Machinakaの日記

新作映画の情報・批評を、裏ネタ満載で包み隠さずお届け




映画「オールド OLD」ネタバレあり感想解説と評価 老化した子供が最後シャマランになる予想が見事に外れた件

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
Twitterもやってます!
 
 
 
この記事では、「オールド」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「オールド」

 
 

f:id:Machinaka:20210826174249p:plain

(C)2021 Universal Studios. All Rights Reserved.

 

 
ハマる人にはとことんハマる、 Mナイトシャマラン。
 
ハリウッドの中でも異端の存在。
孤軍奮闘で90年代からコンスタントに商業映画を出し続ける実力者の持ち主であると同時に、作家性が強すぎて意味不明に思えるシーンも多い。
 
前作「ミスター・ガラス」では、監督の過去作のキャラクターが集結する「シャマラン・ユニバース」なるものを打ち出した。一体、誰が得をするのだろうか。
アベンジャーズが流行ったから、俺もアッセンブルさせとくか、みたいな皮算用で企画されたようにしか思えない。
 
シャマラン好きには申し訳ないが、私には意味不明だった。
 

www.machinaka-movie-review.com

 

 

しかし、シャマラン好きが世間に多いのも事実で、少し苦手意識のある私も、常に劇場に顔を出している。

 

予告編が本当に素晴らしく、ただ急速に年を取っていく姿にワクワクしてしまった。

 

それでは「オールド」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
「シックス・センス」「スプリット」のM・ナイト・シャマラン監督が、異常なスピードで時間が流れ、急速に年老いていくという不可解な現象に見舞われた一家の恐怖とサバイバルを描いたスリラー。人里離れた美しいビーチに、バカンスを過ごすためやってきた複数の家族。それぞれが楽しいひと時を過ごしていたが、そのうちのひとりの母親が、姿が見えなくなった息子を探しはじめた。ビーチにいるほかの家族にも、息子の行方を尋ねる母親。そんな彼女の前に、「僕はここにいるよ」と息子が姿を現す。しかし、6歳の少年だった息子は、少し目を離したすきに青年へと急成長していた。やがて彼らは、それぞれが急速に年老いていくことに気づく。ビーチにいた人々はすぐにその場を離れようとするが、なぜか意識を失ってしまうなど脱出することができず……。主人公一家の父親役をガエル・ガルシア・ベルナルが演じ、「ファントム・スレッド」のビッキー・クリーブス、「ジョジョ・ラビット」のトーマシン・マッケンジー、「ジュマンジ」シリーズのアレックス・ウルフらが共演する。
 
 
 
 

「オールド」のネタバレありの感想と解説(全体)

 

 
 

シャマラン史上、最高傑作

  
とにかくもう、最高でしかない。
鑑賞中、最初から最後まで、
「最高だぁぁぁあああああ!!!!!!」と心の中で叫んで、思わず声に出したくなるほどだった。
 
前作「ミスターガラス」とは一線を画す、完全な単体スリラーもの。
リゾートホテルに行った家族がプライベートビーチに入った瞬間、急激な老化現象でもがき苦しむという、アホな中学生が鼻くそをほじりながらノートの端くれに書いたような素っ頓狂な設定を、今作では最大限映画という形で表現していた。
 
想像して欲しい。このプロットで、ユニバーサル配給を獲得できたのだ。
プロデューサーも監督も出演も兼ねたシャマラン、本当に頭が下がる。
 
肝心の本編は、ザ・スリラーと言わんばかり!最初から最後まで息つかせぬ展開の連続で、色んな粗が目立つけども全力で駆け抜けたシャマラン印100%の極上エンターテイメントだった。
 
細かいツッコミポイントは山ほどある。
まるで空気の抜けたタイヤで自転車を走らせるように、ガタガタと不安定に突き進む映画であったが、それはそれで印象に残り味が出る。
 
要は、シャマランに惚れた。惚れてしまった。一日中シャマランの映画を観る日が会っても良いと思えるくらい、大好きになった。
 
どんなトンデモ映画が出てきても、今後は全部受け止められる気がする。
今作の全てが好きだ。嘘じゃない。
 
ただ、この記事がただのシャマラン好きの戯言として思われるのは、耐えがたい屈辱でもある。
だからこれから全力で、今作の魅力を掘り下げていきたい。
 
 
 
 
 
 

