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映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」ネタバレあり感想解説と評価 国は救えど己を救えぬ、儚き男女のクロスポイント。

 
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この記事では、「るろうに剣心 最終章 The Beginning」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「るろうに剣心 最終章 The Beginning」

 
 

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(C)和月伸宏/ 集英社 (C)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会
 
finalの鑑賞から、まだ一月程度。
 
 
 
るろ剣がついに、終わる。
しかも、始まりの物語で。

 

 

終わりが始まり、なんと(良い意味で)引っかかる言葉だろう。

 

広告的には大正解、そしてるろ剣を知っている人にはご褒美。

 

なぜなら、一番最初の剣心が、一番強烈なのだから。

 

人斬り抜刀斎の頃の剣心を味わいに行ってきます。

 

それでは「るろうに剣心 最終章 The Beginning」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
和月伸宏の人気コミックを佐藤健主演&大友啓史監督で実写映画化し大ヒットを記録した時代劇アクション「るろうに剣心」のシリーズ完結編となる2部作の第2弾。原作では緋村剣心が過去を語る形式で物語が進む「追憶編」をベースに、剣心が不殺の誓いを立てるに至るまでの物語と、彼の頬に刻まれた十字傷の謎に迫る。剣心に復讐するべく東京を総攻撃した上海マフィアの頭目・縁との壮絶な戦い。その理由は、剣心が「人斬り抜刀斎」と恐れられていた幕末へとさかのぼり、剣心が自らの手で斬殺してしまった妻・雪代巴の存在、そして十字傷の謎へと繋がっていく。かつての剣心の妻・巴を有村架純、シリーズ史上最恐の敵となる縁を新田真剣佑がそれぞれ演じる。緋村剣心役の佐藤健、神谷薫役の武井咲、相楽左之助役の青木崇高、高荷恵役の蒼井優、斎藤一役の江口洋介らおなじみのキャストも再結集。

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「るろうに剣心 最終章 The Beginning」のネタバレありの感想と解説(全体)

 

 
 
 

過去最高!「ありえない」オープニング

 
冒頭、まさに絶体絶命の状態から始まる。
 
敵に手を縛られ、相手は多数。こんな危機的状況はいままでなかった。
 
いつ殺されてもおかしくない。
 
今作でるろ剣は終わると宣言されていたが、まさか開始2秒で終わってしまうのか。
予告編の方が長かった。なんてこった。
 
しかし、そんな私の心配は杞憂に終わった。
 
なんとワンピースのゾロのごとく、口で刀を加えて敵を一蹴。
 
 
これまでのるろ剣アクションの中でも群を抜いて突飛で奇抜。
それでいて剣心の強さが際立つ名シーンで、鳥肌が立った。

 

原作やアニメでは、剣心をはじめとして現実的にはありえないアクションのオンパレードだった。

 

実写版でも、原作・アニメのアクションをいかに再現するか、いかにして剣心の特異性を表すのかが作り手の課題だっただろう。

 

その課題を、良い意味で「口だけ」で片づけたのは、見事としか言いようがない。

 

ちなみに、もう一つ「口だけ」で相手を制したシーンがある。

 

なんと相手の耳をガブリ。

 

まるでレクター博士のような耳噛みに、たじろぐしかなかった。

ちなみにこの「口撃」は、今作で最初の剣心の攻撃である。

  

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今回は剣心が(幕府側にとっては)凶悪な抜刀斎であり、殺人その他残虐な行為が繰り広げられると予想したのだが、まさか最初が耳ガブだったなんて。

 

いかに今回の剣心が人間離れした存在なのか、際立たせるシーンだった。
 
 
 

感情のない男女の静かで精緻な会話劇

 
毎度のごとく、アクションだけでなく会話劇も見逃せない。
 
正直、長ったらしい会話劇は苦手なのだが、今作は他の作品とは圧倒的に異なる点がある。
 
剣心と巴。いずれも感情を完全に押し殺して会話しているのだ。
 
2人とも既に大切な人を亡くした状態で出会い、特に巴にとっては剣心は憎き敵。
 
そうした事情も踏まえてか、巴を演じる有村架純は口角を微動だにしない。
 
女優の美しさを説明する時に、「まるでお人形さんみたぁぁい!」と表現することがあるが、今回の有村架純はまさに人形の様だった。良い意味で、生きた人間には見えなかった。
 
後半で明らかになるが、まさに「操り人形」としていいように使われた巴の結末を考えると、感情を抑えた演技は必須であったと感じる。そして、有村架純は見事に体現して見せていた。
 
一方の佐藤健も負けていない。「バクマン」の頃より、喋らない演技(=受けの演技)が素晴らしいと思っていたが、今回はその演技力に磨きがかかっていた。

 

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当然ながら、この二人の会話劇は頻繁に行われ、そして長い。

 

だが、普段とは明らかに異なる異質な会話劇によって、私は作品の世界観に吸い込まれてしまった。

 
最小限の口の動きと表情。動かせる所が究極に限られた状態なのだが、細かい目の動きや視線など、細かい芝居が堪能できる良い機会だった。
 
特に、巴が剣心に向けて人斬りの是非を問う会話シーンでは、巴が遠い目をして剣心は目を下に向ける。
 
表情がなくとも、目の動きで何を考えているかがよく分かる。
 
普段なら、感情たっぷりに熱弁するキャラクター達。だが、今回は声も小さく感情もない。細かい演技のポイントを、是非とも味わってほしい。
 
お二人、本当に見事でした!!
 
