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映画「ナイブズ・アウト」ネタバレあり感想解説と評価 大人のお茶漬けを紅茶かけて食べてるような映画

 
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この記事では、「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」のネタバレありの感想と解説(全体)

 
 

 

今回批評する映画はこちら!

 

「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」

 
 

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Motion Picture Artwork (C) 2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.



最近の映画界では、色んな意味で有名になった、いや有名になってしまった映画監督がいる。

 

ライアン・ジョンソン。自身のオリジナル脚本に加え映画監督も兼任する技量を持つ、実力派の映画作家である。

 

彼を有名にしたのは、紛れもなく「スターウォーズ 最後のジェダイ」

 

映画の評価は今になって言うつもりはないが、当時はスターウォーズの名前よりも「ライアンがさぁ!!」「おいライアンよ!!」と、怒号とも等しい恨み辛みがネットで叫ばれていたのが記憶に新しい。

 

こんな紹介の後に言いづらいが、実は今でもEP8肯定派ではある。。

 

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そんなライアンが撮った作品が、今作「ナイブズ・アウト」
 
しかし、まだ世論はライアンを許してなかった。「ライアンだから」「恨みがあるから」と言った声が上がっているのも事実で、ファーストデイにも関わらず足が止まる人が多いようだった。
 
ライアンが「悪漢」だと許せない人は、是非とも同日公開の「バッドボーイズ」をご覧になっていただくとして。そろそろ本格的な批評に入るとする。
 
 
今作はミステリーのジャンルに入り、推理がメインとなる映画。
映画を「静」と「動」に分けるのであれば、間違いなく「静」が目立つ作品。
 
会話劇が多く、推理シーンではどうしても回想が多く入ってしまうのも個人的には苦手で、楽しめなかった「オリエント急行殺人事件」の二の舞になるのではないかと、怖がっている自分もいた。

 

オリエント急行殺人事件 (字幕版)

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  • 発売日: 2018/02/23
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しかし、 蓋を開けてみたら、これぞ娯楽!これぞ週末に見たい映画!と堂々と胸を張って言える良作であった。
 
過度なコメディ要素もなく、会話劇がこんなにも面白く感じる映画は珍しい。
 
あっと驚くトリックがありながらも、基本的には淡々とした推理が積み重なっていく。
しかし、推理の合間に垣間見える名優たちの演技合戦に顔がほころび、思わずクスッと笑ってしまう。
 
最後の種明かし以外は、思った以上に過激なことは起きないし、会話劇が多いし、とても「大人な」映画である。
 
Fワードが連発するも、映像と編集はサラッと流れるかのようなクセのなさこそが、飽きずに推理を楽しめるコツなのだろうか?
 
しかし、鑑賞後は誰もが面白かったと両手を上げて楽しめる作品なのは間違いない。実際に、上映後は「面白かったー」と自然と声が漏れていた。
 
日本映画の父、牧野省三は言った。
映画に大事なのは、「一スジ、二ヌケ、三ドウサ」
 
練りに練られた脚本と、脚本に合ったクセのない撮影、そして役者の演技を堪能する、なんとも大人な映画だと感じる。
 
例えるなら、
キャラのクセがない「犬神家の一族」
あるいは、大人のお茶漬けを紅茶かけて食べてるような、そんな映画だ。
 

 

コテコテのソースをトンカツにかけて食べるのも良い。激辛ラーメンを食べるのも良い。

 

しかし時には、サラっとした食べものも胃に優しいものだ。

一度食べれば夢中になり、気づけば満足感を得ているのは間違いない。

 

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン監督が、アガサ・クリスティーに捧げて脚本を執筆したオリジナルの密室殺人ミステリー。「007」シリーズのダニエル・クレイグ、「キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ」シリーズのクリス・エバンスら豪華キャストが顔をそろえる。世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビーの85歳の誕生日パーティーが彼の豪邸で開かれた。その翌朝、ハーランが遺体となって発見される。依頼を受けた名探偵ブノワ・ブランは、事件の調査を進めていく。莫大な資産を抱えるハーランの子どもたちとその家族、家政婦、専属看護師と、屋敷にいた全員が事件の第一容疑者となったことから、裕福な家族の裏側に隠れたさまざまな人間関係があぶりだされていく。名探偵ブラン役をクレイグ、一族の異端児ランサム役をエバンスが演じるほか、クリストファー・プラマー、アナ・デ・アルマス、ジェイミー・リー・カーティスらが出演。

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クセのない「犬神家の一族」

 

・資産家の遺産が血縁以外の人間に渡ろうとする

・遺産を争う家族の醜い様を表す

・飄々とした名探偵が推理していく

・社会風刺が効いている

 

点で、どうしても「犬神家の一族」を思い出してしまう人も多いのではないか。

 

犬神家の一族(1976)

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  • 発売日: 2013/11/26
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しかし、今作は洋画であり、 金田一作品のような悪趣味感もない。今作とは関係ないが、このラベルを見てどれほど見たい人がいるだろうか。。

 

悪魔の手毬唄

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  • 発売日: 2013/11/26
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今作は「犬神家」的な設定があるものの、そこまでキャラクターにクセがなく、見せ場という見せ場も用意されていない。

 

資産家を演じる俳優=クリストファー・プラマーが出演している点では、「ゲティ家の身代金」を思い出す人もいるのではないか?

 

ただ、こちらは資産家のクセが強く、今作とは似て非なるものだろう。

 

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とにかく、今作は過度にクセのあるキャラクターはほとんどいない。

 

言葉が過激だったりするが、全体のトーンと比較すると大人しいと思えてしまうほどだ。

一番過激な人は、クリス・エヴァンスぐらいかもしれない。

ディズニー資本の映画では絶対に言えないFワードを、今作では溢れるようなFワードでまくしたててくれるのが素晴らしい。

 

キャプテン・アメリカも、鬱憤がたまっていたんだなぁと切に感じる。

 

また、この映画に限っては「吐くまで取り調べを続けるからな!」を実際にやってるのも愛らしいところだ。

 

今作は移民問題やアメリカの歴史や保守思想に対して皮肉たっぷりに描いているが、嘘をつくと吐いてしまう女の子が容疑者として描かれるあたりも、悪徳警官による過激な事情聴取を皮肉っているのかもしれない。考えすぎだとも思うが。

 

 

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まとめ

 

余談だが、コメディ映画としても今作は鉄板ネタを徹底しているのも素晴らしい。

 

おばあちゃんの使い方を心得ている映画は、演出としてプロである。

 

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スターウォーズによってライアンに様々な感情を抱く人もいると思うが、彼を見限るのは今作を見てからでも遅くはない。

 

 

85点 / 100点 

 
関連画像

 

 
 
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