこれで最後!最後の最後まで、俺は桜の味方でありたい。
どんな試練が待ち受けてようとも!!!
 
・・って見る前から絶賛してしまいそうな勢いですが、あくまで公平に!中立な立場で鑑賞したいっ!!
 

 

それでは「劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III(HF3)」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじと見どころ

  
・TYPE-MOONの大ヒットPCゲーム「Fate/stay night」をアニメ映画化し、原作ゲームでヒロインのひとりである間桐桜を通して「聖杯戦争」の真実に迫るシナリオルート「Heaven's Feel」を描く3部作の第3章。魔術師(マスター)と英霊(サーヴァント)が万能の願望機「聖杯」をめぐって繰り広げる「聖杯戦争」。間桐桜は自らが犯した罪とともに、闇に溺れてしまう。彼女を守ると誓った衛宮士郎は遠坂凛と共闘し、聖杯戦争を終わらせるべく過酷な戦いに身を投じる。一方、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは闘争の真実を知る者としてその運命と向き合い、間桐臓硯は桜を利用して自らの悲願をかなえようとする。アニメーション制作はufotable、数々のTYPE-MOON作品のアニメ化を手掛けてきた須藤友徳が前2作に引き続き監督を務める。

eiga.com


 


Fate/stay night Heaven's Feel III. - Spring Song Official Trailer #1

 
 
 
個人的には「紫色」が基調となっていると思います。ここまで紫色がメインに映る映画も珍しいですよね。
 
詳しくはTwitterで語っているが、桜だからこそ紫が似合うし、紫以外考えられないです。
そんな思いがポスターにも現れていて、本当に感動します。
 

 
 
それでは映画の感想でっす!! 
 
 
 

「劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III(HF3)」のネタバレありの感想と解説(短評)

 
 

 
 
 

終戦の日に贈る聖杯戦争の終結

 

コロナにより3月末から8月のど真ん中の公開日にシフトしてしまい、思うような時期に公開できなかった本作。

 

当然のごとく、私以上に待ちわびていたファンも大勢おり、8月15日を楽しみに待っていた方も多かったのではないでしょうか。

 

それを証明するように、初日の朝イチでも会場は満席!間隔を一個ずつ空けての鑑賞にはなりましたが、熱量は本来満席の会場と変わらない気がしましたね。

 

 
そんな状況の中鑑賞しましたが、主要人物の一人である「桜」のイメージに併せて、桜色をモチーフにした色使いが多く、ラストシーンでも桜が満開の中に桜が佇んでいる描写があり、3月末公開ということを強く意識した作品になっておりました。
 
実際の公開は8月15日となってしまい、あたりを見ても桜が咲いておりませんが、僕の心のなかには凛と佇む美しい桜が咲いています。
 
本当にHF3作品、そしてFate/StayNight, UBW, Fate/Zeroを追いかけてきて良かったと思える、Fateシリーズを締めくくるにふさわしい作品であったと思っております!!
 
今作はHF1, HF2で配置された伏線を一気に回収するかのように、桜と凛の姉妹対決、士郎と言峰の男の戦いなど、「戦い」が映画の大部分を占める内容になっていて、全ての戦いに決着をつけ、聖杯戦争の最終決戦という位置づけになるでしょう。
 
本作は作り手の想定通り3月には公開できませんでしたが、Fateの全ての戦いが終わるという意味で、終戦の日である8月15日に公開されたことも運命のめぐり合わせなんじゃないかと思うほどでした。
 
(もちろん、3月末に公開されるのがベストだったんでしょうけども、8月15日という今日に公開されることに付加価値・プレミア感を与えたい意味合いで発言しております。)
 
 
 

善悪二元論の中で揺れ動く桜

 
主要人物の誰もが聖杯戦争という大きな枠組みの中でもがき、苦しみ、明日の自分を見出すために戦っていく様子を見ているだけで、本当に心が痛くなる。
 
特にこれまで壮絶な人生を送ってきた桜が、トドメと言わんばかりにアンリ・マユという最悪のサーヴァントに取り込まれてしまい、無差別殺人を繰り返しこの世の全ての悪を背負ってしまう話は壮大で、それを阻止する無鉄砲の正義感である衛宮士郎を応援するには十分なヴィラン設定となっておりました。
 
アンリマユは、善悪二元論で有名なゾロアスター教の大魔王アンラ・マンユを元にしており、勧善懲悪の「悪」の方として位置づけられている存在。
 
 
桜の視点だけで観ると闇落ちした陰鬱な展開のみで終わってしまうのですが、桜とは対象的な正義漢である士郎のエピソードも加わることによって、善と悪の対立が強調される展開になっていたのも印象深いです。
 
