Machinakaの日記

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映画「バンブルビー」ネタバレあり感想解説と評価 ガッツポーズの意味とは?絶対にブレックファストクラブ観とけ!!

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
この記事では、「バンブルビー」のネタバレあり感想解説と評価記事を書いています。
 
マイケル・ベイの手から離れたバンブルビー。RottenTomatoesでは超高評価で、まだ信じられない状況です。
トランスフォーマーなのに、ですよ!?
 
一体どんな内容になってるんでしょうか。。
 

 

 
 目次
 
 
 

[はじめに]

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
Twitterもやってます!
 
 

 

今回批評する映画はこちら!

 

「バンブルビー」

 
 

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(C)2018 Paramount Pictures. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS, and all related characters are trademarks of Hasbro. (C)2018 Hasbro. All Rights Reserved.
今年になって最も期待していた映画の一つです。
 
たかだかトランスフォーマー。そして謎のスピンオフで何故かバンブルビーが選ばれた。
 
絶対つまんねぇだろ、誰が見るんだよ。って思いきや、まさかアメリカの批評家から大絶賛。観客からの信頼も厚く、間違いなく今年を代表する傑作に。
 
商業映画で、ここまでのクオリティはまずありませんよ。しかもトランスフォーマーシリーズで、ですよ?
 
今回はマイケル・ベイでなく、トラビス・ナイトが監督ということで、どんな仕上がりになってるんでしょうか。
 
マイケル・ムーアじゃねぇよ!!ならぬマイケル・ベイじゃねぇよ!!なトランスフォーマー作品です。どれだけベイ色が抜けてるのか、楽しみで仕方がありません。
 

それでは、「バンブルビー」感想・解説、ネタバレありでいってみよー!!!!  

 

 

 

 
 

作品情報

 
・大ヒットSFアクション「トランスフォーマー」シリーズの人気キャラクター、バンブルビーを主役に、シリーズの始まりを明らかにする物語。シリーズ1作目の主人公サムとバンブルビーが出会う以前の1980年代を舞台に、バンブルビーと人間の少女チャーリーの交流と友情、彼らに待ち受ける予想外の運命を描く。
・父親を亡くした悲しみから立ち直れずにいる少女チャーリーは、18歳の誕生日に小さな廃品置き場で廃車寸前の黄色い車を見つける。すると突然、その車が人型の生命体へと変形。
・驚くチャーリーを前に逃げ惑う生命体は、記憶と声を失って何かに怯えていた。チャーリーは生命体を「バンブルビー(黄色い蜂)」と名づけ、匿うことにするが……。
・アカデミー賞にノミネートされたアニメーション映画「KUBO クボ 二本の弦の秘密」で知られるトラビス・ナイト監督が、自身初の実写映画監督として手がけ、「トランスフォーマー」シリーズでは初めてマイケル・ベイ以外の監督がメガホンをとった。少女チャーリーを演じるのは、女優・歌手として人気を集めるヘイリー・スタインフェルド。。

eiga.com

 
 

映画の感想

 
まさかトランスフォーマーシリーズで泣かされるとは・・・ 
上映後に一番前に座っていたおっさんからの鳴り止まない拍手にも納得。思わず俺も拍手。
 
ロボと人間の友情を、家族とのわだかまりを、クラスメイトたちとスクールカーストを、ひとまとめにすると「青春」のひとときを見事に切り取った大傑作。 
 
全く喋れず、まるでペットのようなバンルビーが愛おしくてたまらない。可愛い。好き。ロボという無機物をこんなに人間のように見せることができるのも、アニメーション監督の力だからこそ!!
 
ストーリー、アクション、メッセージ、全てが完璧すぎる、誰もが楽しめるトランスフォーマーに昇華してたぞ!!! 
 
 
絶対にブレイクファストクラブは見てから行くこと!!!
 

 

 

 

 

 

ロボと人間の胸熱バディムービーがようやく!