 

 

 

 

国は救えど己を救えぬ、儚き男女のクロスポイント

 

そして今作の物語は、過去作のように規模の大きなものではなく、極めて個人的なものだったように感じる。

 

今作のターニングポイントは、「幸せを巡る物語」であることだ。

 

剣心は何度も「幸せ」という言葉を多用する。

 

「人を斬るのは、新たな時代で多くの人が幸せになるため。」

 

と、人を斬る理由として「幸せ」を用いていることからも、今作において非常に大切な言葉である。

 

巴と出会い、人斬りの是非や幸せの定義について考える巴。

そして、巴の結婚相手を斬ったと分かった剣心は、彼の中での「幸せ」の定義が完全に崩壊する。

 

人を斬ることが他人の幸せにつながると信じていた剣心。

新たな時代のために要人を斬ったことが、  まさか巴の不幸せに繋がってしまうとは。

 

確かに剣心の人斬りによって、新たな時代が築けたことは確かだ。それによって不特定多数の人が幸せになったのかもしれない。

 

しかし剣心の半径2メートルにいる人は、不幸せになってしまった。

そして己自身も、幸せになれない。

 

国は救えど、己は救えぬ。

 

なんてアンビバレントな出来事なのだろうか。

 

高橋一生が演じる桂小五郎も、「矛盾した正義を剣心に背負わせた」という旨の発言をしている。

 

剣心は、このような社会の不条理を一度に背負っている。

だからこそ、剣心の一挙手一投足に重みを感じるのだろう。

 

人を斬ることが幸せという剣心と、相反する考えの巴。

その二人の思考が交差したのが、あの十字傷に込められていたのかもしれない。

 

愛しているのに、お互いを傷つけてしまう。今作はまるで「and I love you」のようだった。

 


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長尺による最大のメリットとは?

 

今作は2時間半弱と、なかなかの長尺映画であることは誰も疑わないだろう。

しかも、もはやこのシリーズの特徴と言ってもいい長い会話シーンも多く含まれている。

 

しかし、それには理由があるように感じる。

 

これまで長い会話劇が続くと退屈にしか感じなかった私だったが、初めて長さの意味について考えるようになったのだ。

 

それは、生きることの長さと死ぬことの短さ、この長さと短さの「落差」こそが、今作では際立ったように感じる。

 

特に、冒頭で剣心に殺されてしまう巴の結婚相手、窪田正孝演じる清里に焦点を当てると分かりやすい。

 

非常に出番が少なく、すぐに剣心に殺されてしまう清里。

しかし、その時間の短さこそが、剣心と巴が一緒にいた長さを際立たせている。

 

るろうに剣心の物語は、彼の死から始まったと言っても過言ではない。なぜ彼を殺してしまったのかを時間たっぷりに描くからこそ、人生の儚さが見えてくる。

 

 

 

その他所感

 

アクション

過去作と同じように、やたらと低い姿勢で剣戟をする剣心と沖田総司。同じく居合いの達人だからか、今までに見たことないアクションで良かった。

 

個人的には、低い姿勢でアクションを始めることによって、下段→中段→上段と立体的なアクションをしようと挑戦したのではないかと感じた。

 

 

焚火S〇X

 

剣心と巴が初めて交わるとき、何故か焚火が長時間映される。

 

OVAではガッツリな濡れ場が見れるのだが、今作は諸事情を勘案してか、焚火を性行為の象徴として見立てていた。恋が燃え上がったという、象徴だったのだろうか?

 

ちなみに、焚火が出た時に思わず爆笑してしまった。

 

 

まとめ

 

大満足。予想以上に楽しませてもらった。

 

私はリアルタイムで10年間追いかけてきたわけではない。

 

もっと言えば、ここ数カ月で実写シリーズを駆け足で観た立場である。

 

なので宣伝でさんざん言われているような、10年間の重みは自分は持ち合わせていない。

 

ただ、もう一つ宣伝で言われていた「日本映画史を変えた」という文言は、嘘ではなかった。

 

感情を持ち合わせていない二人の静かなる会話劇、常識を疑うような奇抜なアクション。どれをとってもこれまでの日本映画には「異物」の存在だ。

 

今作は「完結」という言葉が徹底されているが、「完結」とは完全に終わったことを意味するものではない。

 

完結とは、、

続いていた物事などがすっかり終わること。また、終わってまとまること。例:「連続ドラマが完結する」「完結編」「自己完結」

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%AE%8C%E7%B5%90/

 

という意味である。つまり、ひとまとまりになることも完結なのである。

 

今作のラストで、最初の実写版るろ剣のオープニングが流れるあたり、まさに「完結」を象徴した作りになっている。

 

時系列的に何となく分かっちゃいたが、感動しないわけがない。これで本当に、「完結」したんだと感じた。

不思議と寂しさがないのも、終わりと始まりを同期させるような作りがあったからだろう。

 

大友監督、そしてスタッフ・キャストの皆さん。

 

10年間、本当にお疲れさまでした。

 

 

 

 

93点 / 100点 

 
関連画像
 
 
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