この悪:桜、善:士郎という対立構図こそが、アンリマユを代表としたゾロアスター教の経典原理である「善悪二元論」を象徴しているように思えました。
 
 
 
そんな悪のアンリマユに汚染されながらも、もともとは清く正しく美しい最高の通い妻である桜の本性が対立しあい、士郎の名を出すたびに揺れ動いていく感情変化も見ていてアツかったですね。こういう描写がゾロアスター教にはない見どころというか、生身の人間が災難に遭っているからこその、善と悪に分けられない葛藤が見れるんですよ。
 
桜は間桐の虫ジジイに利用された可哀想な存在であり、闇落ちしてしまうのも仕組まれた罠だったのは言うまでもありません。 
 
しかし、桜は単に「利用された可哀想な存在」というだけではなく、姉の凛に対する並々ならぬ嫉妬心と憎悪が加わっていることで、桜の心理描写に大きく深みを与えていると思いました。
 
桜の凛に対する並々ならぬ想いは、誰かと常に一緒にいたいという感情を想起させる。とにかく、桜には愛が足りないんですよ。これに尽きる。
 
親にも、姉にも、兄にも、誰からも愛想を尽かされ、疎まれる存在であった桜は、唯一の希望である士郎を想い、恋をしていくのは無理もない話。
 
HFⅡで衛宮士郎に超急接近する展開も、桜のバックボーンを考えれば納得なんですよね。

 

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今作によって、闇の深淵にいた桜が救われました。

 

最後にみんなと花見をする時に、桜がふと上を見上げると満開の桜が桜を包み込んでいく、、あのラストシーンは正直予想が付きました。ベタでしたが、、、泣きましたわ・・・

 
 

ラストで白線を越えた意味は?

 
満開の桜に包まれた桜が映るシーンの後、士郎と桜が手をつないで白線を越えるシーンがあり、映画は終わります。
 
ゲーム版ではなかったシーンでしたが、これにはどんな意味があったのでしょうか。
 
白線を中心に置きローアングルなカメラワークを見て、「君の名は」にて電車のドアとホームの境界を乗り越えるシーンや、三葉の部屋に入る時に襖がクローズショットになるシーンを思い出しました。
 
「君の名は」では、線を超えるシーンは「次元を超える」や「運命を乗り越える」という意味が込められていました。また、線自体に「運命」や「宿命」という意味が込められていたのです。
 
瀧と三葉が山手線ですれ違うシーンは、予め敷かれたレールが運命や宿命のメタファーになっており、線と線が結びつかない=二人が出会う運命にはならないことを暗喩しています。
 
 
この文脈を踏まえると、今作で士郎と桜が白線を越えたのは、二人に刻まれていた運命宿命を乗り越えて、新たな一歩を踏み出したという証拠になるシーンであったと思います。
 
そして、これまでのシリーズで一貫したタイトルである「Fate」=運命宿命を具現化したのが、ラストの白線であると感じます。
 
TVアニメのFate / stay night、UBWの放送を終え、最後を締めくくる今作のHeaven's Feel編。Fateの最後の最後を締めくくり、新たなFateの物語を今後続けるためにも、あの白線を越えるシーンは必要不可欠だったのではないでしょうか?
 
 
 
 

冒頭から観客を絶望に叩き落とす

 
もう冒頭からオールスター登場ですよね。
 
前作HFⅡの直後から始まり、士郎、セイバー・オルタ、闇落ち桜、凛、イリヤ、そしてライダーと、主要人物が一堂に会する。冒頭からもうクライマックスなんじゃないかと思うほど、サービス全開の内容でございました。
 
この中で桜を倒せそうなのは桜の姉である凛しかいない、しかし凛は桜に魔術により黒十字のテーブルクロス攻撃によって縛り上げられ、沈黙。
 
桜を倒せるものは誰もいない。同じくセイバーを倒せるキャラもいない。
 
主要人物のオールスターをいきなり出しテンションを上げさせたと思った途端、一気に絶望に叩きつけるという、ジェットコースター的な躁鬱の激しさが際立つ第1幕の始まりでしたね。
 
これを冒頭にやっているからこそ、もはや消去法的に言峰綺礼に頼る展開も納得できるし、言峰綺礼が心強く、カッコよく見せる演出に繋がっているのかなと思いました。
 
イリヤをさらいに行く時の言峰綺礼、一言一言が「甘〜〜〜〜〜い!!」セリフの連続でしたね。男の私も惚れてしまいそうなくらいでした。
何回「私・・」を重ねるんだってツッコみたくなるほどのワタシ重ねトークも魅力出来でございましたっ!!
 