 
鑑賞前はトランスフォーマーという先入観をぬぐいきれず。
 
どうせ派手なアクションばかり詰め込んでくるんでしょ? てか、それだけでしょ?
 
今までマイケル・ベイの映画について記事を書いてきました。
 

 

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が、やれ「清潔感がない」とか「なんか疲れる」とか、「このシーン必要?」みたいな感想ばかり。とりあえず派手な映像見せてくれて嬉しいけど、とにかく「深みのなさ」にかけては一級品だなぁと思ってましたよ。

 
・・・って思っていた俺がバカでした。
 
バンブルビー、本当に面白かったです。
 
トランスフォーマーのスピンオフの本作「バンブルビー」ですが、何でここまで評価が高いのか? 
 
見た状態の今なら、その理由を容易に答えることができます。
 
それは「人間のロボの心理描写が巧みに描かれている」こと
 
・・なんか、当たり前のことを言って申し訳ないです。
 
でも、今までのトランスフォーマーって、決して心理描写なんでちゃんと描けてなかったんです。
 
バンブルビーとチャーリー(ヘイリー・スタインフェルド)が心を通わせ、時には笑い、時には怒り、苦楽を共にしたバディムービーとして高い完成度を出せたからこそ、二人に感情移入ができたんです。
 
以下の画像はサントラから拝借しましたけど、
 
トランスフォーマーシリーズで夕日が似合うなんて、今までありましたか!?
 
 
この哀愁漂うバンブルビーこそ、新たなトランスフォーマーシリーズの幕開けなのですよ。
 
 
とにかく、今作のバディは、キャラが立ちまくっている。
冒頭は、きちんと主人公の背景を丁寧にかつスマートに描いて、キャラクターに感情移入する手助けをしてくれるんですよ。
何度も何度も言いますけど、トランスフォーマーでこんな親切に描いてくれるのも珍しいですよ。
 
チャーリーは愛していた父を亡くし、バンブルビーはトランスフォーマーのいる惑星から一人地球に孤立することになり、とにかく二人は「大切な人をなくした」状態。非常に不安定な状態なんです。
 
チャーリーは父の形見である車を直し、走らせたい。そうすることで、父を思い出すことができる。
一方のバンブルビーは、オプティマスプライムと合流するために地球でなんとか生き延びねばならない。
そんな二人が思わぬことから出会い、互いの足りない部分を補っていく。
 

二人はバディじゃないと、生きていけない。

 

人間と非人間のバディ映画としては、ヴェノムなんかもありましたけどね、もうバンブルビーはヴェノムなんかと比べ物にならない、非常にクオリティの高いものでした。

 

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二人が出会うに至るまでの背景を丁寧に丁寧に描き、出会うのは偶然でなく必然と思わせることができている。チャーリーじゃないと、バンブルビーはバディを組めないんです。

 

この用意周到な心理描写・背景描写があってこそ、心からチャーリーとバンブルビーのバディを堪能できるわけです。

 

俺、こんなにヘンリー・スタインフェルド(チャーリー)が可愛いと思ったことないですよ!キュンキュンしましたよ!!

 

バンブルビーと出会う前の彼女は、もうスウィート17モンスターまんまなんですよ!まぁ、なんかの偶然か必然か、チャーリーは18歳の女の子で、もうすぐ家を出て行く年齢なんですよねw

もう若気の至りというか、若さゆえの過ちというか、若さゆえのイタさというかねw

 

ameblo.jp

 

とにかくチャーリーは自分勝手で、家族と仲良くなろうともしない。父が亡くなったのはショックかもしれないけど、それはお母さんだって弟だって同じ。

家族の中で一人だけ、まだ彼女は過去から立ち直っていないんです。

 

しかし、バンブルビーという親友と出会い、家族の呪縛から解き離れていくチャーリー。

自分の道を、トランスフォーマーの車に乗って切り開いんていくんですよ。

今作は一人の少女の成長物語という点に昇華していたのが、何よりも嬉しくて。

 