老化現象の多様な見せ方が素晴らしい

 
急激な老化という超常現象が今作の生命線だが、その特徴を最大限活かし、映像にした点が実に素晴らしい。
 
予告編にあった通り、子供のトレントが急激に成長してパンツがきつくなったシーンも良かったのだが、それは氷山の一角に過ぎなかった。
 
タイトルが「OLD」、予告編にも少年が成長するシーンがあり、「老化」のみに注目してしまったが、それは今作の老化現象の本質的意味をカモフラージュするための戦略だったのだ。少年の成長は、老化現象に関する一種の試金石だった。
 
急激な老化とは急激な時間の経過に他ならない。
時間が経てば、細胞が死なない限り外傷も癒える、逆に腫瘍も増大する。目が見えなくなり耳も聞こえなくなる。記憶力も弱くなる。些細な行動が命取りになる。
老化現象ばかり期待していた私にとっては、目にウロコの超常現象ばかりだった。
 
トレントの家族と同じくビーチに迷い込んだ家族の中に、トレントと同じ年くらいのカーラという女の子がいたのだが、彼らが中学生くらいにまで成長した時、なんとトレントとカーラは「行為」を始めてしまうのだ。
 
トレントやカーラの父母は、ただでさえ急激な成長に理解が追い付かないのに、なんと事を致してしまうとは。その後、もっと衝撃的な展開が待ち構えているのだが、それは劇場で確かめて欲しい。
 
とにかく、急激な老化と急激な「行為」に面を食らった。
その時思わず、「うへぇ・・」とキモい吐息を漏らしてしまったのは、このシーンとは一切関係のないトーマサイン・マッケンジー演じるマドックスの水着に興奮したからに他ならない。
 
また、老化するのは子供だけじゃない。大人も子供たちと同じスピードで老けていく。基本的には、子供と比べて地味な変化に終始するのだが、一番面白かったのはカーラの母の老化。
 
妙齢の女性は笑えないかもしれないが、中年女性であるカーラの母は短時間で劇的に老けていき、夫に「メイクしろ」と言われてしまう始末。正直、メイクどころじゃないとツッコみたかった。
 
老化した彼女は洞窟に引きこもるが、トレントとマドックスの前に再び現れ、まるでホラー映画のモンスターのような容姿で二人を襲うのだ。
哀れな老女の姿をモンスターのように見せるとは、、なんて素晴らしい想像力なのだろう。同時に女性に対するデリカシーのかけらも感じられないのだが、それは目をつぶっておくとしよう。
 
しかし、老女に不幸が訪れる。大きな岩が落ちて彼女の体が完全に粉砕。
その隙を見て逃げる二人だが、老女はすぐに復活し二人を襲う。
しかし、様子が変だ。まるで還暦からヨガにハマったマダムのように、神秘的なヨガポーズをキメたまま傷が完治してしまう。
 
その時マドックスが「変な位置で治ってる!」と叫んだのだが、思わずツボに入って10秒ほど笑い転げてしまった。周囲は鬼婆に戦々恐々としている中、私の声だけが響き渡る場内。。一切の後悔はない。アメリカなら大爆笑だろ、こんな面白いネタは。
 
このように、恐怖と笑いが混じったシーンは、衝撃かつ笑撃が私を襲ったのだ。
 
他にも多くの老化現象が見れたのは、今作の白眉だろう。
 
 
 
 

シャマランが当たり障りのない挨拶をした理由

 
 
本編前に、いきなりシャマランが出てきて、「僕は映画館の大きなスクリーンで見せるために映画を作ってるんだ」的な、何とも当たり障りのない挨拶をかましてきた。
 
シャマラン映画ではお決まりだったかもしれないが、もはや記憶がない。
こんな形で監督が登場したのは本当に久しぶりで、驚いたと同時に「とっとと映画見せろ」とイラっとしたのが本音だった。
 
ただ、今作を最後まで見た人なら分かる通り、あのシャマラン挨拶シーンには大事な意味がある。
 
シャマランは劇中にも登場するのだが、なんと今作のキーとなる重要な役回りとなっている。しかも、キャラクターの動きを外から観察しているキャラクターであるため、監督であるシャマランと相性が抜群なのである。
シャマラン自身が主人公たちを観察・監督している立場であることを、本編前の挨拶シーンで強調したかったのではないか?
 
また、ほとんど記憶に残らないような当たり障りのない挨拶文も、トリックの一部であると考えている。
彼の顔を覚えるのが目的なだけ、他に印象を与えないように、絶対に記憶に残らない挨拶文を推敲したのではないか?
 
考えすぎかもしれないが、私にはそう思えた。
 
 
 

 

細かい点を挙げればキリがないが

 

細かい点には目をつぶりたいが、そうはいかない読者の方もいるだろう。

 

そのために、私が感じた細かい点について、いくばくか書き記しておきたい。

 

・トレントはなぜ一発で行為ができたのか?