 
 
 

女性主体のアクション活劇が映える!

 
前作でも目を見張りましたが、セイバー、桜、ライダーといった女性陣のアクション活劇が本当に見事でしたね!!!
 
現代になって女性主役のアクション映画というものが増えてきておりますが、Fateは遥か前から女性を中心に据えた戦いを繰り広げてたんですよ。
そう、ハーレイ・クインよりはるか前に。。
 
ただ、今作と現代の女子アクション映画と徹底的に違うところは、女性ならではの妖艶さと優雅さを持ち合わせていた点にあると思っています。
 
闇落ちした漆黒のセイバー・オルタにおいても、女性らしさを表す大きなロングスカートは残されているため、戦闘中に大きくスカートが揺れて服装でもアクションの激しさを伝えているんですよね。
 
また、開眼したライダーも持ち前の長髪を揺らしながら戦うことで、男にはない動きが加わるんですよね。
 
さらに、戦闘中常に「風」を流したようなエフェクトを加えることで、服や髪が舞っているように見える。配色も赤や紫を基調としていることで、服装が女性らしい赤や妖艶さを表す紫が際立って見えるのも素晴らしいんです。
 
HFシリーズを見てアクションに圧倒された方も多いと思いますが、女性が女性らしい美しさ残して戦わせているという工夫があってこそ、アクションを楽しめたかと思います。
 
 
 
 

色めがね映画評論「なぜ桜の頬に赤紫の模様が刻まれたのか?」

 
気になったのは、桜やセイバーオルタの体に刻まれた赤黒いシミのようなもの。
 
基本的に今作のカラーリングにおいては、赤・黒・紫が「敵=悪」をイメージさせ、「闇落ち」と称するにふさわしい配色が事細かく施されています。
 
この赤・紫・黒の配色を見て思い出したのが、スタジオジブリ制作「もののけ姫」での「穢れ」表現。
 

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(c)ジブリスタジオ 「もののけ姫」 1997
 
赤や黒など、「出血」「攻撃的」「全てを吸収する」といったイメージに加えて、紫色により「妖艶さ」や「異物感」のイメージを与えることに成功したと言えるでしょう。
 
また、桜の人生を振り返ると、幼少期に祖父の間桐臓硯によって虫地獄にさらされ(Fate/Zeroでの個人的トラウマ)、兄の慎二に強姦され、そして最悪のサーヴァントアンリマユに体内を侵食されてしまいました。
 
文字通り「穢れ」を受け続けてきた桜を表現するには、「もののけ姫」のような強烈な穢れの配色のように赤・黒・紫でカラーリングすることがベストだったのではないでしょうか?
さらに、純白と青の衣装が際立つセイバーにおいても、闇落ちしたことと桜に操られていたことを表すために桜と同じカラーリングを施すことも、的確な配色だったと思われます。
 
また、桜の頬に赤紫色の模様が刻まれていますが、この模様とカラーリングから「もののけ姫」のサンを思い出しました。サンは普段真っ赤な模様を両頬とおでこに装飾していますが、穢れに触れた時、体を赤・黒・紫に染め上げられてしまいます。
 
穢れに侵食されるサンを救うべく立ち上がる正義感の強い青年アシタカは、どこか衛宮士郎と重なるところもあり、今作を見ているとどうしても「もののけ姫」を思い出してしまうのでした。
 

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(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

 

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(c)ジブリスタジオ 「もののけ姫」 1997

 

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  • 発売日: 2014/07/16
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まとめ

 

もう、文句のつけようがないラストでございました。

 

主要人物の全員にスポットライトを当てながらも、中心人物の桜を常に写す、桜をスターに見せる演出もお見事でした。

 

今作の公開によって、桜も少しは救われたらいいな。

 

様々な「穢れ」を背負ってしまった桜ですが、好きな人と結ばれ、姉とも復縁し、もう順風満帆とはこの事ですよね。。

 

これが春に公開される予定だったことを考えると、作り手はなんて策士なんだ!!!

 

本当に本当に、Fateシリーズを追いかけてよかったと思います。

 

といっても私、課金するのが怖くてまだFGOを一回もやっていないというね笑

 

・・・近いうちに始めまーす。

 

90点 / 100点 

 
関連画像

 

 
 
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