歌手活動でも有名なヘンリー・スタインフェルド。

 

そんな彼女がエンドクレジットで歌う歌が「Back to Life」=「生き返る、元通りにする」という歌を歌ってるんです。

 

Back to Life

Back to Life

  • ヘイリー・スタインフェルド
  • サウンドトラック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 

バンブルビーとの出会いで人生に活路が開かれ、新しい自分として生まれ変わる。

チャーリーは18歳で実家を出て、独り立ちしていく年齢。自分の殻に閉じこもっていたチャーリーをバンブルビーが大人にする。

トランスフォーマーとの激しい戦いは、まるで子供が大人になるハードルの高さのメタファーのような気がしてなりませんでした。

 

なんでトランスフォーマーで熱くなってるんだ、俺ww

 

とにかく、スウィート17モンスターを楽しんだ人なら絶対に好きな映画だと思います!!!

 

 

 

 

トランスフォーマーらしからぬ、スマートな人物描写

 

さすがはアニメーション出身の監督、トラビス・ナイト。

 

普通の監督ならですね、チャーリーとバンブルビーの人物描写を丁寧に描くなんて出来ないわけですよ。しかも今回の上映時間は114分という短さ。

 

話を進めるためにも、限りなく人物描写を省略して省略して、派手なシーンばかり見せとけば売れるし満足度は高いでしょうって戦略練るのが妥当ですよね。

しかもチャーリーとバンブルビーは、人間同士でもないし住んでる星も違うし全く異なる時空間に生きてる二人なんですよ。

だから余計に時間がかかる。

 

でも今作は、本当に短い時間で心理描写をきっちり描いているんです。

 

例えば、チャーリーが初めて映画に映るシーン。

朝8時、メタルTシャツを寝巻きにして起床するチャーリー。

非常に雑な歯磨きをしている最中に、好きなメタルの音楽が流れてきたら歯磨き中にも関わらずドラムを妄想で叩く!

一通りドラムを楽しんだら、水の代わりにリカルデント的な薬で口をゆすぎ、歯磨き粉を吐き出すシーンもちゃんと入れる。

 

このシーン、わずか10秒たらずでしたが、彼女の趣味や性格を的確に表現しているんですよ。

 

歯磨き粉をちゃんと吐き出すシーンを入れることで、彼女は言いたいことをズバズバ言って、口から毒を吐きまくるようなヤツなのかなぁって想像をこちらにさせてくれるんですよね。

 

うまいんですよ、こういうところが。

 

あまりセリフで語らずに、服装や仕草でちゃんとキャラを説明してるのが、すごく上手だと思いました。

 

 

 

 

バンブルビーに喋らせない代わりに

 
スマートな語り口といえば、バンブルビーも同じ。
 
バンブルビーは最初は喋れるんですけど、システムエラーによって会話が出来なくなる。ただしリスニング能力は健在で、どうにかチャーリーに自分の気持ちを伝えようとする。
 
でもどうやって伝えるの?紙に書いて?ジェスチャーで?
 
正解はなんと、車に積まれているカーステレオから流れる音楽のフレーズをつなぎ合わせてセリフにすること!!
 
トランスフォーマーの特性を活かして、まさかのカーステレオww これは思いつかなかったww

 

Bumblebee (Motion Picture Score)

Bumblebee (Motion Picture Score)

 

 

チャーリーがバンブルビーに質問すると、急にカーステレオのラジオの周波数が左へ行ったり来たり・・・
なんとラジオから流れる一つ一つの音を取って、回答文を作ってるんですよw
 
そしてつなぎ合わせたように「ヤぁ、ちャ〜あ〜リ〜」みたいに返事をするw
 
いちいちセリフを話すたびに、気が利いてるんですよw
 
てかこれ、曲を探すのもすごく大変だと思うんですけどww

こういう気の利いた配慮こそ、より良い映画を作るんだと思います。

 