一番おかしい点だ。なぜやり方をマスターしていたのだろう。この謎を解明しない限り、今作を鑑賞した童貞諸君たちの魂が救われない。

 

私の考えでは、6歳ながらもAvgleやPornoHubなどの動画サイトのヘビーウォッチャーであり、既にやり方を熟知していたと思われる。あるいは、太平洋を越えてビーチに辿り着いた「ふたりエッチ」を手にしたのかもしれない。

 

別の観点では、カーラが床上手だった可能性もあるが、それについて深く言及しない。

「心身ともに成長した」とのセリフがあるが、なんて嘘くさい言葉だろうか。

動物的本能だけで完璧に出来るのなら、「ふたりエッチ」は無用の長物に成り下がってしまうだろう。

 

・サビで傷つけた謎

問題ばかり起こす医師が、トレントの父にナイフで切りつけるシーンがある。トレントの母は医師に仕返しをするために同じナイフを使用するのだが、トレントの父は無傷で、医師はサビの毒作用で即死する。

同じナイフであれば、トレントの父も即死すべきではないだろうか?

比較的時間経過の浅い血がサビになって初めて毒になるのだろうか?

少し理解が追い付かなかった。

 

・ちょうど良い場所に攻略本なんて置かないで

脱出する方法が分からなかったトレントとマドックスは、偶然にも過去に囚われた人たちによる手記を発見する。

これによってサンゴ礁を抜ける作戦を思いつくのだが、実に納得できない発見場所である。

ちょうど困っていた時に、攻略本のような手記が見つかるだろうか?

海辺に落ちている本といえば、だいたいは古びたスポーツ新聞か良い所で成人雑誌だろう。

 

・いくらなんでも老化は無茶過ぎる

 

そもそも論なのは分かっている。しかし、磁場の特異点を使って老化が進むとは、一体全体何の学術資料を参考にしたのだろうか?

 

老化の現象については詳細に教えてくれるが、仕組みは一切説明してくれない。まるで精神と時の部屋のようなブツなのだ。

 

老化の仕組みを説明しないわりに、サビで人が死んだりする科学的トリックを使っているのが、ダブルスタンダードに思えて仕方ないのだ。

 

 

・マウス実験を知らないのか?

 

最先端の製薬に取り組む研究員の面々。あと、仏頂面で研究所を闊歩するシャマラン。

彼らの野望が今作の全てを引き起こしたと言えるが、なぜ彼らは人間で実験をしたのだろう?

 

マウス実験を知らないのだろうか? 犬も老化して死ぬのだから、人以外の動物でも実験可能だろう。だったらなぜ、マウス実験をしなかっただろうか?

 

シャマランはネズミが苦手なのか・・・? いや、、はぁ?

 

 

 

私が考えたOLDのラストをネタバレ

最後に、私が考えたOLDのラストをネタバレしたい。当然ながら、今作の展開とは一切の関係がない。

 

主人公のトレントは老化し、おじさんに変貌してしまう。

水面でふと自分の変わり果てた顔を見た時、衝撃が走る。

なんとトレントの顔は、ビーチの運転手だったシャマラン本人に成り代わっていた。。

 

心身ともにシャマランにシンクロするトレント。岩の上で観察するシャマランも異変に気付き、居ても立っても居られずビーチの中に。

ここに、シャマランvsシャマランの頂上対決が誕生ぉぉ!!

俺による、俺のための、俺の映画。これぞシャマラン魂ぃぃいいいい!

 

果たして、どちらのシャマランが勝つのか!?

 

乞うご期待!!

 

ちなみに、主人公のトレントがインド系に見えてしまったのが災いしている。なんとなく、そんな妄想を抱えたまま映画を楽しめた。見事に外れてしまったのだが。

 

 

 

 

まとめ

 

映画の完成度もさることながら、筆がノリに乗った記事になった。

 

本当にシャマラン監督には頭が下がる。

 

これを機に、シャマラン映画マラソンをしてみたい。

 

※完全な余談だが、見ず知らずの砂浜に連れてこられ、薬の実験のために使い捨てにされる主人公たちは、まるでス―サイドスクワッドの冒頭のように見えた。ジェームズ・ガンとシャマランが繋がった瞬間だった。
おそらく、というか絶対に偶然なのだが。 
 

 

96点 / 100点 

 

f:id:Machinaka:20210716010226j:plain

 
 
 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 
© 2015,machinaka.hatenablog.com