- まえがき
- あらすじ
- 「シャン・チー テン・リングスの伝説」のネタバレありの感想と解説(全体)
- 過去作見なくても大丈夫!MCUはここからどうぞ!
- 今作の「多幸感」の正体とは?
- MCUの今後を理解するためにも欠かせない作品!
- 驚異的なアクションの交通整理力
- 真のMVPはシャンチーじゃない?!
- まとめ
まえがき
今回批評する映画はこちら
「シャン・チー テン・リングスの伝説」
「ブラック・ウィドウ」は最近公開されたものの、あくまでMCUの歴史としては過去のもの。
今回のシャンチーによって、新たな歴史が刻まれるのだろうか。
「ロキ」や「ワンダビジョン」などMCU正史に関係しなそうでしそうなドラマ作品が多かっただけに、今作で何か関係が結ばれるのか楽しみで仕方がない。
それにしても、ようやくアジア人のヒーローが登場したのか。嬉しくてたまらない。これもひとえに、東アジア(主に中国系)の映画がアメリカで売れたのが大きなポイントだろう。オークワフィナは今作に出演するようだが、彼女が出演したハリウッド映画が今作を大きく後押ししているように感じる。
一昔前だったら、ありえなかっただろう。
同じアジア人の私としても、アジア人のヒーローはとても嬉しい!!
それでは「シャン・チー テン・リングスの伝説」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・「アベンジャーズ」シリーズを中心にマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を展開するマーベル・スタジオが、最強の力を持ちながらもそれを封印してきた心優しきヒーロー、シャン・チーを主人公に描くアクション大作。犯罪組織を率いる父に幼いころから厳しく鍛えられ、最強の存在に仕立て上げられたシャン・チー。しかし心根の優しい彼は自ら戦うことを禁じ、父の後継者となる運命から逃げ出した。過去と決別し、サンフランシスコで平凡なホテルマンとして暮らしていたシャン・チーだったが、伝説の腕輪を操って世界を脅かそうとする父の陰謀に巻き込まれたことから、封印していた力を解き放ち、戦いに身を投じる。「アイアンマン」シリーズなど、これまでのMCU作品で名前が登場していた犯罪組織「テン・リングス」の謎が明らかにされる。主人公のシャン・チー役には中国系カナダ俳優のシム・リウが抜てきされ、トニー・レオン、オークワフィナ、ミシェル・ヨーら実力派俳優が共演。「黒い司法 0%からの奇跡」のデスティン・ダニエル・クレットン監督がメガホンをとった。
「シャン・チー テン・リングスの伝説」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#シャンチー 」鑑賞!
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2021年9月3日
アジア人中心のキャラ、カンフーやワイヤーアクションを多用し、中国のファンタジー要素で贈る!これまで「輪」の外にいたアジア人MCUがついに来たぞ!
一方向に交通整理されたアクション、オークワフィナの鋭いツッコミ、緊張と緩和の構成。MCUの一つの到達点がここに!! pic.twitter.com/xew6B4MR6Y
過去作見なくても大丈夫!MCUはここからどうぞ!
今作の「多幸感」の正体とは?
MCUの今後を理解するためにも欠かせない作品!
#シャンチー の多重円が表すように、今後のMCUはマルチバース(多次元世界)構造を基礎とする。「ワンダビジョン」「ロキ」「What if」も同じく、この構造がベース。
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2021年9月3日
要は高校数学で習うベン図だ。これまでAやBの部分しか見てこなかったものが、今後はAかつBを見ることになる。ただそれだけだ。 pic.twitter.com/TnvnKHK30x
驚異的なアクションの交通整理力
今作のアクションはゆったりとしたテンポでカットの割らない、非常に見やすいものに仕上がっているのだが、なんと言っても交通整理力が素晴らしい。
今作は極力、1方向にアクションの軸を定め、一度も渋滞や衝突することなくアクションを見せているのだ。
冒頭のバスでのアクションからその片鱗が伺える。
一つの狭い通路しかないバスの構造を活かして、1方向のみで奥行きのあるカンフーアクションを見せてくれる。
その後も、中国へ渡り、テンリングスから逃げるためにビルを落下しながら戦うアクションも、狭い足場を利用して一方向のバトルに仕上がっている。また、ビルから落下しながら戦う場合も垂直に一方向だけなので、どのキャラが何をしているか非常に分かりやすい。
これにより、カットを割る必要もなく分かりやすいアクションが見れる。分かりやすいアクションとはつまり、純粋なアクションの凄さを堪能できる時間と直結する。
他のMCU作品は、やたらとカメラがぐるぐる回り、キャラクターが360度自由に動き回るおかげで、カットが増えて何が何だか分かりづらくなる。本当に不愉快なシーンが多いのだが、今回のアクションは本当に見やすい。
3次元の世界なのに、あえて1次元に絞ってアクションを見せているのだ。
マルチバースで多次元的な世界を描いている一方で、アクションを表現する際は次元を減らしている。この工夫がたまらない。
真のMVPはシャンチーじゃない?!
アジア人キャストによるヒーロー映画が公開できたのも、MCUとは関係ない過去の作品でアジア人キャスト・監督が活躍したからに他ならない。
近年でアジア人キャスト・監督での成功が目立った最初の作品は、3年前に公開された「クレイジーリッチ」だと記憶している。
www.machinaka-movie-review.com
また、「フェアウェル」もミニシアターでわずかな公開から口コミで伸び、アジア人によるハリウッド映画の存在感を示した。
www.machinaka-movie-review.com
そして、DCEUではアジア人監督によって「ハーレイクイーン」が撮られ、アジア人キャストも大抜擢された。
www.machinaka-movie-review.com
これらの作品によって、オールアジア人のハリウッド映画でも商業的に成功することが証明されたのだ。シャンチーは、これら先人のアジア人ハリウッド映画の延長線上にいる。
そして、これらの作品にすべて出演しているのが、今作でケイティを演じたオークワフィナだ。
確かに、ダークゲートの怪物を倒してヒーローとなったのは、シャン・チーかもしれない。
しかし、真のヒーローはオークワフィナだ。彼女がいなければ、シャン・チーの脚本すら生まれなかったかもしれない。彼女の貢献は計り知れない。
「フェアウェル」「ハーレイクイーン」「クレイジーリッチ」、アジア人キャスト・監督によって成功したハリウッド作品には、必ずオークワフィナがいた。
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2021年9月3日
彼女の活躍がアジア人の信頼を勝ち取った。その延長線上に、#シャンチー がある。
真のヒーローは、シャンチーではない。
オークワフィナだ。 pic.twitter.com/S7EtBF6UYZ
まとめ
MCU関連の作品をすべて見なきゃいけないじゃないか。。が、作品が面白すぎて他の作品も見たくなるって、王道のやり方すぎてぐうの音も出ない。
・・・これからも面白い作品を頼みます。
96点 / 100点