一生懸命音を探して話すバンブルビー、、、僕はビーちゃんって言ってますけどね。ビーちゃんが可愛いんですよ、本当に。

 

予告でも流れてたけど、家をぐしゃぐしゃにしちゃうシーンも本当に最高で。

 

チャーリーにばれたくないから、ソファーの裏に隠れようとするんですけど体がデカ過ぎて即バレっていうねw

 

これ、おそらくトランスフォーマーの世界だと通用したんでしょねw システムがショートして子供になっちゃったバンブルビー。子供の頃の記憶が残ってて、すぐ隠れればいいでしょって小学生的な発想をしちゃうんですよw

 

こらっ、ビーちゃん!!! もう、ビーちゃんったら!!

 

心の中ではビーちゃんが愛くるしくて仕方ありませんでした。

 

やっぱり簡単に話せないキャラクターということで、粗相をしてしょんぼりするビーちゃんはペットに見えてくるんですよね笑

 

 

 

ガッツポーズの意味は?バンブルビー観る前に絶対に観るべき映画とは

 
そして本作で一番驚いたことは、このガッツポーズシーンがしきりに流れていたこと。
 
そしてバンブルビーもこのシーンに感化されて、何度もガッツポーズをやる始末。
 
 
 

 

これ、映画好きの人なら、あるいはアメリカ人なら絶対にわかったと思うんですけど、映画「ブレックファスト・クラブ」のラストシーンですよね。

 

 

 

アメリカの青春ドラマ映画の傑作と言われている映画です。監督はジョン・ヒューズ。

 
このブレックファスト・クラブはですね、初めてアメリカの学校におけるスクール・カーストの実態を暴いたドラマとして有名なんですよ。
日本映画だと、「桐島、部活やめるってよ」で有名ですが。
 
 
 
ちなみに、ラストのガッツポーズは、どれだけスクールカーストのレベルが違う人同士でも、仲良くやっていこうぜ、明日学校で会っても話しかけてくれよ、俺を忘れないでくれよ、スクールカーストなんかに負けないぞってメッセージが込められてるんですよね。
 
バンブルビーでこのブレックファストクラブを扱い、オマージュを捧げてる意味は、どれだけ住んでる世界が違っても、俺のことを忘れないでくれってバンブルビーがチャーリーに捧げる素敵なサヨナラソングに聞こえるわけですよ。
 
バンブルビーの惑星にはスクールカーストがあるか分からないですが、少なくともチャーリーのいるアメリカにはバンブルビーとチャーリーが一緒にいるのは非常に違和感があるわけです。
 
ブレックファストクラブではヤンキーと引きこもりが仲良くなるだけでも大変だったのに、人間とロボですよ今作はwww
 
ただ、そんな見た目も人種も(ってか人でもないw)違った二人でも、いつまでも君と繋がっていたいんだというメッセージがビンビンに伝わってきました。
 

 

 

ちなみに、ブレックファストクラブを引用した映画で有名なのは「ピッチパーフェクト」なんかもあります。

 

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背中にBFGの文字

少し気になったんですけど、チャーリーの服の後ろに「BFG」って文字が印字されてたの見てました?
 
まぁ直接このBFGに触れないんでどうでもいいっちゃあいいんですけど。
 
ただBFGという文字を見てピンときた映画が、「BFG ビッグフレンドジャイアント」
 

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少女と巨人の友情を描いた児童文学を、あのスピルバーグが映画化した作品です。

 

まさかこのBFG-ビッグフレンドリージャイアントって、バンブルビーのこと言ってる?

 

BFGにおける少女と巨人の関係を、今作ではチャーリーとバンブルビーの関係に置き換えている?

 

多分関係はないと思いますが、そこまで計算してたらマジで監督すげぇなと。細かいところまでこだわってるんだなあと感動したのでした。

 

 

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